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演奏学科 特別演奏会2020 演奏学科 特別演奏会2020

演奏学科
2021/04/16

「大阪芸術大学 特別演奏会」が2020年12月10日、大阪市北区中之島・フェスティバルホールにて開催されました。

この演奏会は、日本を代表する指揮者である演奏学科 教授・大友直人先生の指揮と、学生を中心として構成されている大阪芸術大学管弦楽団の演奏によって行われました。

音の響きに定評がある
フェスティバルホールにて公演

フェスティバルホールは2700席を有し、ジャンルを問わず、国内外の著名アーティストからその「響き」が称賛される日本屈指のホールです。


大阪芸術大学では、フェスティバルホールのほか、一流アーティストが公演を行っているさまざまなステージを、学生たちが日々の学び・創造を発表する「場」として積極的に採用しています。それは、学生たちのステージに立つまでの努力はもちろんですが、その「場」を経験すること自体が、さらなる学びとなるからです。

特別演奏会が開演

演目は、A.コープランド「市民のためのファンファーレ」、F.メンデルスゾーン「吹奏楽のための序曲 ハ長調 作品24」、F.リスト「ピアノ協奏曲 第1番 変ホ長調」、L.v.ベートーヴェン「交響曲第7番 イ長調」の、計4曲です。


1曲目の「市民のためのファンファーレ」は、トランペットやチューバ、トロンボーンなどの金管楽器と、ティンパニーやバスドラムなどの打楽器による編成です。


やや緊張の面持ちの学生たちがステージ上に姿を見せ、指揮者の譜面台を中心に扇状に配置されたそれぞれの位置につきました。そのあと、大友先生が登場し譜面台の前に立つと、学生たちの表情は一気に引きしまったものへと変わり、そのいくつもの視線は先生一点にそそがれました。そして先生の指揮で打楽器の重厚な音が静かに鳴り響き、演奏会の幕が開きました。


演目が進むにつれ、クラリネットやオーボエなどの木管楽器やヴァイオリンやチェロ、コントラバスなどの弦楽器、そしてピアノが加わりました。3曲目の「ピアノ協奏曲 第1番 変ホ長調」ではピアノのソリストとして、演奏学科 講師・田中正也先生が登壇。オーケストラとともに、あるときには高音域での繊細な旋律を奏で、曲が盛り上がるときにはダイナミックな演奏を披露しました。


その後も演奏会は続き、厚みのあるさまざまな表情の響きが次々と表現されました。打楽器の軽快なリズムによる疾走感や、ストリングスが主体の穏やかでメロディアスな響き。そして、大友先生が腕を振り下ろした瞬間、オーケストラから発せられた強烈な音圧が観客席の隅々までを支配し、同時に、クラッシック音楽ならではの複雑で圧倒的な響きが天井から降りそそいできました。


すべての演奏が終わり、学生たちは安堵が混じりながらも、演奏しきった達成感あふれる表情で鳴りやまぬ拍手に応えていました。

演奏学科 管弦打コース/教授
大友 直人 先生

 私が学生に期待するのは、音楽への向き合い方と、社会のなかで音楽を通じて何ができるか、という2点です。
 音楽には「ここまでできたらいい」という到達点がありません。ですので、自分で目標を高く持ち、モチベーションを保ちながら際限なく練習を重ねていく必要があります。
 私のオーケストラの授業のなかでも、驚くほど成長・進歩していく学生が、年に何人かは必ずいます。短い学生生活の間ですが、練習に対する時間を最大限有効に使って、自身の限界と可能性にチャレンジしています。これは素晴らしいことですし、その成長ぶりには私たち指導者も感動しますね。
そのように音楽と向き合う努力を重ねれば、その学生の音楽の可能性は大きく広がっていくと思います。
これと同時に、いまの世の中と音楽の関係についても意識してほしいと思います。
いま現在、常識となっていたり安定しているもの。これが10年、20年先に同じようにあるかどうか、だれにも分かりません。自分たちがこれから出ていく社会で、音楽にどのようなニーズがあって、自身に何ができるのか。すなわち音楽を以って、どういう社会貢献ができるのかという意識を持ちながら、学生生活を送っていただきたいと思います。
またある意味、新しい道を切り拓いていくような力も含めて、いろいろなエネルギーを学生生活の間に蓄えていってほしいですね。
今日の演奏会では、出演者は皆、全力で演奏してくれました。それでも、終わったあとにはいろいろな反省点や思いが必ず出てきます。それらを真摯に受け止めて、次のステップにつなげていってほしいと思います。

演奏学科 管弦打コース4年 トランペット担当
根田 陽 さん

 今日の特別演奏会は、私にとって、4年生になって初めて迎えた本番のステージです。フェスティバルホールという、大きな舞台に立たせてもらえてとてもうれしく思います。
 新型コロナの影響で、学校での練習はパーテーションを組み、ほかの学生との距離を十分に保ったうえで行っていました。ですので、今日のステージでは久しぶりに隣に人がいて、前にも人がいて、大友先生の指揮もとてもクリアに見ることができました。
 これらのことがとても新鮮で、いままで当たり前だと思っていたことが、実はとてもありがたいことだったと本当に思います。
 卒業後も、いろいろな演奏会に参加するなど、音楽活動を続けていこうと考えています。大阪芸術大学 演奏学科での4年間で学んださまざまなことや、今回のような有名な舞台での演奏で経験したことを糧に、今後もがんばっていきたいです。

演奏学科 管弦打コース4年 クラリネット担当
藤井 一輝 さん

 特別演奏会に向けての準備では、今年は例年とは違って、コロナ対策で奏者と奏者との間に仕切り板をたてたり、普段だったら考えられないくらい、ほかの奏者と間を空けて練習をしてきました。
 ほかの奏者との間隔の詰めによって音の聞こえ方が全然違うので、本番を迎えるにあたっては少し不安を感じていました。しかし、先生方のアドバイスもあり、なんとか乗り切ることができました。
 フェスティバルホールで実際に吹いてみて感じたのは、いつもの練習と比べて音の鳴り方や響き、広がり方が想像以上によかったことです。これを直接体験できたことに、正直、グッときました。
大学を出た後もクラリネットを専門的に勉強し、将来的にはオーケストラのプレーヤーになりたいと考えていますが、学生の時点で、このような素晴らしいホールで演奏の経験をさせてもらえるのは、本当にありがたいと思います。