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NAKED CITY LIGHT FANTASIA 2023 ハルカス300 NAKED CITY LIGHT FANTASIA 2023 ハルカス300

アートサイエンス学科
2024/03/14

11月28日、「あべのハルカス」にてクリエイティブカンパニーNAKED, INC.(ネイキッド)が主催する「NAKED CITY LIGHT FANTASIA 2023 ハルカス300」がスタートしました。地上約300mの展望台を舞台に夜景&光景の融合を楽しめる人気イベント。昨年度から「関西・大阪万博」をテーマに掲げ、開幕まで500日を切った今年度は「大阪と世界の架け橋」となるべく、インタラクションをより意識した内容にアップデートしています。58階には、アートサイエンス学科の学生が手掛けた作品も登場。未来を担う若い力とプロが共創して、万博を盛り上げます。

万博、いのち、共創…、学生たちの想いをのせた
プロジェクトマッピング&インタラクティブアート

学生たちが担当したのは、あべのハルカス58階から60階に連なる高さ16mのツインタワー。スクリーン内に迫力満点の大木が映し出されるなか、来場者が3Dアートの植物にジョウロを傾けると、まるでいのちが注がれたように鉢に光が灯り、樹に大輪の花々が咲く演出です。

プロジェクションマッピングと連動したこのインタラクティブアートは、大阪・関西万博が謳う「いのち輝く未来社会のデザイン」や同イベントがめざす「共創」「世界と大阪をつなげること」に基づいて、学生たちが考えたオリジナルストーリー。来場者自らが、いのちを与え、咲かせた花が美しくも儚く散っていくことで、自然と人のつながり、力強い生命のサイクルや、未来へと続いていく時間のスケールを表現しています。

来場者が働きかけることで植物に生命を吹き込み、花が咲き、未来に繋がっていく体験型コンテンツ
風で揺れる葉の音や鳥の鳴き声に包まれた自然界。「自分が花を咲かせた!」と来場者が体感できるよう、開花時には心弾むサウンドが流れる

花々に夢や希望のメッセージを込めて

4種の花は、スノードロップ(希望)、ブバリア(夢)、ストック(未来)、大阪府の花 サクラソウ、花言葉や大阪らしさがPRできるよう、学生たちが厳選。その時、その空間に、偶然集まった人々が、単に花を咲かせるだけではなく、メッセージも発せられることを意識して制作しました。

 大阪から、日本中、世界に向けて、夢や希望を発信したいという学生たちの想いやアイデアが盛り込まれています。

異なるメッセージを持つ植物が花を咲かせる

プロとともに、夢物語を実現させる

ツインタワーの作品は、ネイキッドが若い才能を育むために取り組む「0×0=∞(ムゲンダイ)プロジェクト」の一環として制作。ネイキッドのディレクターでアートサイエンス学科の講師、川坂先生の指導のもと、学生がプロと共にゼロから創りました。

学生達はまずコンセプトづくりから開始。全体テーマ、大阪らしさ、外国人観光客へのわかりやすさなど、幅広く話しあい、コンテンツ案へと絞り込んでいきます。川坂先生よりアドバイスを受け、個々の意見発表時には参考画像などを持ち寄り、皆でイメージを共有。こんなことが出来たらいいなぁ!という夢物語に終わってしまわないよう、常に実現できるカタチを頭に描いておくことがポイントです。

ネイキッドが過去に手がけた貴重な資料を見せてもらいながら、コンテンツを決定。その後は、映像・プログラミング・音響、3Dアートと役割分担し、各々がネイキッドと相談しながら制作。約3ヶ月かけて、企画から現場に実装するまでを手掛けました。

2023年11月28日、作品が発表される点灯式では関係者の方々と共に学生を代表してアートサイエンス学科3年の川越創太さんも参列。作品に込めた想いをPRしました。

「人とのつながり、咲く花が伝えるメッセージも感じてもらいたい」と話す川越さん(左から2人目)
本プロジェクトに参加したアートサイエンス学科の学生と川坂先生

あべのハルカスから平和を発信する
「DANDELION PROJECT」

2015年より継続的に開催されてきた「NAKED CITY LIGHT FANTASIA」。今回のイベントは、ネイキッドのアーティストで客員教授 村松亮太郎先生が国内外52ヶ所(2023年11月時点)で展開するアートプロジェクト「DANDELION PROJECT」が見どころの一つとなっています。

平和への祈りを世界中に届け合うことをめざして、来場者がデジタルのタンポポの綿毛を飛ばし、各会場をまたぎながら、平和を象徴する花を世界中に咲かせていく。タンポポの綿毛と平和の花を通じて交流し、大阪と世界各地とのつながりを体感できるようになっています。

イベント初日には大阪・関西万博公式キャラクター ミャクミャクが登場。ミャクミャクが「DANDELION PROJECT」の初体験者となり、これから体験していく来場者を繋ぎました
パリ、ニューヨークなど、「DANDELION PROJECT」に参加した世界各所の花がリアルな夜景と融合
床面には眼下に走る道路映像を投影。幸せの花のメッセージが咲く60階から、次は来場者がメッセージを込めた花を大樹に咲かせる58階へと繋がる導線

