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演奏学科 第43回オペラ公演 演奏学科 第43回オペラ公演

アートサイエンス学科, 演奏学科
2022/10/19

2022年3月2日、3日の2日間にわたり、「大阪芸術大学 第43回オペラ公演」が大阪市北区にある、今年で開館40周年を迎えたクラシック専用ホール「ザ・シンフォニホール」で行われました。演奏学科 声楽コースの学生たちを中心に、日々の学びの成果として演奏・演技を発表する毎年恒例の公演です。昨年は「O.U.A.Presents 物語で紡ぐファンタジーオペラ 音の宝石箱」と題して書き下ろされたオリジナルストーリーでしたが、今年は、モーツァルトが生涯最後のオペラとして作曲した『魔笛』を上演しました。

カリスマ音楽家たちと学生が
夢の大舞台で『魔笛』を共演

第一線で活躍するプロの音楽家と学生たちでキャスティングされる大阪芸術大学伝統のオペラ公演は、今年で43回目を迎えました。今回上演されたのは、オペラ作品の王道である『魔笛』。

主人公が数々の試練を乗り越え、愛を貫く物語です。世界的に活躍している、演奏学科 教授・大友直人先生の指揮で、管弦打コースの学生を中心として構成される大阪芸術大学管弦楽団と、大阪芸術大学合唱団とオーケストラによる迫力ある演奏が披露されました。

演出を手がけたのは、舞台芸術学科 学科長・浜畑賢吉先生です。学生たちは、世界的に有名な音楽家も演奏することのある大舞台で、日々の学びや練習の成果を発揮します。王道の作品ながら、関西弁の台詞が入るなど意外な演出もあり、素晴らしい演奏と共に織りなされた総合芸術を観客は存分に楽しむことができました。

オペラと舞台全体を幻想的に彩る
プロジェクションマッピングでの演出

舞台美術は、アートサイエンス学科講師でもある、NAKED,INC.の川坂翔先生監修のもと制作され、アートサイエンス学科の学生たちが考えたプロジェクションマッピングによるものです。演奏や場面に合わせた情景がプロジェクションマッピングで舞台の壁面に映し出されると、色彩豊かで幻想的な雰囲気を演出され、ステージが一体となって物語の世界観が構築されていました。

また、夜の女王の迫力あるソプラノなど、登場人物それぞれの美しい歌声と管弦楽団による素晴らしいハーモニーはもちろん、華やかな衣装や、ユーモア溢れる演出に富んだパフォーマンスは、観客を魅了しました。このように演奏・演出・舞台美術が最高峰のプロと共に学生たちの手で作られるのが、大阪芸術大学のオペラ作品の特長でもあります。

会場は多くの観客でにぎわい、曲やシーンが変わるごとに大きな拍手で包まれました。芸術のジャンルが違う学科が集まり1つの作品をつくり上げる、大阪芸術大学ならではの総合芸術が発揮されたオペラ公演は、大盛況の2日間となりました。

演奏学科 声楽コース 客員教授
田代 恭也 先生

学生たちを指導するにあたり、日々心がけている点は、それぞれの個性を大切にすることはもちろん、その個性や可能性を否定することなく、力量のリミットを決めてしまわないことです。学生たちが日々の練習の成果を披露する舞台に立つ際は、どのようなプロダクションであっても、その経験が今後のベースになると考えています。大道具や小道具、衣装、メイクに加え、オーケストラや音響などが相まって出来上がるものが総合芸術ですから、学生たちにとって今回のオペラ公演の経験は、総合芸術を作り上げる過程の基本となるため、ここからがスタートという気持ちで頑張ってくれることを願っています。
私たち教員は、学生全員がしっかりと学べるスタイルを取っており、毎年、学年に限らず受講した学生は何らかの役でステージに立つよう取り組んでいます。学年が上がるたび、学生たちの目覚ましい成長を実感します。学生たちの吸収力とエネルギーは目を見張るものがあり、本当に素晴らしいです。特に観客が入ることで、彼らのレベルがよりアップすると感じます。観客と演者の間で起こる摩擦現象のようなものが、最終的に感動につながるのでしょう。

