『お気に召すまま(As You Like It)』は、シェイクスピアによって1600年頃に書かれた喜劇。父の遺産を相続した兄によって過酷な生活を課せられた三男・オーランド―と、公爵の兄の娘・ロザリンドの恋模様を中心とした、アーデンの森での出来事を明るく牧歌的に描いた作品です。山本先生は、シェイクスピアの作品は、兄弟の確執や激しい恋心など“心の振れ幅”が大きい描写が多く、その分セリフも難しく、長くなると言います。山本先生が公演の演目としてシェイクスピアの作品をよく取り上げるのは、「いわば食べやすいものばかりでなく、若いうちに、食べごたえのあるものを口にして、しっかりとした咀嚼力を身につけてほしい」という思いが込められているからです。