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ポピュラー音楽コース 卒業演奏会 ポピュラー音楽コース 卒業演奏会

演奏学科
2021/04/28

4年間の学びを凝縮!卒業生最後のステージ

2021年3月12日、大阪市浪速区「なんばHatch」にて、演奏学科ポピュラー音楽コース「卒業演奏会」が行われました。


卒業演奏会は、大阪芸術大学の4年間で学び、経験してきた音楽の集大成を発表する場となるため、同コースに在籍する学生にとって、最も注目されるイベントのひとつです。また、出演するのは2021年3月に卒業する第15期生のうち、卒業試験で優秀な成績を収めた学生が中心となって組まれたバンド・ユニットです。


そのバンド・ユニットは、中心となる学生が頭のなかで鳴っている理想の音を具体的に再現するために、自身のイメージに一番近い音を出すことができる同コースの学生たちを集めて、結成されました。


会場となった「なんばHatch」は、2002年7月に開業した複合施設・リバープレイス湊町内にある関西有数の大規模ライブハウスで、スタンディング形式での収容人数は約1500人です。日本随一を自負する音響システムや、出演者の音楽性や感情表現を忠実に再現できる照明設備を有しており、ジャンルを問わず、国内外の人気アーティストたちのライブが開催されています。

 

一瞬にして自分色に
圧巻のパフォーマンス

照明が落とされた会場内には、開演を待つ観客たちの静かな談笑が広がるなか、ステージ上のアンプ類の発するかすかな明かりが浮かびあがっていました。スポットライトがステージの下手を照らすと、談笑は止み、司会役の在校生2人が姿を見せました。


落ちつきのある、ていねいな口調で卒業演奏会の説明をしたあと、話題はこれからトップバッターで登場するヴォーカル専攻・島貫太門さんの紹介へ。島貫さん率いるバンドのセッティングの間、実技を担当していた演奏学科 講師・山里直樹先生からのコメントが読み上げられました。


準備が整うと、演奏曲名「Love God Love People」(作詞・作曲:Danny Gokey)が紹介され、ドラムのシンバルロールとともに演奏がスタートしました。


身体が自然に動き出すような、スローテンポではねたリズム。そこに、周りのものをすべてつなげてしまうようなピースフルな歌声が乗り、一瞬にして会場全体を温かくつつみ込みました。またステージ上を自由に動きまわり、手の動きや顔の表情を交えて内なるものを表現していくステージングは、観客席との一体感を増加させ、観る側をどんどん引き込んでいきます。そして曲の終盤、会場の空気が横に揺れるような盛り上がりのなか、サビ部分を繰り返していた演奏がピタリと停止。あふれた感情が少しまじったヴォーカルだけが響きわたり、声の余韻が残るなか、演奏が終わりました。

なんばHatchに響く
それぞれが追いかけた音楽

この曲を皮切りにオリジナル・カバー曲を含む、ゴスペル、ポップス、ソウル、デスコア、フュージョン、プログレなどさまざまなジャンルの楽曲が披露されました。

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●ヴォーカル専攻 島貫 太門 「Love God Love People」(作詞・作曲:Danny Gokey、編曲:島貫 太門)

●ヴォーカル専攻 中井 優月 「Sign」(作詞:牧瀬 エミ、作曲:川口 大輔、編曲:みんな)

●サックス専攻 川上 晴瑠 「It’s a Man’s Man’s Man’s World」(作詞・作曲:Betty Newsome、James Brown)

●ヴォーカル専攻 大本 朝陽 「The Cure」(作詞・作曲:Lady Gaga)

●ドラムス専攻 高垣 了輔 「I dentity」(作詞・作曲・編曲:August Burns Red)

●ベース専攻 清原 奈々 「Bios ~Through my bloodメドレー~」(作詞:Rie、cAnON、作曲:澤野 弘之、編曲:清原 奈々)

●ベース専攻 柿本 晋太郎 「Yet to come」(作曲:柿本 晋太郎)

●ヴォーカル専攻 酒井 淳平 「僕ら」(作詞・作曲:酒井 淳平、編曲:みんな)

●ドラムス専攻 血原 亜紀 「Multiverse」(作詞・作曲・編曲:血原 亜紀)

(出演順、敬称略)


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ベース専攻の清原奈々さんは、民族音楽または“壮大な”ロックともいえる楽曲を披露しました。ミドルテンポで始まる曲の冒頭から、ベースによる隙間ない符割りのリフ。スリリングな曲調にソウルフルなヴォーカルが演奏とまじわり、またたく間に、これから始まる楽曲の世界が会場全体に広がりました。


まったく予想のつかない曲の展開や重層的な音の響き、足元から突き上げてくるリズム。あるときは崇高に、あるときは泥臭く、音楽を通じて根源的なことを聴く側に訴えかけてくるような、壮大な世界を表現していました。

 

 

卒業演奏会の最後には、今回、出演を果たせなかった学生たちを含む第15期生がステージに集いました。ピアノの曲に乗せて、名前が順番に2~3人ずつ読み上げられ、当人たちがステージに出てきます。声は出さずに、一礼する者、踊りを披露する者、大きな紙に書いたものを見せる者など、大阪芸術大学演奏学科 ポピュラー音楽コースで学んだ4年間に対する感謝の思いを伝えていました。


