サマーミュージックフェスティバル 2026 サマーミュージックフェスティバル 2026
2026年8月31日、大阪市北区のフェスティバルホールで、大阪芸術大学の夏を象徴するコンサート「サマーミュージックフェスティバル2026」が開催されました。音楽の殿堂と称される大舞台で、学生と一流音楽家が共演。ポピュラー、クラシック、ミュージカル、映画音楽などジャンルの枠を越えた多彩な調べが繰り広げられました。
本コンサートでは、幅広い世代が楽しめる多彩なプログラムを通して、学生たちの演奏と本格的な音楽表現を届けています。本番直前には3日間のリハーサルを重ね、演奏学科の大友直人教授の指揮のもと、オーケストラと合唱団のアンサンブルを磨き上げました。また、小森創介准教授による指導で、音を「聴かせる」だけでなく、ステージ上で身体的な「見せる」表現も追求しました。
1年生の熱唱と実力派学生バンドによるポピュラーステージ
ポピュラーステージの幕開けを飾ったのは、演奏学科と大阪芸術大学短期大学部メディア・芸術学科のポピュラー音楽コースで学ぶ1年生全員です。この季節にふさわしい名曲「September」をゴスペル風にアレンジし、息の合ったハーモニーと躍動感あふれるダンスで客席を沸かせました。
続いて登場したのは、学内オーディションの狭き門を突破した2組の学生バンド。いずれも3人組ユニットの「Not Bad」と「おぶう」が、フェスティバルホールの音響空間に映えるアコースティックなサウンドで、カバー曲やオリジナル曲を演奏しました。
多彩な楽曲を奏でるオーケストラステージ
オーケストラステージでは、演奏学科管弦打コースの学生を中心に編成される大阪芸術大学管弦楽団が登場しました。大友直人先生が指揮台に立ち、歌劇《ウィリアム・テル》序曲の「スイス軍の行進」で力強くスタート。映画『ハリー・ポッターと賢者の石』組曲より「ハリーの不思議な世界」へと続き、壮大なオーケストラサウンドが会場を満たしました。
ステージにみずみずしい魅力を添えたのが、これからの音楽を担う高校生との共演です。本学主催「関西音楽コンクール2026」で総合第1位に輝いた敦賀気比高等学校3年生の中島明日花さんが、ハイドン「ピアノ協奏曲ニ長調 Hob.XVIII:11 第1楽章」で、ピアノソロを堂々と演奏しました。
また大阪芸術大学混声合唱団に、関西文化芸術高等学校とヴェリタス城星学園高等学校の生徒たちが加わって、混声合唱「鷗」(オーケストラ伴奏版)を熱唱。作曲家の木下牧子客員教授が手がけた名曲が、深い余韻を残しました。
続いて本学ゆかりの一流ソリスト陣が登場。ソプラノ歌手の小林沙羅准教授による歌劇《蝶々夫人》より「ある晴れた日に」、ヴァイオリニストの川井郁子教授による「チャルダッシュ」が華やかに披露され、それぞれの高い表現力と卓越したテクニックが際立つ贅沢なステージとなりました。
ミュージカルの名曲でつなぐガラコンサート
休憩を挟んだ第2部は、L.バーンスタイン作曲《ウエスト・サイド・ストーリー》より「シンフォニック・ダンス」でスタイリッシュにスタート。指を鳴らす音や楽しい掛け声が飛び交い、会場全体が一つになって盛り上がりました。
続く《Brilliant Musical!》~ミュージカルガラコンサート~は、3月のオペラ公演で披露されたステージを土台としながら、出演メンバーを一新。歌声と音楽をより引き立てる構成にブラッシュアップされました。
今回は他学科とのコラボレーションも実現し、舞台芸術学科の学生が初めて夏のコンサートに参加。ナビゲーターとしてステージに華を添えました。「サウンド・オブ・ミュージック」の名曲に始まり、川井郁子先生のヴァイオリンが彩る「アメリカ」「アイ・ガット・リズム」、小林沙羅先生の圧倒的なソプラノが響く「踊り明かそう」、そして「レ・ミゼラブル」の「民衆の歌」「ワン・デイ・モア」へと、英語での歌唱や振り付けを織り交ぜた迫力のステージが展開されました。
