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未来を見据えたアートエキスポ「art stage OSAKA 2023」に出展 未来を見据えたアートエキスポ「art stage OSAKA 2023」に出展

美術学科, デザイン学科, キャラクター造形学科
2023/10/06

「アートで見る未来社会」という新たなテーマを掲げ2023年9/1(金)〜3(日)に開催されたart stage OSAKA 2023に大阪芸術大学が特設ブースを出展。エントランスからすぐの本学ブースでは出展した若手アーティストと作品について語り合う来場者の姿も数多く、熱い盛り上がりを見せていました。9/2(土)には大阪芸大の特別プログラムとして高校生見学ツアーを実施。国内外から出展された多彩な作品に触れたことは、大きな刺激になったようです。

エントランスの左手には今回、出展された作品が順番に巨大スクリーンに映し出されていました。この写真は本学卒業生の潤inoue.氏の作品

芸術の未来の試金石となるアートエキスポへ
芸術の未来の試金石となるアートエキスポへ

国際的なアート見本市として始まった2022年からブラッシュアップし、新たなテーマ「アートで見る未来社会」を掲げて開かれたart stage OSAKA 2023。Japanese Contemporaryセクションでは現代日本の社会に浸透した合理性と、非合理な精神性との相克を表現する芸術家にフォーカスが当てられていました。インドやタイなどアジア各国から11人のアーティストを招請したWorld Art Osakaセクション、フィジカルとデジタルの境界を横断するNew Mediaセクションと、最先端の芸術の成果を結集したアートエキスポとも言えるイベントです。

Japanese Contemporaryセクションに入り、ふと足元を見ると変則的な動きをするロボットが会場を歩き回っていました
World Art Osakaセクションには各国大使館と連携し、10カ国から新進アーティストが作品を出展しました
NFT作品や実在するアート作品のデジタルアーカイブなど、アートの未来が体感できる作品が出展されたNew Mediaセクション
NFTアートを展示するNew Mediaセクションでは作家が来場者に丁寧に説明している光景があちらこちらで見受けられました

若手アーティストたちの作品発表の場となった大阪芸術大学ブース
若手アーティストたちの作品発表の場となった大阪芸術大学ブース

今回、大阪芸術大学ブースに出展したのは、大阪芸術大学出身のアーティストたち。美術学科から平面作家2名と立体作家1名、そしてキャラクター造形学科とデザイン学科から各1名。また、新進作家として注目を集める美術学科の卒業生、潤inoue.さんの作品もNew Mediaセクションに出展されるなど、幅広い活躍が見られる場にもなりました。

さらに、本学主催の特別プログラムとして高校生を招いての見学ツアーを実施。本学の教員からの解説を聞きながら、会場を見て回って高校生たちは「作品の背景を知ることができて自分の制作やアイデアの幅が一気に広がった」、「出品者の方にNFTについて詳しく説明していただき、これからの方向性が見えてきた」と作品づくりへの意欲が掻き立てられたようでした。

New MediaセクションとJapanese Contemporaryセクションの間という絶好のロケーションもあって、大阪芸術大学のブースは大勢の来場者で賑わいました
本学卒業生の潤inoue.さんの映像作品「Block Brain Contents 05 A+B」(左)と「Untitled 08」(右)
高校生たちが覗き込むのはJapanese Contemporaryセクションに展示された本学でも客員教授を務める落合陽一氏の「物象化する願い, 変換される身体(手長)」
高校生見学ツアーでは美術学科特任教授の中川佳宣先生と特任准教授の中川知美先生が参加した高校生たちをレクチャーしながら会場を案内しました
中川佳宣先生による作品解説を下敷きに、自分たちなりの作品解釈を発展させていく美術学科の学生たち

本学出身者インタビュー

キャラクター造形学科 出身
こむぎこ2000 さん

今回は、昔のアニメ制作現場では欠かせなかったセル画をイメージしたアクリルアートを出展しました。僕は新海誠監督の「君の名は」を見て、絵を描き始めました。当時、僕は主人公と同世代の16歳。人生で一番見るべきタイミングでこの映画に出会ったことが、アニメ制作にハマるきっかけ。宮崎駿監督の作品群にも、もちろん影響を受けています。だから、アニメの世界を押し拡げてきた方々に敬意を表する意味で、セル画をモチーフにした作品を作りました。
今回のイベントに参加して、考えていたよりも幅広い作品が出展されていることに刺激を受けました。これからも個人で活動するアニメーターとして、自分が好きなものを作り続けていきたいと思います。