演奏した卒業生9人の表情には「自身の音楽ができた」という安堵の思いと、「今日という経験を今後にもつなげていこう」という気持ちが表れているようでした。


今年も、卒業生たちが4年間追いかけた、それぞれの音楽が集結した卒業演奏会となりました。

 

ポピュラー音楽コース/ドラムス担当
江藤 文夫先生

 僕自身はドラムスを担当していますが、ドラムス専攻の学生であっても曲を書いて歌詞も書く。要するにひとつの作品としてつくることができるよう指導しています。テクニック的なことは当然、できるようになりますが、ポピュラー音楽コースとしてめざすのは、音楽を創造しアートの域まで高められるようなレッスンです。カッコいいことを言えば、ドラマーよりミュージシャン、ミュージシャンよりアーティストということですね。
 アートは「終わりなき戦い」だと思うんです。うまく叩けたから終わりではなくて、もっと修正した方がよりよいパフォーマンスにつながるかもしれない。つまりKeep goingです。今日は卒業演奏会ですが、ひとつの通過点でもあります。今日の経験を糧に音楽を、芸術を続けていってほしいですね。もちろん、われわれ教員陣もKeep goingしている人ばかりですよ。
 ポピュラー音楽コースには、たくさんの先生がいます。ドラムスだけでも6~7人。ということは、いろんなタイプのドラマーがいるということです。1年生時は選べませんが、2年生からは学生自身が希望する先生から学ぶことができ、4年間で最大4人の先生から学ぶことができます。このシステムはドラムスだけでなく、すべての専攻楽器においてですので、この点はポピュラー音楽コースの大きな特徴のひとつだと思いますね。
 また、大阪芸術大学は絵とか彫刻、漫画など、いろいろなアートが集まる総合芸術大学です。僕が学生たちに望むのは、自身のアートを高めるためにも音楽以外のアーティストとコラボするべきだということです。今後は学生たちに対し、そういうことも後押ししていきたいですね。

ポピュラー音楽コース ヴォーカル専攻 4年
島貫 太門さん

 卒業演奏会に向けて練習を重ねてきましたが、今日の本番での演奏が一番よくできたと思いますし、実際、とても楽しかったです。
 本番中、歌っているときの自分の声はステージ上にある返しのスピーカーで聞くのですが、今日みたいにステージ上を動き回って歌うスタイルをとると、返しのスピーカーから離れるので自分の声が聞こえなくなります。しかし、今日のなんばHatchは音響環境が素晴らしく、ステージで歌う自分の前はもちろん、舞台袖にもスピーカーがあって、どこにいても自分の声がしっかりと聞こえたので、とても歌いやすかったです。。
 また普段、こういう大きな舞台で歌える機会はなかなかないですし、実際立ってみて、緊張と楽しさが入り混じったような、少し複雑な感覚を味わいました。すごくいい経験になりましたし、これからパフォーマンスをするときに生きてくるのではないかと思います。
 4年間をふり返って、自分の歌におけるターニングポイントは、3年生のときのプロムナードコンサートですね。名古屋公演(愛知県芸術劇場大ホール)でピアノの弾き語りをしましたが、リハーサルのときとか、ヴォーカルの担当していただいていた先生にすごく褒めていただいて。普段は「もっとこうした方がいい」というアドバイスが中心だったのですが、このことが自信となって、自分のより深いヴォーカルの勉強へとつながっていきましたね。

ポピュラー音楽コース ベース専攻 4年
清原 奈々さん

 バンドメンバー10人が集まった初めての練習から昨日のゲネプロまで、一度も思い通りの演奏になったことがなかったんです。
 自分の頭のなかで形はできているのですが、それに近づけるために、メンバーにはいろいろな注文をつけました。いま思えば無茶なことも言っていたのですが、私自身が大きい舞台で、大人数で表現したかったので、粘りに粘って今日という日になりました。リハーサルのときにはじめて、「あ、これがやりたかったんや」と思える音楽になったので、もう正直、ウルっときちゃいましたね。本番のステージでももちろん、イメージ通りの演奏ができました。メンバーのみんなにはとても感謝しています。
 もともと、自分が前に出るよりほかの人を主役にして、その人をいかによく見せられるか、ということを考えるタイプでしたね。「私は主役じゃない」と。3年生のオープンキャンパスでバンドの総プロデュースをやったときに、「すべての楽器の立ち位置や役割を分かったうえで演奏したら、お客さんにどのように伝わるか」ということが、頭のなかに明確に出てきたんです。これまで通り、自分はプロデュースする側で音楽をしていく、という確信につながったのはこのときでした。
 「『自分次第』ということを学べる場所」という点が、ポピュラー音楽コースのよいところだと思います。音楽をやるのは自分ですし、演奏の良し悪しが決まるのも、最終的には自分次第ですので。「全部、自分で行動してここまで来たな」って思える、そういう場所だと思います。