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「大阪芸術大学 卒業制作展2025」が8日間にわたり行われました! 「大阪芸術大学 卒業制作展2025」が8日間にわたり行われました!

アートサイエンス学科, 美術学科, デザイン学科, 工芸学科, 写真学科, 建築学科, 映像学科, キャラクター造形学科, 文芸学科, 放送学科, 芸術計画学科, 舞台芸術学科, 音楽学科, 演奏学科, 初等芸術教育学科
2025/04/01

2025年2月9日から16日まで、大阪芸術大学では卒業制作展が開催され、初日には優秀作品への授賞式とオープニングセレモニーが執り行われました。芸術情報センターでの優秀作品展をはじめ、各学科棟での作品展示、芸術劇場などのホールではコンサートや舞台上演が実施され、キャンパス内の各所で4年間の学びの成果が披露されました。

卒業制作展の始まりを告げるオープニングセレモニー

2月9日の初日は、芸術情報センター地下1階のAVホールにて学長賞や学科賞に選ばれた作品の授賞式が執り行われ、塚本英邦副学長から学生へ賞状が授与されました。

 続くオープニングセレモニーは、演奏学科によるデュカス作曲のラ・ペリの「ファンファーレ」の演奏で幕開け。学長賞や学科賞を受賞した卒業生たちによるくす玉開きとテープカット、そしてエドガー作曲の「威風堂々」の演奏が響き渡り、多くの来場者の拍手とともに2025年の卒業制作展が始まりました。

くす玉開きとテープカットを合図にファンファーレが響き渡りました。

広大なキャンパス全体で4年間の集大成を披露

約10万坪と広大なキャンパスが卒業制作展の会場となりました。芸術情報センターの展示ホールとアートホールでは、学長賞や学科賞を受賞した優秀作品が展示されました。多くの来場者が訪れ、在廊中の学生たちと作品について対話している様子も見られました。

また、各学科ごとに卒業制作の数々が披露され、総合体育館では、美術学科と工芸学科による大型の作品がたくさん出展され、アートサイエンス学科では芸術とテクノロジーを融合させたインタラクティブな作品を楽しむことができました。

総合体育館にて美術学科、工芸学科の作品展示の様子
アートサイエンス学科の作品展示の様子
写真学科は実験ドームの設備を活用し、360度天井全体に作品を投影しました。
デザイン学科プロジェクトラボでは、各コースの優秀作品が一堂に展示されました。

作品展示だけでなく、映像学科や放送学科による上映会や、演奏学科の卒業コンサート、音楽学科や初等芸術教育学科、芸術計画学科は論文展示や研究発表も催されました。キャラクター造形学科ではゲーム試遊やアニメ上映など、15学科それぞれの領域にとらわれない個性的な作品の数々が発表され、総合芸術大学ならではの展覧会となりました。

「Daigei Film Award 2025」と題し、学内の映画館にて作品上映会を実施。
放送学科のTVスタジオにて、作品上映のほか受賞者トークショーの公開収録も行われました。
芸術劇場にて演奏学科「卒業制作ソロコンサート2025」の様子。
芸術計画学科は多目的スタジオで論文展示と研究発表の映像を展示。
キャラクター造形学科 ゲームコースの展示風景。試遊コーナーとキャラ設定の資料を展示。

華々しい舞台の裏側を支える芸術計画学科の学生たち

卒業制作展催事関連の運営を担うのは、芸術計画学科の学生たち。イベントの企画・運営を学ぶ授業の一環で、2・3年生18名からなる卒業制作展のプロジェクトメンバーを発足しました。担当する企画は主にオープニングセレモニーと卒展マルシェの2つのイベント。卒展マルシェのプロデュースを担当する嵩山愛望さんは、「卒業制作展のコンセプト『ブーケ(花束)』という言葉そのままに楽しくて華やかな雰囲気で出展者の皆さんや来場者に満喫してもらえたら嬉しいです。」と穏やかに語っていました。一方、オープニングセレモニーのプロデューサーを務める満江美空さんは「前日のリハーサルを受けて演出の変更があったため、本番を無事終えるまで大忙しでした。」と語ってくれました。結果として演奏学科の演奏とともに、くす玉開きと特殊効果のキャノン砲銀テープ打ちによるクライマックスを集約した演出は大成功し、会場を満たした大きな盛り上がりに満江さんも大きな手応えを感じたようです。

司会進行役の放送学科の学生とも連携し、セレモニーの段取りを入念にチェック。
出展者募集から出展サポート、SNS広報まで務めた卒展マルシェは大盛況となりました。
美術学科 版画コース 卒業生
朝井 颯志 さん

アートビレッジ・シラキノ・レジデンスAIR招聘作家として南島原市に2か月間、滞在していた頃に制作した作品が卒業制作のメインになっています。そのときに制作したのが「虹の門」と「循環」、「memento mori」です。島原の雄大な自然と人間の営為により築かれた棚田、その歴史の下に埋もれているであろう多くの命。あふれるような美しさと、いくつもの悲しみが同時に迫ってくるような景色に触発されて生まれた作品です。
エッチングは不思議な制作プロセスを辿って生み出されるアート。脳内に白黒が反転したイメージを描きながらニードルで銅板を削り、線の表現は腐食の時間によって微妙に変化していきます。試し刷りをすると、どうしても迷ってしまうので、私はいつも一発勝負で刷っています。言わば、どんな作品が生み出されるのかを知らずして作品を創っているんです。重いローラーを回して紙に刷るときは緊張感と期待感に満たされています。この瞬間を味わうために、版画をやっているのかもしれません。

映像学科 卒業生
宮國 美佳 さん

幼い頃の記憶は大人になっていくにつれて、どうしても忘れられ、薄れていくもの。そういった記憶を呼び起こすイメージとして「BORN」を描きました。主人公は母親と二人暮らしの幼い少年。新たなパートナーと母の間に生まれる新しい命によって生活に変化が兆します。今までは独占していた愛情が少しずつ、そして明らかに侵食されていくことで生まれる苛立ち。自分のなかに生まれた新たな感情に対する戸惑い。その不安感は少年が巣から落ちたひな鳥を踏みにじるという残酷な行為によって表されます。この作品はまったくのフィクションですが地面に落ちてしまったひなを見た私自身の子供のころの記憶が核になっています。
絵コンテ通りに作業が進まず、何度もなんども改変を重ねた結果生まれた作品。一緒に制作してくれた音響担当の高野さんから「作っていて楽しかった」と言ってもらえたのがうれしかった。まさか学長賞に選ばれるとは思っていなかったので、本当に驚きました。この経験を糧に長編のアニメーションに挑戦して行きたいです。

デザイン学科 グラフィックデザインコース 2年生
藤本 佳歩 さん

卒業制作展はデザイン学科のハイパープロジェクトの一つでもあります。実務を通じて、仕事としてのデザインを学ぶ実践的な授業。卒業制作展では、ポスターのメインビジュアルに優秀作品展や各学科のパンフレット、キャンパスのあちこちに掲出されるバナーといった各種ツール制作をデザイン面でサポートしました。卒業制作展のメインビジュアルは、大阪芸大を意味するOUAを象った雲を突き抜けて力強く上昇していく光という具象的なイメージ。初回、私は抽象的なデザインを提案したのですが、講評を受けて2回目はもともと自分が得意とする具象的なデザインでアイディアを固めてプレゼンテーションに臨みました。その結果、限界を突破するような力強いイメージが生まれたのです。

藤本さんの採用されたデザインをもとに学内の各所に会場装飾が施されました。