DJ KOO先生による特別講義「DJによるダンスミュージックの軌跡をたどる」を実施 DJ KOO先生による特別講義「DJによるダンスミュージックの軌跡をたどる」を実施
大阪芸術大学14号館ホールにて2025年7月3日、演奏学科ポピュラー音楽コース客員教授のDJ KOO先生による特別講義「DJ活動45周年スペシャル〜DJによるダンスミュージックの軌跡をたどる〜」が実施されました。DJ KOO先生はダンス&ボーカルグループ・TRFのメンバーとして1990年代より日本の音楽シーンをリードしているほか、タレントとしてバラエティ番組などにも多数出演。そんなDJ KOO先生が、自身の経歴と照らし合わせながらダンスミュージックのヒストリーを紐解いたほか、DJの技法の一つであるスクラッチの世界大会「1999 VESTAX WORLD FINAL SINGLE WEAPON JOUST」優勝者のDJ HANGERさんもゲスト講師に招いて、実際にDJプレイを披露しました。
登壇するやいなや「みんなで一緒に楽しく学んで、刺激と衝撃を与えて、いい90分にしたいです!」と呼びかけ、学生たちの気分を高めるDJ KOO先生。そして「ご挨拶がわりにみんなで体を温めていきましょう」と今回の講義のためにセッティングされたDJブースに立ち、EDM系のダンスミュージックを鳴らすと、学生たちは一斉に両手を挙げてノリの良い曲に身を委ねます。そして「温まってきた?ちゃんと講義をやりますんで。楽しんでいきましょう」と、この日の講義のためにびっしりと書き込んできたノートを開いて講義開始。
DJ KOO先生はまず、高校時代に初めてディスコへ行ってDJを見たときのことや、1980年代より自身がDJ活動を始めた時期のダンスミュージックシーンについて回想。当時は「キャンディ・ポップ」が日本で流行し、西ドイツのグループであるアラベスクなどヨーロッパ独自のメロディ感を持つ音楽が人気だったことなどを解説されました。また、DJ KOO先生は新宿のディスコからキャリアをスタートさせましたが、「当時の東京のディスコは六本木と新宿の二つのシーンがありました。六本木のディスコのDJは曲を綺麗に繋ぐもの、新宿は喋りをはさみながら曲をかけるもの。僕は新宿のディスコで見習いの頃から『さあ、行こうぜ』と言いながらDJをやっていました」とエリアによってDJのプレイスタイルも異なっていたそうです。
さらに今回のDJ KOO先生の特別講義で印象的だったのが、常に楽曲をうっすらかけながら話される点。YMO、アース・ウィンド・アンド・ファイアー、シュガーヒル・ギャングなどがいかにダンスミュージックやDJのシーンにおいて重要な存在だったのかを、実際に曲を流しながら説明されました。そうすることで当時を実体験していない学生たちも、臨場感をもってそれらの楽曲について気づきを得ることができている様子でした。
講義中盤からはゲスト講師のDJ HANGERさんが登場。DJ KOO先生は「スクラッチはDJの可能性を広げたもの」と言います。学生たちは、DJ HANGERさんをぐるっと囲んでスクラッチを目の当たりに。DJ HANGERさんは、ターンテーブルを華麗にこすり、フェーダーを素早く動かしながらプレイします。スクラッチで音楽を構築するDJ HANGERさんと湧き上がる学生たちの様子を見て、DJ KOO先生は「そうそう、こういう刺激なんですよ」と笑みを浮かべました。
特別講義のラストには、DJ KOO先生とDJ HANGERさんがDJセッション。現在のトレンド曲が流れると、その曲の振付をする学生たちの姿もありました。最後にDJ KOO先生が「毎日の練習を信じていろんな人にエンターテインメントを届けてください。失敗しても、何と思われても、一回『やってみよう』と思ったら一歩を踏み出してください」とメッセージを投げかけると、学生たちから拍手が起きました。ダンスミュージックとDJの歴史を学びつつ、音楽の楽しさをあらためて実感できる特別講義になりました。
DJ KOOさんはまさにエンターテイナー。今回は特別講義なのに、学生さんたちの気持ちをあんなに上げることができるなんて、本当にすごいです。コンサートみたいでした。そしてなにより、今回の特別講義に参加して感じたのが、大阪芸術大学の学生の皆さんの、貪欲さと興味があることに対するエネルギーの大きさです。クリエイティブに大切なのはパッションとオリジナリティ。特に情熱がなければ、練習をやらなくなってしまうでしょうし、音楽も聴かなくなります。また、オリジナリティを出すのは難しいのですが、自分が知る限りでいいので「これは誰もやっていない」ということに挑戦した方がいい。僕もヒップホップバトルでDJを務め、そこでビートを流すとき、トランスミュージックのレコードを2枚使いしたりしていました。自分が知る限り、そういうDJはいませんでした。パッションとオリジナリティがあれば音楽は続けられます。その中で、人気やセールスが付いてくれば最高だと思います。
