過去の大阪芸術大学卒業制作展で優秀な成績を収め、現在大阪芸術大学の副手として働いている方々に当時の卒展の思い出や作品制作の秘話などをじっくりと語って頂きました。

第2回インタビュー:青木伸和(あおきのぶかず)さん

2014年度映像学科卒業生。
同年の卒業制作展で作品「お歳暮のハムのひも」が学長賞を受賞。

現在映像学科副手として勤務。


「お歳暮のハムのひも」

動画全編

[青木] 感想ですか、そうですね...まずその賞ってやっぱり結果じゃないですか。結果があって、そこから何が生まれるかってなったら、 他学科の学生と交流をすることができたわけですね。授賞式なり、また他のイベントに出たりだとか。それがとてもメリットだったなと思いますね。

[聞き手]具体的にはどのような?

[青木]そこで会えた人達は、まあ、同じ心持ちじゃないですか。同じ芸術の範囲で、これから自分の分野でフリーランスで食べていこうとしている人達の意気込みのある集団の1人になれた、ということは今後やっていこうという気になれましたね。

[聞き手]受賞した作品はどのような思いでつくられましたか?

[青木]コメディですね。家族を主軸としており、家族ならではの関係性を描きたかったから、それに本気で関わりあっていると客観的に見たらおかしかったりする、っていう部分を切り取って映画にした感じです。

[聞き手]作品制作の際に大変だったことなどありますか?

[青木]映像作品なので、基本的に場所を借りないと撮影ができない。
 例えば、家族という題材なので、家の外観を撮るにしてもそこの許可をとるまでに時間がかかる。その家の前でカメラをおいて、役者さんを置いて、さらに家に入るシーンまで撮りたいじゃないですか。ので、またそこも許可がいる。
 それに沿ってその前に道路の使用許可とか、近くに駅のある家で撮ったんですけど、そこは電車が通るし踏切も鳴るんですね。
 映画って映像も撮りながら、音も録るので、1つ目のカット撮って、二つ目のカットだけ踏切の音が入ってたらおかしいのでそこは撮らずに待ったりとかが大変でした。

[聞き手]副手になってから成長したなと思うこと、また副手になって良かったことなどありますか?

[青木]僕は多分、学生の間に学びそびれてるからここにいるんですよね。
 副手は活動の幅を広げながら最低限の収入を得てるって感じで、卒業制作作品から繋がった人と外部の映画を撮る機会がちょくちょく出てきていて。副手だから夏休みを利用して撮ったりだとか。また明日からも撮影があったり…

[聞き手]休みを利用して行けたりするんですね。
 学生とも関わることが多いと思うのですが、結構刺激になることはありますか?

[青木]よく先生が言うのが、「おれらは変わるけど、学生はまわってるから変わんねぇよな」っていうのがあって。学生は毎年同じ授業内容を受けてるし。
 どんどん自分と同じような人間が出てくるから、同じことやってても「ああそっか。こんな手があるんだ、自分とは違う感覚だな」ということをしばしば思います。

[聞き手]これからの目標などはありますか?

[青木]目標は、脚本をちゃんと書けるようになりたいですね。そこの学びそびれがあって副手をやっているという面もあったりするので。

[聞き手]他の学科の卒制作品は観られましたか?

[青木]観ました、美術の彫刻だったり...僕の見た作品の作者さんはハンディキャップを抱えてる人で、いつも車椅子に乗っていて。
 それで多分、感覚が投影されてるすんごいでかい恐竜みたいな作品を彫ってて。「これは凄いな」と思って。やっぱり、自分の欠落しているものを埋めるために芸術に関わってるって言うのを見て、「そうなのか」と思いましたね。

[聞き手]作品制作を通して自分の発見、成長というのがあれば教えてください。

[青木]あーその、自分の作品を見てると粗しか見えなくなってくるから、あんまり見てないんですけど...映画祭とかでコンペに通ったりとかして、リアクションがあると嬉しいですね。

[聞き手]今後の夢などはありますか?

[青木]先輩で石井さん(※下記に補足)っていう映画監督がいて。彼はちゃんとした目標とかそういうのは全然なくて、とりあえずホラふいといて、それを実現させていくための何かをやる人で。僕はすごくかっこいいなって思ってて、石井さんみたいな監督になりたいって思いますね。 授業に呼ばれて来てたりもしてたんですけど、この卒業制作で賞をとった次の年、僕いい加減だから留年してるんですけどその時に呼んでもらって、石井さんと同期の三人でトークショーに出させてもらって、そこから付き合いがあって。

[聞き手]なるほど、そんな人とお話できるって凄いことですね… 今だからこそ言える、学生のうちにやっておいた方がいいことなどはありますか?

[青木]そうですね...うーん、留年しない方がいい、ですね笑

[聞き手]そうですね(笑)私も単位ギリギリなので気を付けます…
 では、ありがとうございました。

[青木]はい、おつかれさまでした。











※石井裕也(1983~)映画監督。『舟を編む』(2013)で史上最年少のアカデミー賞を受賞。