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Topics

第一線で活躍する一流声優による特別講義 第一線で活躍する一流声優による特別講義

放送学科
2020/02/14

学生たちにベテラン声優が
その経験を語りかける特別な時間

2020年1月14日、8号館の階段教室に学生たちが詰めかけました。その理由は声優のレジェンドといえる放送学科客員教授の野沢雅子先生、ハイジの声でおなじみの杉山佳寿子教授に、数々の名脇役を演じてきた佐藤正治先生による特別講義が行われたから。どの先生方も声優として数十年に渡り、第一線で活躍してきました。その経験から何かを学び取ろうという学生たちで階段教室は満席に。

Profile

野沢 雅子 先生
客員教授
野沢 雅子 先生

2歳で映画に出演。青二プロダクション設立メンバー。役者として、主宰の劇団ムーンライトの講演活動にと精力的に取り組んでいる。アニメの代表作は「ドラゴンボールシリーズ(孫悟空・孫悟飯・孫悟天)」など多数。

杉山 佳寿子 先生
教授
杉山 佳寿子 先生

1947年愛知県生まれ。声優、舞台女優。代表作に「アルプスの少女ハイジ」のハイジ役、「科学忍法隊ガッチャマン」白鳥ジュン役、「サイボーグ009」フランソワーズ・アルヌール役、「うる星やつら」テンちゃん役、「キテレツ大百科」コロ助役など多数。

佐藤 正治 先生
講師
佐藤 正治 先生

1946年東京都生まれ。声優、ナレーター、そして俳優。「ドラゴンボール超」亀仙人役、「きかんしゃトーマス」デューク役など渋い声質を生かし名脇役として多くのアニメ作品に出演している。

テレビでお馴染みのセリフに
満場の学生からあがる歓声と拍手

「オス!オラ悟空。よろしくな」と野沢先生が第一声。そして「ペーター、あたしハイジよ」と続いたのは杉山先生。それを受けて佐藤先生が「アルプスの少女ハイジ」のアルムおんじの声で「ハイジはどこへ行っただ」と続けると学生からの万雷の拍手と歓声が沸き起こりました。今回の特別講義は、いわば声優のレジェンドによる座談会。数十年に渡って、声優として数々の現場に立ってきたからこその経験と言葉から学生たちに何かを学び取ってもらおうと企画されたものです。

まずはタイムリーな話題として、第70回NHK紅白歌合戦に出演した野沢先生の話題に。「でも若い人たちはテレビ見ないからね」とMCを務める佐藤先生から嘆くような声が。そこで杉山先生が「年末の紅白見た人」と手を上げるように促すと、ほとんどが挙手を。ここに集まっているのは将来、メディアで活躍することを夢見る学生たちばかりのようです。


木村拓哉のファンだという杉山先生が「グランメゾン東京は見てる?」と問いかけると、会場からの反応は鈍く、見ていない雰囲気。「ドラマ見ないの?それはダメだ。でも見たっていっちゃえば(笑)」と混ぜっ返す野沢先生。「僕らの若い頃は映画をよく見ましたよね」という佐藤先生の言葉を受けて、杉山先生が「1日3本ぐらい見てたよね。外に出るともうふらふら(笑)」と返すと学生たちの緊張も笑いとともに、ぐっとほぐれてきたようです。

自分の人生を生きるように
物語のキャラクターを生きる

学生時代はテレビや映画に限らず、実体験としてもいろいろなものを見て、楽しみ、自分のものにしたほうがいいと持論を展開する講師陣。そこから、現場で積んだ経験の重要さへと転換していきます。話題は1970年台に人気を博したアニメ「いなかっぺ大将」の現場でのエピソードに。主人公の風大左衛門は野沢先生、その師匠ニャンコ先生は故・愛川欽也氏が演じました。愛川氏は後年、MCとしても名を馳せたようにアドリブの名手です。


「現場ではアドリブ的なやりとりが基本だったの」と 野沢先生が言うと、「昔の人はアドリブがうまくって。あっ昔って言っちゃった(笑)」と 杉山先生。でもね、と野沢先生が話を継いでいきます。「みなさん、ふだんの生活では台本無しで全部アドリブで会話してるでしょう。それは自分の人生を生きているから」。その言葉を受けて「アニメではキャラクターがはっきりしているから、その人になって物語を生きやすいのよね」とは杉山先生の談。声優として、ひとつのセリフを生かすには、そのキャラクターとして生きることが大切だということが実感として伝わるエピソードでした。

現場で先輩や制作サイドとの
コミュニケーションを大切に

「みなさん、声優の仕事を始めたとして、現場が終わって『飲み会やるよって』誘ったら来るかしら」と話題を変える野沢先生。「声優の世界に入って、先輩やプロデューサー、ディレクターといった制作サイドとコミュニケーションできる機会があれば、絶対行ったほうがいい」と言葉を継ぎます。「でもね、野沢先生はこう見えて全然飲めないんですよ(笑)」とは佐藤先生。「飲み会に行ったら、みんな明るくいこうね。コミュニケーション取りづらいと損しちゃう。先輩に積極的に話しかけていく姿勢が大事」と野沢先生。杉山先生が「昔は先輩たちのアタリもきつかったけどね。今はみんなやさしいのよ」と言葉を発すると、「もし、きつくあたってくる人がいたら、私に言ってくるのよ。これでも、この世界で一番古いんだから(笑)」と野沢先生の心強い言葉。声優を目指すなら、積極的にコミュニケーションを取ることが重要だということです。

エピローグ

他人の演技に嫉妬したことは」など裏事情的なものまで十名もの学生がマイクを持ち、積極的に質問する様子に、声優界のレジェンドが今まで積んできた経験に対する関心の高さがうかがえます。特別講義は90分の時間をフルに使い切って終了。最後は講義に参加した学生たちと先生方の記念写真で幕を閉じることになりました。