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大阪府警 啓発CM制作 大阪府警 啓発CM制作

放送学科
2021/02/26

大阪府警の要請で
若い人たちに向けた啓発CMを制作

2020年11月25日、6号館1階TVスタジオにて大阪府警察本部 少年課と大阪芸術大学放送学科で制作された、会員制交流サイト(SNS)を通じた犯罪を防止する啓発CMの完成試写会が行われました。

「なくそう自撮り被害」編を説明する放送学科 学科長・石川豊子先生(写真一番右)

最近はSNSを通じて被害にあったり、犯罪にまき込まれる若い人が多い傾向にあるとのことで、とくに今、問題となっているオレオレ詐欺に代表される「特殊詐欺」に加担して捕まるといった実情や被害の模様、「自撮り被害」、「パパ活」による性被害などについて説明があり、これらの犯罪防止を啓発するCMを大阪府警察本部からの依頼で、放送学科が制作することになりました。


「闇バイトに騙されないで」編のワンシーン

若い人たちにしのび寄る犯罪と被害
闇バイト・自撮り被害・パパ活

暗闇を背景に、真ん中にはスポットライトを浴びながら立っているひとりの女性。すると、後ろから般若の面をつけ、黒い衣装を着た正体不明の人物が現れる。怪しい動きで女性に触れるか触れないかの距離まで近づき、その手は女性を何かに引き込もうと、その機会をうかがっているかのような得体のしれない動作を続ける。

画面には、「#高収入」「#簡単」「#出し子」「#受け子」の文字が浮かび、「高収入、ノーリスクなどのもうけ話に、騙されないでください」とナレーションが入る。


この「闇バイトに騙されないで」編のCMでは、犯罪に利用しようとする甘い言葉や誘惑が、若い人たちのすぐ近くにまで忍び寄っている現実が表現されていました。

このほかにも、「なくそう自撮り被害」編、「危ない!パパ活!」編が試写されました。いずれも実際にあったエピソードをもとに制作されたものです。SNSという、簡単に人とつながることができる便利なツールの陰に潜む、悪意ある誘いを安易に受けたことをきっかけに、若い人たちが被害にあい、傷ついている現実が伝わる仕上がりとなりました。

「危ない!パパ活!」編のワンシーン

普段の学びを現場で実践する放送学科の学生たち

「自分が知らないものをどうやって訴えるか。そこが難しかったです」


話してくれたのは、CM制作のディレクター、中川 洸さん(放送学科・制作コース3年)。SNSを背景にした問題は自身が中高生のころにはなかったので、どういう子が被害にあっているのか最初はよく分からなかったそうです。現実に何が起こっているのか。中川さんは話を聞くために、夏休み前ごろから府警に10回以上通い、イメージをふくらませながら絵コンテを描き始めました。


「闇バイトに騙されないで」編における般若の面のアイデアも中川さんによるものですが、最初はピエロだったといいます。闇バイトは他の犯罪と違って内に潜っていくような印象を受けたため、陰湿的なイメージのものとして浮かんだそうです。ただ、“日本で起こっている犯罪”ということで般若を採用した、とその理由を明かしてくれました。

「闇バイトに騙されないで」編に出演した吉岡真奈さん(放送学科・アナウンスコース3年)は、撮影時の様子を次のように振り返りました。

「撮影のときは、カメラでいろいろな方向から撮ってもらったのですが、そのときは仕上がりがどうなるか、まったく想像がつきませんでした」

また出演者やスタッフが、現場で試行錯誤をしながらつくり上げていく過程にとても刺激を受けたと話す吉岡さん。完成CMの感想を尋ねたところ、「ひたすら感動しています」と笑顔で返してくれました。

今回完成したCMは、大阪府下の主要な鉄道駅の設置モニター、阪急梅田ビッグマンや道頓堀など繁華街の大型ビジョン、各自動車学校やラウンドワンなどで公開予定です。

大阪府警担当者と学生スタッフのみなさん。前列左から3人目=吉岡真奈さん、後列左から3人目=中川 洸さん