万博に向けて機運を上げる貴重な体験が
次世代クリエーター誕生へと繋がっていく

無限大の可能性を秘めた世界的イベント大阪・関西万博と、学生たちの無限大のポテンシャルを引き出す実践型プロジェクト。学生たちにとっては、万博開幕に向けて機運を上げるという地域貢献度が高く、それゆえに大きな責任を担う貴重な体験となりました。

今回のプロジェクトが学生たちの未来を切り拓く糧となり、メイド・イン・ジャパンが誇る次世代クリエーターの誕生へとつながっていくことが期待されます。

 「NAKED CITY LIGHT FANTASIA 2023 ハルカス300」は、2024年3月31日まで、あべのハルカス展望台「ハルカス300」で開催されています。

【イベント名】

「NAKED CITY LIGHT FANTASIA 2023 ハルカス300」


【開催場所】

あべのハルカス(大阪府大阪市阿倍野区阿倍野筋1−1−43)展望台「ハルカス300」


【開催期間】

2023年11月28日(火)~2024年3月31日(日)


【関連サイト】

■公式webサイト

https://lp.naked.works/0x0mugen-project/page_clf.html


■「NAKED, INC.」webサイト

https://naked.co.jp/works/20398/


■ 「0×0=∞プロジェクト」webサイト

https://lp.naked.works/0x0mugen-project/page_clf.html

アートサイエンス学科 講師/株式会社ネイキッド クリエイティブディレクター
川坂 翔 先生

昨年のプロジェクトは1年生の特別プログラムとして実施したため、「発想」をメインにした学びでしたが、今年度は3年生を中心にチームを編成。映像や音、プログラム、3Dアートなど、素材の「制作」や現場への「実装」も手掛けてもらいました。ネイキッドは、皆の想いや情報を整理することで、面白い新たな発想につながるようサポート。様々な制約があるなかで、答えに導くのではなく、様々な事例を示しながら、学生が次に進みやすい環境づくりをめざしました。皆で納得できる答えを出すために、色々な方向から考える過程自体も勉強になったことでしょう。
とはいえ、もっとこうしたら良かった…と後悔がある人もいると思います。しかし、そういった反省材料があるからこそ、今度は頑張ろう!という成長を促します。高い満足度を求められる有料施設で作品を発表し、世界中の人に見てもらう体験は普段の授業だけでは得難いものです。この貴重な経験を糧にして是非、次のステップへ進んでいってほしい。ハードルの高い取り組みをプロとともにやりとげたという自信が、学生の可能性を広げ、国際的に活躍する未来のクリエーターの誕生へとつながれば嬉しいです。アートサイエンスは、サイエンスが理解できなければ難しいと諦めてしまっている人もいると思いますが、テクノロジーが身近なものとして発展してきた今の時代では逆に、誰もが取り組みやすくなっています。少しでも興味がある人は、ぜひアート&サイエンスが実現する新しい表現にトライしてみてください。

アートサイエンス学科 3年生
藤本 築 さん

今回のプロジェクトではアイデア出しのみならず実装も行うため、時間配分には気を配りました。やりたいことを全て詰め込むと間に合わなくなるからです。どうすれば最高の結果を出せるか。そこに時間をかけてコンテンツを決めていきました。制作で私が担当したのはプログラミングです。授業でタッチデザイナーを触ったことはあるものの、実装まで携わるのは初めて。苦労したのは体験者のアクションに反応してランダムに咲く花の位置です。ネットで検索しても参考になる事例は皆無。ネイキッドのプログラマーから、コードを一から組みあげることなく、抜粋して組み合わせるという効率的かつ実用的な技を学べたことは大きなプラスとなりました。
将来は大好きなゲーム会社への就職を希望しているので、チーム一丸となって一つの作品を作り上げたことも良い体験です。自分ができること・できないことを相手に伝え、イメージを共有できる工夫をして相違がないか確かめあうなど、チーム制作でのコミュニケーションの大切さを実感。社会に出た際にも大いに役立つと思います。色々と苦労はありましたが、何十万人という人が訪れる場所に展示する作品を手掛けられ、感動もひとしおです。

アートサイエンス学科 3年生
森田 江梨花 さん

映像制作担当として、木を中心とする背景映像とインタラクティブ映像に2人の学生で取り組み、私は花が咲いて消えゆくまでを受けもちました。リアルな木に馴染むよう、花にもリアルなテクスチャが必要です。普段、3Dで描くときはイラスト調のものが多く苦戦したものの、エフェクトをかけ、開花スピードに緩急をつけることで実写感を追求。植物学の文献などを見て自分史上、最も頑張りました。花を咲かせるという行為は、現実ではかなりの時間を有します。その工程を可視化して、わずか数秒で完結できる作品ゆえ、国籍や年齢を問わず楽しみ、皆に笑顔になっていただけると思います。
大阪市中央公会堂のプロジェクトマッピングに魅了され、アートサイエンス学科に入学したこともあり、今回、そんな感動作品を手掛けてこられたプロと共に制作できる貴重な体験ができて、本当に良かったです。あべのハルカスという人気施設で作品を披露させていただくというやりがいと共に、チーム制作における責任感やプロに求められる厳しさも実感できました。この経験を忘れず、自分がどういうカタチでチームや社会に貢献できるのか考え、作品制作に励んでいきたいです。