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大阪芸大と大阪芸大短大部の学生バンドが競演「POP WAVE LIVE 2026」 大阪芸大と大阪芸大短大部の学生バンドが競演「POP WAVE LIVE 2026」

演奏学科
2026/10/20

大阪芸術大学演奏学科ポピュラー音楽コースと大阪芸術大学短期大学部メディア・芸術学科ポピュラー音楽コースの学生たちが、学年の垣根を越えてバンドを組んでパフォーマンスを披露する音楽イベント「POP WAVE LIVE 2026」が8月25日(火)、大阪・Zepp Nambaにて開催されました。同イベントには、学内オーディションで選ばれた10組が登場し、日頃の学びや練習の成果をステージ上で発揮しました。

“音楽を仕事にすること”を目指す学生たちの多彩なパフォーマンス

多くのプロミュージシャンがステージに立っている、Zepp Namba。そんな会場で演奏をすることができる「POP WAVE LIVE」は、音楽の道を志す学生たちにとって、在学中の目標となる学外公演の一つと言えるでしょう。また演奏だけではなく、演奏学科ポピュラー音楽コースの森川美穂先生とのトークパートも同公演の見どころの一つとなっており、学生の音楽にかける思いを知ることができます。


1組目に登場した、4月入学の1年生全員による1年生ゴスペルは、そうした大舞台に立つことができる喜びに満ちあふれていました。披露したのは、アース・ウインド&ファイアーの名曲「September」。学生の一人が原曲からインスパイアされたラップをおりまぜるなど、華やかなステージが展開しました。振付も親しみやすく、観客が学生たちの動きに合わせて手を振るなど会場全体を明るい雰囲気に盛り上げました。


2組目に出演した福田 GOD 匠は、福田匠さん(4年生)を中心とする7人編成のバンド。特徴的だったのは、福田さんを含めてギタリストが4人いた点。舞台上には、アコースティックギター、エレキギター、12弦ギターなど様々なタイプのギターが7本も用意され、福田さんらは演奏途中でギターを持ち替えるなどしながら、a2cさんの曲「Gratitude」を演奏しました。卓越した演奏技術を見せた福田さんに、森川先生も大きな期待を寄せます。トークパートでは、福田さんは今後の進路について「上京して、レコーディングやライブを行うことになると思います。10月頃には大きめのツアーに参加する予定もあります。これからもっと活動を広げていきたい」と展望を明かしました。

親しみやすい振付やオリジナリティあふれるラップをまじえて名曲「September」を歌唱した1年生ゴスペル
福田 GOD 匠は、森川美穂先生も高く評価する演奏技術で会場のボルテージを上げていく

5組目に演奏したSosuke Sky 迫真ラテンジャズ部は、ミシェル・カミロさんのラテンジャズ曲「On Fire」をベース、ドラム、ピアノの3人編成で演奏。ピアノの疋田真菜さん(4年生)の軽快なピアノのメロディに、齋木かれんさん(4年生)によるドラムのリズム、そして中山蒼介さん(2年生)のベースラインが乗っていきます。中盤のソロパートでは、それぞれの演奏を引き立てるために各プレーヤーが巧みに押し引きを使い分けます。演奏終盤では、中山さんが「まだまだいくぞ」とばかりに人差し指を立てて声を上げ、観客のボルテージをさらに引き上げました。トークパートでは、中山さんが「ラテンアンサンブルの授業を受講しており、その影響でやってみようと思いました」と同曲を演奏するきっかけなどを語りました。

3人の高い技術を感じさせる息のあった演奏は観客を引き込んでいく

短期大学部の学生5名で結成されたUnknown Seedlingは7組目に登壇し、椎名林檎さんの「ギブス」をカバー。「メンバー全員、熱い気持ちで演奏しているので、その熱を感じてください」というバンド紹介通り、気持ちを前面に押し出したパフォーマンスを見せました。ボーカルの具志愛奈さん(短大1年生)は、原曲でも印象的な息遣いや、地声とファルセットを行き来するような歌唱など、多彩な表現を披露しました。トークパートでは、森川先生が「短大のレベルの高さが感じられました」と演奏を高く評価。トークに応じた小山海晴さん(短大2年生)は今後の進路について「東京へ行って、もっと音楽の腕を磨きたい」と力強く宣言しました。


「POP WAVE LIVE 2026」のトリを飾ったのは、10人編成のNEKOKARUBI。ボーカルの木村ももさん(3年生)が作詞・作曲を担当したオリジナル曲「猫かぶり」を披露しました。同曲は、木村さんが自分自身を投影した内容。ついつい猫をかぶって他人と接してしまう面も含めて“自分らしさ”ではないかと前向きに捉え、そうした思いを込めて多くの人の励みになる楽曲を制作したと言います。ポップな曲調と木村さんののびのびとした歌声が聴き手にパワーを与え、なにより「歌うことがとても楽しい」という様子が伝わってきます。「好きなことを追いかけて」「人目を気にせずいたい」といった歌詞も親しみやすく、一体感を生むパフォーマンスでイベントを締めくくりました。

短期大学部の学生たちによるUnknown Seedlingも、力強いパフォーマンスを披露
NEKOKARUBIが決めポーズで演奏を終了すると、客席から大きな拍手が沸き起こった

