「自分が知らないものをどうやって訴えるか。そこが難しかったです」
話してくれたのは、CM制作のディレクター、中川 洸さん(放送学科・制作コース3年)。SNSを背景にした問題は自身が中高生のころにはなかったので、どういう子が被害にあっているのか最初はよく分からなかったそうです。現実に何が起こっているのか。中川さんは話を聞くために、夏休み前ごろから府警に10回以上通い、イメージをふくらませながら絵コンテを描き始めました。
「闇バイトに騙されないで」編における般若の面のアイデアも中川さんによるものですが、最初はピエロだったといいます。闇バイトは他の犯罪と違って内に潜っていくような印象を受けたため、陰湿的なイメージのものとして浮かんだそうです。ただ、“日本で起こっている犯罪”ということで般若を採用した、とその理由を明かしてくれました。
「闇バイトに騙されないで」編に出演した吉岡真奈さん(放送学科・アナウンスコース3年)は、撮影時の様子を次のように振り返りました。
「撮影のときは、カメラでいろいろな方向から撮ってもらったのですが、そのときは仕上がりがどうなるか、まったく想像がつきませんでした」
また出演者やスタッフが、現場で試行錯誤をしながらつくり上げていく過程にとても刺激を受けたと話す吉岡さん。完成CMの感想を尋ねたところ、「ひたすら感動しています」と笑顔で返してくれました。
今回完成したCMは、大阪府下の主要な鉄道駅の設置モニター、阪急梅田ビッグマンや道頓堀など繁華街の大型ビジョン、各自動車学校やラウンドワンなどで公開予定です。