美術学科 卒業
大塚 孝太郎 さん

小さい頃から人や風景を描くのが好きで大阪芸大に入学しました。4年生になったばかりの頃、あるきっかけで、素朴で飾り気のない人やモノのオーラに自分が興味を惹かれていることに気づきました。ちょっと飛躍するようですが、押し寄せる情報や時間の流れから遮断された仮想空間にぽつんと置かれた缶を描き始めたのはその頃からです。
制作するときは描くことだけに集中したいので、誰もが寝静まった深夜に筆をとります。光の変化がなく、物音もほとんどしない、この作品そのもののような環境を整えて制作に入ります。余計なことは考えずゆっくり時間をかけて絵の具を練り、それを何層にも塗り重ねていくのが僕のスタイルです。

美術学科 卒業
中村 和可 さん

学生の頃、楽器を作るという課題で、この作品の原型を作ったのが始まりです。最初は、社会風刺的な意味合いを強く出したり、ネジ工場で働くおじさんといったキャラクター設定を考えてみたりもしていました。でも、10年近く作り続けてきてみると、この作品には自分自身の言葉にできない、日々のもやもやした感情が表れているのがよくわかります。きりきり舞いさせられたり、泥沼にハマったり、打ちのめされたりと大忙しなので。
実はこの作品を原型にカプセルトイを作るという企画をいま進めています。回転レバーをひねって、この奇妙な造形がコロンと出てくるところを想像すると楽しみでたまりません。

美術学科 卒業
新 拓馬 さん

由布院に開業したオーベルジュENOWAの客室やレストランに掛ける絵として作品をご購入いただいたのをきっかけに、今年から画業に専念できるようになりました。僕の絵は床に脱ぎ捨てられた服だったり、窓辺にぽつんとコップが置きっぱなしになっていたりという生活のなかの無意識化された行為の結果生み出された光景を描いています。
具象的なモチーフを描いているのに、頭のなかで再解釈し抽象的なイメージを生み出す、という意味ではポップアートに近いのかもしれません。見る人にも絵に対して積極的にアプローチすることを求める手法です。だから、実際の光景の手がかりを作品にどこまで残すかが悩みどころ。僕自身、ヒントはミニマムにしたいのですが、見る人にまったくわかってもらえないのではしょうがないですからね。

デザイン学科 卒業
高棹 祥太 さん

雑誌をめくっていると、イラストに使いたいと思う色に出会いました。そういったパーツを切ったり貼ったりを繰り返すなかでコラージュの面白さにハマりました。コラージュではありものの雑誌や写真を切ったパーツを使って作っていきます。だから、思い描いていたのとは違う、想定外の表情が浮かび上がってくることもあります。それがコラージュならではの醍醐味かもしれません。
今回、出展したようなフィジカルな作品以外にも、デジタルでの作品づくりにも挑戦していきたいと考えています。つまり、コラージュとアニメーションの融合。そこでAdobe のPremiereとAfter Effectsを勉強中です。art stage OSAKAにはフィジカルな作品をいかにデジタルに落とし込んでいくか参考になる作品も多くて、経験値をすごくあげることができました。

「art stage OSAKA 2023」エグゼクティブ・プロデューサー
來住 尚彦 氏

2025年に大阪・関西万博が開催される大阪は、国内的にも国際的にも耳目を集めている都市です。そこで今年は3つのテーマセクションごとにキュレーターを立て、アーティストに直接に出展を打診するカタチで、より様々な可能性を包含したアートエキスポへとブラッシュアップしていきました。
世界のアートシーンのなかでの日本の立ち位置を意識してもらうために海外の芸術家を招請し、Japanese Contemporaryでの日本で活躍するアーティストの作品と比較できる仕掛けを盛り込んだこともひとつ。フィジカルとデジタルの融合をテーマにしたNew Mediaセクションを作ったのもアートエキスポというフレームワークを意識しているからです。
今の若い世代は、私たち世代よりも断然いいセンスを持っています。NFTなどのツールを活用して、鋭い感性を持った若手アーティストにうまく還元する仕組みをいかに作っていくかが大切。つまり、そのようにアートの産業化への道筋をつけるのが「art stage OSAKA」を始めとしたこれからのアートイベントの役割だと考えています。