現在、デザインの世界では、人、自然、テクノロジー、この3つのバランスを考えていこうという流れが世界的に起きています。
たとえば、イタリアのミラノで「Bosco Verticale(垂直の森)」と呼ばれるタワーマンションが建設されました。自然との共生をテーマにしており、780本もの木が建物全体に立体的に植えられています。また、日本でも古民家を再生するプロジェクトが各所で進んでいます。
私自身も兵庫県の丹波篠山に昭和初期の古民家をリノベーションしたギャラリー「篠山ギャラリーKITA'S」を2010年にオープンしました。これまで捨ててきたものを新たな技術を活かして復活させることで、新しいデザインが生み出され、デザインの未来が見えてきます。
そして今、デザイン界の潮流として目が離せないのがアジアの躍進です。中国では、政府の経済政策の中核にデザインが置かれており、各地にデザインセンターが設置されています。隣にある韓国にも、ザハ・ハディド氏の設計による「東大門デザインプラザ」が2014年に建てられました。この施設は、延面積85,320平方メートルに及ぶ広大なスペースは、アート&デザインに触れられる名所としてアジアの最先端デザインの発信地になることが期待されています。
これからもアジア諸国はさらにデザイン政策を進めていくでしょう。