DJ KOO先生は、ご自身が経験してきたことを詳しく教えてくださいますし、音楽のルーツをとても大切にしていらっしゃることも伝わってきました。僕が好きなヒップホップについてもいろいろ知ることができました。なによりDJ KOO先生は、音楽がすごく好きなことがお話を聞いていて分かります。音楽についてすごくストイックに向き合っていらっしゃいますし、そういう思いを長年積み上げてこられたからこそ、ご活躍されているのではないでしょうか。そしてだからこそ、DJをやっていらっしゃるときも、お話をされているときも「この人はすごい」とオーラが感じられるのだと思います。僕はラップをやっていて、「音楽で飯を食う」が目標です。ラブとピースを歌い、誰かの心を救っていきたい。そのためには大学在籍中に売れることが目標。名前をすでに広げている同期はたくさんいますし、僕は高校時代から焦りを感じています。大学在籍中に売れなければ音楽を辞める覚悟で、音楽に取り組みたいです。
DJ KOO先生の特別講義は、学生たちがライブの観客として盛り上がりながらお話を聞くようなスタイルなので、いつも受けている講義とはまた違った楽しさがあります。DJのパフォーマンスでものすごく盛り上げながら、音楽の歴史、機材などについて細かく教えてくださるところも魅力的です。そういったことがDJの技術などにもあらわれている気がしました。どういう風に曲と曲を繋いでいるかとか、そのとき機材をどのように使っているかなど、興味深いことばかりでした。DJ KOO先生の特別講義を聞いて、「好きなことは、自分でどんどん研究していった方がいい」と刺激も受けました。僕は現在、ラップをやっていて、またトラックも制作しています。大阪芸大在学中に売れたいです。マルチに活動し、SNSを中心とするインフルエンサー、そしてトラックメイカーとして存在を広めたい。好きな音楽を辞めたくないからこそ、在学中に結果を出し、好きなことを好きなだけやりたいです。
ご登壇された瞬間「わっ、DJ KOOさんだ!」とテンションが上がりました。特別講義も、DJ KOO先生のライブを見ながら、合間、合間で知識も与えてくれるような内容で、とても楽しくて一瞬で終わりました。音楽の歴史について解説されているときも、話に出てくる曲をBGMとしてかけてくださったりし、学生たちがその音楽についてより理解できるように工夫されていらっしゃったのも印象深かったです。あと講義後、DJ KOO先生に話しかけたのですが、すごく優しくご対応くださいました。僕だけではなく、ほかの学生にも一人一人に対して丁寧に接していらっしゃり、リスペクトを感じます。僕は作曲をメインに学んでいるのでDJは未知の世界ですが、先生のお話を聞くとすごく興味が湧きます。僕は音楽活動を主体にしながら、演技、ダンス、人前で話すことなどバラエティに富んだ活動をして、作ったものだけではなく人柄も肯定されるような人間になりたいです。だからこそDJ KOO先生の姿勢は学びになりました。
DJ KOO先生はすばらしい感性を持っていらっしゃる方だと思います。私は2024年に開かれた特別講義も出席し、DJが使用しているヘッドホンがどのように聴こえているのかなど教えていただきました。またそのとき、曲を流すタイミングや、お客さんのテンションを上げるためにどうするかなど、“数ミリ単位”の技術が必要であることと同時に、優れた感性が必要であることに気づかされました。今回の特別講義でも、学生が手を挙げて盛り上がっている背景にはDJ KOO先生の細かいテクニックと感性があることが分かりました。また、この日の特別講義のために、ご自身が経験したことなどが書かれたノートを用意してくださり、芸能活動でお忙しい中、学生のことを思ってしっかり準備してくださる姿に感動しました。そんなDJ KOO先生から教わったことを今後の自分の音楽活動に生かしたいです。シンガーソングライターを目指していて、今は歌の実力を伸ばすために練習しています。学生のうちにできることを目一杯やり、4年生の最後にはワンマンライブを開催したいです。