世界をつなぐマンガデザイン展

東京五輪に向けて注目を集めるマンガデザイン クリエイティブの極意を語るトークイベントも

世界をつなぐコミュニケーション、それはマンガデザイン!
今や、海外でもそのままの日本語で通じるぐらい、日本の代表的な文化となっている「マンガ(Manga)」。2018年5~6月、そんなマンガの表現手法をグラフィックデザインに応用した「マンガデザイン」を集めた初の試み「マンガデザイン展 in OSAKA」が、大阪・あべのハルカスの大阪芸術大学スカイキャンパスで開かれました。

本学デザイン学科では、2018年春からマンガデザインの授業がスタート。教鞭をとる吉良俊彦先生は、2011年にマンガデザイナーズラボを設立し、マンガデザインの可能性を追究しています。

マンガデザインの最大の魅力は「伝わりやすさ」。言葉だけでは理解しにくいものや、英語、中国語などの外国語で書かれた内容でも、絵や吹き出し、効果的な表現を用いたマンガにすることで、言語の壁をとびこえ感覚的に伝えることができます。マンガデザインは、2020年の東京五輪・パラリンピックを前に、言語を超える新たなコミュニケーション手法として注目されています。

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アイデア満載の多彩な作品が集合

マンガデザイン展では、本学の卒業生も参加するマンガデザイナーズラボが手がけた58社・団体の約75作品が勢ぞろい。その作風はさまざまで、マンガデザインの総合力を感じ取ることができる、見ごたえのある展示となりました。

吉良先生は、マンガを描ける学生が、その能力を発揮する場として、マンガデザインでの活躍にも期待しています。先生が「マンガデザインにはアイデアが必要」と語るように、展示作品には、数々のアイデアが詰まっています。例えば、プロサッカーチーム、川崎フロンターレの「次節ホームゲーム告知ポスター」。前節までの試合の成績に応じてデザインが変化し、「もっと上へ!」などと意気込みを叫ぶ選手が描かれています。ドイグロジャパンの「最後の平成カレンダー」は、2018年5月から2019年4月まで、「平成」最後となる1年間のカレンダーです。月ごとのページには、同社がかかわったコンビナートの絵が描かれ、下の方に、平成時代のその月に国内外で起こった出来事が書いてあります。平成を振り返ることができるツールにもなっているのです。

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『ドラゴン桜』『宇宙兄弟』を育てた佐渡島さんらが“創造の極意”を伝授

週末ごとに行われたイベントも、展示を盛り上げました。5月19日のオープニング特別講義には、元講談社の編集者で、退職後、2012年に作家エージェント会社のコルクを創業した佐渡島庸平さんが登場。地域や会社など既存のコミュニティが崩れつつある現代で、どうやって他者に自分の思いや考えを伝えてつながっていくか、などを熱く語ってくださいました。

『ドラゴン桜』や『宇宙兄弟』などのヒット作を世に出した編集者の講義に、参加した学生たちのテンションも上がります。「自分が新しく考えた現在存在しないものを表現するには?」「あるシーンをリアルに絵で再現するには?」など次々とぶつけられる質問に対し、佐渡島さんは、自身の経験を踏まえた実践的な回答を返してくださいました。

佐渡島さんは「再現度の高いものが、人の心を打つ」と考えます。例えば、新人マンガ家の力量は、「青空に浮かぶ雲」の描き方で推測できるそうです。雲は季節や時間によって形が違います。デビューできる人は、雲を描く時に、ネームでどのような場面かを把握する、実際に空を見に行く、インターネットで写真を調べる。「現実を見てから絵に落とすという工程を挟むかどうかで、出来上がりがまったく違う」というのです。クリエイターとして成功するためのアドバイスは学生たちにとって、とてもよい刺激となったようです。

マンガデザイン展は、2018年7月に中国・上海で開かれるアニメ・ゲームの博覧会「CCG EXPO(中国国際動漫遊戯博覧会)」や11月にシンガポールで行われるアニメイベント「C3AFA Singapore 2018」などにも出展。日本発のマンガデザインを、世界にアピールしていきます。

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