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「ホテル・アナガ」総支配人 山脇悠一郎(大阪芸術大学デザイン学科客員教授)

「ホテル・アナガ」総支配人 山脇悠一郎

― 先生は大阪芸術大学デザイン学科で授業をされているということなんですけれども、具体的にどういう授業内容なのか教えていただけますか?
 私の担当している授業では、まず学生自身が世の中へ出て困らないようにするということがベースとなっています。
 まず最初に、実技ですね。腕を身に付けなくちゃいけないという部分の授業と、それからモノを考える方法、例えばこの商品がなぜヒットしたのか、なぜ失敗したのか、あるいは次にこういう商品を作るべきなのか、作るべきではないのか、いま世の中はどうなっているのか、人々がどんなニーズを持って、どんなウォンツを持っているのか、そういうことを実例をあげながら勉強してもらおう、そして、なおかつ、いま社会の先端では何が行われているのかということを話しながら、あるいは、一部実験もしながら、総合的な授業にしています。

― では、先生ご自身はデザインということをどのようにとらえてらっしゃるのですか?
 卒業してからすぐに三洋電機という家電メーカーに入って、そこで最初は小さな部品から、そして冷蔵庫やテレビなど家電製品のデザインをしてきました。ところが、単体のデザインというのは、あくまでも単体のデザインなんです。これが時代とともにシステム化が求められ、今度は部屋の問題、つまり、他のものとどう関係がするか、そして、家の問題、都市の問題、社会の問題、という風に非常に幅が広くなってきて、そういう体系も含めて、やはり単体のデザインだけでは難しいんじゃないか、これの存在する背景をよく考えないと駄目だ、というのがベースにあるのです。

― 単体からではなく、周りからせめていくということですね?
 そうですね。このデザインがなぜ生まれたのか、どうしてこのような形をしているのか、材料は何で出来ているか、その材料で問題視されているものはないか、などですね。それは、時代によって変わってきます。今は、環境の問題、エコの問題などいろんな切り口で言われてて、それに対応したことを考えなければいけないと言うことを授業で教えるようにしています。

― いま先生の授業を履修している学生たちの意欲はどうでしょう?
 非常にビビッドに感じている人と、流して聞いている人と両極端ですね。

― 先生自身デザイン学科の一期生ということですけれど、先生の学生時代と比べて今の学生はどういう風に見えますか?
 目的意識をきっちりもつ学生と、学校へ入って考えようという学生の比率が、当時と比べて逆転しているように感じます。自分が何をしたいのか、しっかり自分で見つめ直して、もっと自分の能力を高めたいというような意識を持つようにすると、非常にもっと前向きに出来るんじゃないかと思っています。

― 話は変わりまして、先生はこの度、フランスの“シュバリエ”という称号を叙任されたとお聞きしたんですが、その“シュバリエ”について教えていただけますか?
 シュバリエとは、日本語で「騎士」と言う意味なんですが、1656年にフランスのルイ14世の宮廷グルマンとして知られる貴族たちによって設立された、約350年の歴史のある、シャンパンを愛する人が集まってできた「オルドル・デ・コトー・ドゥ・シャンパーニュ」という由緒ある団体から頂きました。
  シャンパンを愛する人、芸術家など、いろんな人を対象に“シャンパンで人生をもっと楽しんでください”ということを広めていただける人に与えられる称号を、叙任させていただきました。この「ホテル・アナガ」でもシャンパンパーティーを開くなどして、シャンパンの魅力をたくさんの人たちにもっと知ってもらおう、シャンパンはこんなにおいしく楽しい飲み物ですよということを、食文化と一緒に広めようというその取り組みを認めていただいたのだと思っています。

― このホテルは先生にとってどういった場所ですか?
 そうですね、ここでは時を楽しんでほしい、時を忘れて楽しんでほしいという目的で出来たホテルなんです。なので、ここの各部屋には時計が無いんです。時間に縛られず、ゆっくりと過ごしていただきたいですね。

― 先生がデザインされた作品の中で特に記憶に残っているものはありますか?
 そうですね、いろんなもののデザインに関わってきましたが、全て記憶に残っていますね。
 港やホテルなどの建物、競輪用のヘルメット、フェリーボートなど様々ですが、ほんの小さな部品から、ボートや建物のような大きなものでも、デザインするときに、そのものが存在する背景を考えてデザインする、ということに関してはどれも同じですよ。

― 最後に学生たちに一言お願いします。
 目的意識をしっかりと持って、自分が何をしたいのか、それを実現するにはどうしたらいいのかということを、少なくとも在学中によく見定めて、それから社会に旅立っていただきたいなと思います。
 そして、しばらく実績を積んだら、また何らかの形で大学の後輩たちに還元していただけたら嬉しいなあと思っています。

― 本日はどうもありがとうございました!
 ありがとうございます。あなたもがんばってください!

取材/
 企画広報委員 壺井 勘也
 大阪芸術大学テレビ事務室 石原 広喜 鍋田修一郎
インタビュアー/
 大阪芸術大学放送学科4年 浦田 未央



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編集>> 塚本学院校友会 企画広報委員会 発行人>> 福永亮碩