演奏学科 管弦打コース4年 トランペット担当
長谷川 脩太 さん

私は、オーケストラの中でトランペットを担当しています。先生からは、常に力まず楽に吹くようアドバイスをいただいており、今回のような大きな舞台で演奏する際も、その点を心がけました。また、声楽コースなど他の学科の学生や卒業生、先生方と一緒に1つのステージを作り上げることに喜びを感じると共に、自分にはできないことをしている他の楽器の演奏者や、演者へのリスペクトを強く感じました。全ての本番の舞台で共通することですが、観客から拍手をいただくことが、すごく良い経験となります。
私は、中学から吹奏楽部に所属し、将来は教員になりたいと思い大学で4年間学びました。卒業後は講師としてトランペットを教える立場となるため、私の演奏活動は、ひとまず終了となりますが、このような体験をする人を更に増やし、音楽の道に進む1人でも多くの人たちに、舞台に立つ喜びを味わってもらえるようサポートしていきたいと思っています。これまでの学生生活で先生方に教わったことを生かし、これからは自分の教え子の意見を聞くことで学べることもたくさんあると思うので、今後も自分自身がより成長できればうれしいです。

演奏学科 声楽コース2年
谷口 晴菜 さん

私は、3人の童子クナーベの1人として、アンサンブルの中で一番上の声部を担当しました。主旋律が多い声部で、心地よい声を届けられているだろうか、3人のハーモニーのバランスはどうかなど初めは不安ばかりでした。しかし、アンサンブルはまずは個人が全力で歌い、その先で奏でられる響きの中でハーモニーが生まれると先生方に助言を頂き、ためらうことなく自分と仲間を信じて歌い抜きました。3人全員がベストを尽くし、現時点での最も心地よい声で最高の音楽をお届けできたのではないかと思います。
今回の公演は、演者だけでなく、先生方、オーケストラやスタッフの皆様、公演の成功を応援してくださった全てのお客様のおかげで無事に終えることができました。だからこそ、支え、応援してくれている人たちのために、これからも歩みを止めることなく最高の音楽を追求し続けたいと思います。公演は、笑顔になれる、幸せなひと時だと改めて感じました。私の目標は「希望の励ましを送れる人に」なることです。これからも出会いや時間を大切にし、常に向上心を抱きながら、一歩一歩努力を重ねて前進していきたいと思います。

演奏学科 声楽コース2年
石川 莉夏 さん

今回の公演で私が演じたクナーベは、1人ひとりの演技ではなく3人で1つとして歌と動きを合わせていくことが重要でした。決まった練習時間以外にも3人集まる必要があったので大変だと感じることもありましたが、3人いるからこそ、いろいろなアイデアが出てそれぞれの意見を出し合うことができて良かったと思います。今回初めてオペラを1本やってみて、とても大変なことですが、それ以上に自分が演じた役について考えを深めていくのが楽しかったです。
今まで声楽をやっていてもオペラは難しいものだと思い、あまり見る機会がなく、少し遠い存在でした。しかし、今回の公演でオペラに対しての考え方が難しいものから、興味深いものへと変わっていきました。これからは、モーツァルトの他の作品のオペラなども見て、知識を深めていきたいです。私は将来、地元である沖縄県で音楽教員になりたいと考えています。沖縄県はオペラなどの演奏会が少なく、音楽に触れる機会が他府県に比べて少ないように感じるため、子どもたちに自分が感じた多くの音楽を伝えられるよう、残りの大学生活でオペラに限らず、多くの音楽を吸収していきたいです。

演奏学科 声楽コース2年
門谷 碧 さん

私は昔から歌うことが好きで、中学生の時は合唱部、高校から音楽科で声楽を学び、大学でも音楽を続けていきたいと強く思い、大阪芸術大学に入学しました。今回の公演でクナーベを演じるにあたり大変だと感じた点は、3人で動きをそろえること、ストーリーが展開していく度に登場するため、その時々の動き方や表現の仕方などです。練習を重ねることで動きがそろうようになり、自然と表現力もついてきてとてもやりがいを感じ、演じることの楽しさを味わうことができました。
授業では、先生方から指導を受けたことをそのまま取り入れ演じるのではなく、自身が意志をもち表現しながら考えることをベースとし、大切にしているように感じました。自分たちが考えた案に対して先生方からアドバイスを頂き、更に良くしていくという工程がとても良かったと思います。本番の出番を終えていく度に、今日で最後なんだという気持ちが溢れてきて寂しい気持ちになりましたが、楽しく演奏することができて良かったです。特にずっと一緒に頑張ってくれた2人のクナーベには感謝してます。今回の公演で先生や先輩、同期から学んだたくさんのことを今後の自分に生かしていきたいです。