また、ステージの熱気あふれる瞬間を捉えるため、放送学科の学生たちが正規授業の一環として中継車を用いた映像収録に参加。撮影・スイッチングの流れを体験し、学内での学びを実践へとつなげました。
フィナーレは、関西発のミュージカルとして親しまれる「見上げてごらん夜の星を」。そして最後は、恒例のアンコール曲「いま君は美しい」で、会場から大きな拍手が贈られる中、コンサートは幕を閉じました。
今回の演奏会は、例年以上に聴きやすく盛りだくさんなプログラムとなりました。トランペットのメンバー編成は学生たち自身が話し合って決めたもので、それぞれの個性や適性がよく生きていると感じます。私が演奏指導で大切にしているのは、楽器の操作だけでなく「どう考えて練習すれば上達するのか」を具体的に伝えること。それを受けてぐんぐん成長する学生たちの姿が頼もしく、半分冗談で「上達率日本一だ」と言っているほどです。高校生の中には、部活動で頑張りすぎて燃え尽きてしまう人もいると聞きますが、何よりも肩の力を抜いて、楽しく演奏してほしい。演奏者が心から楽しめなければ、聴く人を楽しませることはできませんから。
昔から「100回の練習より1回の本番」と言われるように、本番のステージに立つたびに、若い演奏家たちは一段ずつレベルアップしていくものです。フェスティバルホールをはじめ、ザ・シンフォニーホール、兵庫県立芸術文化センターなど、名だたる大ホールで学びの成果を発揮できる本学ならではの環境は、何にも代えがたい価値があると思います。今回もわずか3日間のリハーサルを経て本番を迎えましたが、これはまさにプロの現場と同じ。「リハーサルとは練習ではなく、本番同然に仕上げて持ち寄る場である」という心構えを、日頃から学生たちにも伝えています。
私も出番がない日でも楽器を持って会場入りし、学生たちと一緒にウォームアップを行うようにしています。現役の演奏家として舞台にどう向き合っているか、その空気感や過ごし方を間近で感じ取り、糧にしてもらいたいと思っています。
私は「ウィリアム・テル」と「シンフォニック・ダンス」でピッコロ、「ハリー・ポッター」でセカンドフルートを演奏しました。「ウィリアム・テル」は音域の高さが大変な分、やりがいのある曲。「シンフォニック・ダンス」では、指を鳴らしたり声を出したりするパフォーマンス性のある演奏を初めて経験し、新鮮な気持ちで取り組めました。また、舞台芸術学科の学生がナビゲーターとして初めて参加したことで、ステージ全体に新しい風が吹いたと感じています。
フェスティバルホールは響きがまったく違いますし、満席のお客様の熱量を肌で感じられるのはこのコンサートならではの醍醐味で、力が入ります。指揮の大友先生は、いつも学生一人ひとりを丁寧に見てくださり、「楽譜でなく指揮を見て」という言葉も心に残っています。この4年間で「みんなで一つの作品を作る」という感覚をしっかりと磨けたと思います。
卒業後は中学校の音楽教員をめざしており、授業だけでなく吹奏楽部の指導にも力を入れたいと考えています。音楽が苦手な生徒にも寄り添って、少しでも音楽を好きになってもらえるアプローチができる先生になりたいです。演奏学科は、学外での演奏機会が豊富で、自分たちでメンバーを組んで公演を企画することもできる自由度の高さが魅力。これから入学する皆さんも、積極的にいろいろなことに挑戦して、充実した学生生活を送ってほしいと思います。