「POP WAVE LIVE 2026」では、トークパートで具体的な進路に言及する学生もおり、“音楽を仕事にすること”をしっかり見据えている様子がうかがえました。学校生活はもちろん、今回のような学外公演を経験することも、将来の音楽活動を考える大きな機会になっているのではないでしょうか。そうした意味でも、「POP WAVE LIVE 2026」の経験は大きいものになったのではないでしょうか。

公演前のリハーサルは入念に行い、先生たちのアドバイスにもしっかりと耳を傾けていた
学生たちが用意した、バンドや演奏曲のイメージに合わせた衣装も見どころの一つ
OUA BIG BANDは今回最多の18人編成。フルート、トランペット、サックスなどが多彩な音色を響かせた
出演したバンドのメンバーはそれぞれ学年は異なるが、一体感のある演奏を見せてくれた
演奏学科 特任講師
加納 新吾 先生

学外公演に向けて学生たちを指導していると、演奏技術や表現力が年々向上していることに気づきます。今はジャンルを問わずたくさんの情報が手に入り、演奏や歌がうまくなるスピードも早くなっていると感じます。たとえば私の学生時代は、手に入れられる情報も限られていたことから、アメリカへ留学したときも大きな不安を抱えていました。そのため、世界の舞台へ挑戦するのにも時間がかかりました。しかし今は多くの情報と接することができるため、学生たちにとって、世界との距離も縮まっていると思います。一方、学生たちに伝えたいのは、情報を手に入れるだけで終わらせてはいけないこと。音楽がある場所へ実際に足を運び、現場での経験を積まなければ、情報は十分に生かされません。
その意味でも「POP WAVE LIVE」は、学生たちにとって現場の空気が体感できる貴重な舞台です。カバー曲を演奏する学生は、すでに完成形があるものに対し、自分たちの解釈でどのようにアプローチするかが求められます。原曲を知る観客、知らない観客のどちらにも新鮮さを届けなければいけません。また、カバーといえども、アレンジやプレイヤーによって細かなニュアンスは異なります。演奏する側も、聴く側も、それを味わう楽しみがあります。オリジナル曲で臨む学生は、どのような心情を楽曲に込めているのか、伝えたいことをしっかりと表現できるかどうかが大切です。コード進行の美しさや曲調をどのように調理するか。たとえば歌詞にしても、言葉の選び方とストーリーの組み立て方で楽曲の印象ががらりと変わります。制作のハードルは高いですが、演奏学科ではオリジナル曲作りに関する授業もあるので、そこで学んだ技術を生かして制作に励んでほしいです。
学生たちはこれからも、「POP WAVE LIVE」のように様々な共演者と演奏する機会があると思います。プレイヤーとして意識してもらいたいのは、誰と組んでも、お客様をしっかり楽しませるパフォーマンスをすること。自分の軸は持ちつつ、自由さや余白も残し、共演者と一緒にその場の雰囲気をつかみとりながら演奏できるよう、ベストを尽くしてもらいたいです。

演奏学科 3年生
木村 もも さん

「POP WAVE LIVE 2026」では、NEKOKARUBIというバンドのボーカルとして出演しました。自分の中で大きな挑戦になったのは、オリジナル曲「猫かぶり」を制作し、たくさんのお客様の前で初めて披露できたことです。私は大学卒業後、シンガーソングライターとして活動したいと思っています。その意味でも今回のオリジナル曲の制作・演奏は大きな一歩になりました。
オリジナル曲制作にあたり、難しかったのは、自分が思いついたアイデアをどのように曲に反映させるかという点です。「猫かぶり」はポップソングですが、自分が好きなラテン音楽の要素も曲の中に入れました。ただ、演奏したとき「ラテン要素が突然表れた」という印象が拭えなかったので、ドラム指導の杉浦方彦先生(演奏学科准教授)に相談したところ、実際にドラムを演奏して「こういうリズムを意識するといいかも」とヒントを与えてくださいました。大阪芸大は先生も一流のプレイヤーなので、制作や演奏で迷いが生まれたとき、的確な解決方法を教えていただくことができます。
在学中の目標は、ワンマンライブを開催すること。それを成功させて、卒業後のシンガーソングライターとしての活動につなげていきたいです。

演奏学科 2年生
中山 蒼介 さん

今回は、リーダーを務めたSousuke Sky 迫真ラテンジャズ部など4つのバンドでベースを担当しました。多くのことを教えてくださった先輩たちと演奏できる残り少ない機会だったので、感謝の気持ちを込めてパフォーマンスしました。また、いつも支えてくれる家族も招き、「僕はこんなことができるようになったよ」と演奏を通して恩返しができた気がします。
演奏面で大切にしたことは、ほかのバンドメンバーの気持ちを汲み取ること。「この人はこういうことがやりたい」と感じ取ったとき、どのように演奏で応えられるか。「音楽に言葉はいらない」という風に言われますが、まさに演奏で会話する意識を持っています。公演前の練習ではカルロス菅野先生(演奏学科客員教授)、喜多健博先生(短期大学部非常勤講師)からアドバイスをいただく機会もあり、「ベースが点でしか捉えられていない。フレーズは“流れているもの”」とご指導いただきました。ラテン音楽に関する様々な技術や知識が得られ、今回の演奏に生かすことができました。
将来は、様々なメジャーアーティストのバックミュージシャンとしてベースを弾き続けたいです。そのために、在学中は幅広い音楽ジャンルについてさらに勉強したいです。