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いま、文芸-あさぎ みしずくさん からのメッセージ いま、文芸-あさぎ みしずくさん からのメッセージ

文芸学科 / その他
2017/01/01

出版する簡単なプロセス

<著者プロフィール>
あさぎ みしずく (筆名)
1981年 奈良県生まれ
現在 大阪芸術大学 文芸学科在学中

現在は「自分探しの時代」だといいます。よりよく生きようとして、「自分ってなんだろ う?」と考え、模索する。そんな「自分探し」が、とても大切になる時代だということな のでしょう。
文章を書く、小説を書くということで私が思うこと。それは、「書くことは、自分を見つ けていくことだ」ということです。自分の気持ちがハッキリしない時、紙に書いてみると 整理できた、とか、自分の苦しい心を日記に書いて、少し落ち着いた、という経験はあり ませんか?それは、色んな可能性を持っているけれど、だからこそよく分からない「自 分」というものの一つの面が、文章によって導き出されたということです。書くことによ って、今まで知らなかった自分の思いや、考えが見えてくるのです。生きていく中で感じ るつらい気持ちなどが、書くことによって浄化されることもありました。悲しみや苦しみというものを、表現したり、誰かのための声にしようと思うことで、ポジティブに捉える こともできるのだと思います。
それに、人の書いたものを読んで、今まで想像もしなかったことを知ることが出来、「ああ、こんな風に考えることもできるんだ」と、自分の可能性が広がることもありました。
文章はまた、人によって様々な目的で書かれます。つたえたい、自分の思っていること、感じたことを、ただ、つたえたい人。誰もしたことのない表現で、新しい世界を見たい人。 面白い物語を聞かせて、楽しませてあげたい人…。文芸学科は、そんな先生や生徒のたくさんの文章たちが交流し、交錯する場です。私はここにいて、色んな人の文章や、物語や、 考え方に触れ、技術と、その技術のもっと根本にある心構えを少しは学べたのではないか と思われます。
多く売れることや、すばらしい技術だけが偉大なのではない。百万人を喜ばせることだけが偉大なのではない。たったひとりのひとを励ましたくて、一生懸命書いたもの、自分 を救うために、泣きながら書いたもの、そういうものにも価値があるのだと思います。
私の本は売れ筋ではありません。でも、本当に、心をこめて、書いたものです。つよく 感じていることを、誰かにつたえたくて、何かを見つけたくて、ただ。
そして、たったひとりかもしれないけれど、顔も知らず、会ったこともない人かもしれないけれど、その読者から自分の本が深く愛されたことがわかった時、私は、とても幸せでした。私は、書くことと読むことに、色々な面で救われてきた。そう思っています。

著書 「REINBOW」
2002年11月15日 初版第一刷発行
発行所:株式会社文芸社

まず公募雑誌などで、作品を募集している出版社を確認します。そこに作品を送ると、出版社内にある審査会が、その作品にどんな価値がどのくらいあるかを判断して、まず出版を勧められるかどうか、そしてもし勧められるのであればどんな形での出版を勧めるかを決め、感想や評論とともに連絡してくれます。出版を勧める作品の数は出版社によって違い、条件さえそろっていればというところも、二十本に一本くらいというところもあります。主に、作者が全額を負担して出版社に依頼する形式(自費出版)と、作者と出版社が両方資金を出す形式(共同出版)、それに出版社が全額を負担する形式(企画出版)があるようです。出版社によって見解が違うことも多く、複数の応募をする人もいます。
お金がかかる場合、金額は十数万円から、多い時は二百万円を超えることもあります。
(なので、もしも「儲かるかどうか」という基準が高いウェイトを占めるのであれば、作者出資は向かないと思われます)
出版を決定すれば、編集者やイラストレーターといった方々に協力して頂きながら、編集や手直し、デザインなどをしていきます。応募してから出版されるまでは、大体半年くらいの時間がかかります。