合唱団のメンバーとして、合唱曲「鷗」とミュージカルガラコンサートに出演しました。「鷗」は高校の合唱部でも歌った思い入れのある曲です。大学生になってからは詩の意味や言葉の背景を深く掘り下げて歌と向き合うようになりました。今回は高校生の皆さんと一緒にステージに立つということで、先輩として何か伝えられたらという思いも込めて臨みました。1年生ながらフェスティバルホールという大きな舞台に立てた喜びも大きかったです。
大友先生の指揮は優しく穏やかでありながら、合唱の中にいると見えづらい全体のバランスを客観的に導いてくださり、とても勉強になりました。高校時代は「自分の声を聴いてほしい」という気持ちが強かったのですが、今は一つの歌声としてお客様に届ける大切さを実感しています。
もともとミュージカルを学びたかった私は、歌を重点的に磨くことができ、憧れの劇団四季で活躍する卒業生も多い点に惹かれて、演奏学科の声楽コースを選びました。先生方が学生一人ひとりをきめ細かく熱心に指導してくださり、歌唱から身体表現まで幅広く学べるのが魅力です。他学科の仲間たちと協力して一つの舞台をつくる楽しさも味わいながら、将来はミュージカル俳優をめざして、たくさんのことをインプットしていきたいです。
放送学科の制作実習の授業で、サマーミュージックフェスティバルの映像撮影に参加しました。これまでも学外での音楽イベントの撮影経験はありましたが、今回はいつも以上に聴きなじみのある曲が多く、展開を予測して撮影プランを立てやすかったため、楽しく撮影できました。
私が担当したのは、客席から見て上手側のカメラです。斜めのアングルなので、演者一人ひとりを追いかけるよりも、ステージ全体と客席を含めた広い画角で会場の空気感を伝えることを意識。「イビスとスターク」の進行でお客様の反応がいちだんと盛り上がったので、そうした客席の雰囲気も逃さず画面に収めたつもりです。現場でプロのカメラマンの方々と一緒に仕事ができるのは貴重な機会なので、いろいろなことを吸収しようと、積極的に質問を重ねました。
将来の夢は音楽番組のカメラマンになること。自分が撮影した映像が「大阪芸大テレビ」でオンエアされ、学食のモニターで流れているのを見た時は、テンションが上がりました。授業以外でも放送学科や音楽学科の友人たちと音楽メディアの立ち上げに関わっており、学科の壁を超えた交流でさらに視野を広げることができたと思います。大阪芸大は、他大学ではなかなか味わえない経験が詰まったワクワクする場所。目標がはっきり定まっていない人も、「何か面白いことに挑戦したい」という気持ちがあれば、ぜひ飛び込んできてほしいです。
今回のコンサートではセンターの引きのカメラを担当し、楽曲の始まりと終わりを捉えつつ、曲調に合わせてズームイン・アウトを行う役割を担いました。事前に曲を聴いて盛り上がりのタイミングを把握し、最終リハーサルで実際の動きを見て画づくりを確認。オープニングの「September」では、演者だけでなく客席のリアクションも押さえることができ、自分なりに手応えを実感しました。プロの方々からのアドバイスを受けながら、自分の映像と他の人の映像を比較したり、現場のリアルなスピード感を体感したりと、得るものが多かったです。
以前、舞台芸術学科の公演でスイッチャーの補佐業務を経験したことがあり、カメラとは異なる視点や技術にふれられたことも、貴重な経験になりました。今回のコンサートにも他学科の友人たちが出演しており、ファインダー越しに見つけると緊張が和むのと同時に、多くの学科が手を取り合って一つの舞台をつくり上げる芸大ならではの一体感を感じました。
放送学科では、プロが実際に現場で使用している本格的な機材や中継車などの充実した設備を使って、実践的に学ぶことができます。進路についてはまだ模索中ですが、制作実習だけでなくアナウンスやクリエイティブの実習もあわせて受講しており、メディアの表側と裏側のさまざまな現場を体験しながら、自分に合った道を見つけていきたいです。