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大阪芸術大学図書館 所蔵品展
■ 画家の眼差し 〜 写生帖
平成22年9月8日(水)〜10月9日(土)
図書館4階展示コーナー
 
 写生は描く対象を熟視して迅速に、且つまた正確・精密に描写することを意味する。写生したものをもとにして本画を描く。我が国では絵画制作は写生をせずに粉本(手本)を臨模することによることが多かった。我が国で写生が盛んに行われるのは江戸時代中頃であると言われているが、それ以前にも写生が行われていた。日本での古い写生は天文9年(1540)、同11年(1542)、天正4年(1576)の紀年のある『鳥類図巻』がある。この画巻は古画の臨模もあるが、実際の鳥の写生に依る図も含まれている。
  江戸時代の狩野探幽(1602〜1674)は自身の画嚢を肥やすために様々な写生を試みた。江戸と京都の往復の間にいろいろな景色を写生した『東海道地取図巻』や『探幽旅絵日記』がある。その他植物の写生として『果蔬草花図巻』などがある。
  我が国で実質的に写生をはじめ、広めたのは圓山応挙(1733〜1795)である。上田秋成の『胆大小心録』に“絵は応挙の世に出て、写生といふことのはやり出て、京中の絵が皆一手になった事じゃ”とあり、圓山応挙が写生の画法を広め、国中に写生画が流行るようになったと記されている。
  我が国では江戸時代の中頃に写生が行われ、写実的な絵画が描かれるようになった。明治時代以降は西洋思想や画法の基に写生をして絵画制作をするのが普通となった。



7. 奥村耕仙 筆  写生帖 明治27年


2の作品


1の作品


7の作品
 

5. 狩野晴皐 筆 異国渡り禽鳥写生図 江戸時代後期

<出展作品>
1. 筆者不詳 鳥類写生図巻  文化4年の記年 江戸時代後期
2. 菊池契月(1879〜1955)筆 武具図粉本帳交 
3. 杉本哲郎(1899〜1985)筆 アンコール・ワット素描下絵 
  昭和17年(1942)の紀年
4. 山口寛嶺(生没不詳)筆  粉本綴 明治時代
5. 狩野晴皐(? 〜1867)筆  異国渡り禽鳥写生図 江戸時代後期
6. 早藤春英(生没不詳)筆  写生帖  江戸時代後期
7. 奥村耕仙(生没不詳)筆  写生帖  明治27年(1894)
8. 奥村耕仙(生没不詳)筆  写生帖  明治26年(1893)

(大阪芸術大学教養課程教授 田中敏雄 筆)





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