2月8日〜15日にかけての8日間、学生たちにとって4年間の集大成と言える「大阪芸術大学 卒業制作展2026」が開催されました。各学科主催の展示会では、独自の感性が光る唯一無二の作品の数々が披露され、キャンパス全体が鮮やかなアート一色に。趣向を凝らした学内イベントも行われ、活気あふれる卒業制作展となりました。
本記事では、文芸学科、放送学科、芸術計画学科、舞台芸術学科、音楽学科、演奏学科、初等芸術教育学科の卒業制作展を紹介します。
創作だけでなく編集&プロデュースの側面からアプローチすることを重視している文芸学科の卒業制作展は、装丁や本文レイアウトまで、学生たち自らが考えて製本した「読める展示」。会場では、並べられた本を実際に手に取り、自由にページをめくって楽しむことができます。
作品は純文学からミステリー、SF、ライトノベル、児童文学など様々な分野にわたり、幅広い言語表現を実践的に追求してきた文芸学科の多様性が表れています。
物語の核心やインパクトのあるフレーズを抜き出した天吊りバナーも、学生たちが試行錯誤を重ね、編集&プロデュース目線で創案。頭上から降り注ぐ言葉の数々が、来場者の興味を惹きつける効果的な演出になりました。
※https://www.osaka-geidai.ac.jp/topics/prize_odasakunosuke_takahashinanami
放送学科では、多様化するメディアの最前線で学んだ成果を、多彩な表現手法で披露しました。
制作コース、アナウンス音声表現コース、先端メディアコミュニケーションコースは、チームで制作した映像から、個人の探究心を深化させた音声・脚本・論文まで、多岐にわたる作品群を展示。2月15日には、その優秀作品制作者によるプレゼンテーションを、TVスタジオで収録し、その様子をYouTubeでも配信しました。
また、2月11日には、声優コースの卒業公演、「千里だって走っちゃう」、「古事記(ふることふみ)」を芸術劇場にて上演。日々稽古に励んできた卒業生たちの見事なパフォーマンスに、会場中が温かい拍手で満たされました。
企画立案からプレゼンテーション、運営など、イベントプロデュースのすべてを学んできた芸術計画学科。2025年の万博や「OSAKA光のルネサンス」などの大規模イベントをはじめ、さまざまなプロジェクトの現場に携わることで実践的な経験や知見を蓄積。その成果を論文と研究発表の映像にまとめ、9号館の地下スタジオで展開しました。
「大阪芸術大学 卒業制作展」のオープニングセレモニーと卒展マルシェの運営を担うのも、芸術計画学科の恒例行事。この重要なイベントを支えてきた卒業生たちが、2・3年生にバトンをつなぎ、2026年度も大盛況のうちに幕を閉じました。
20号館ホールでは、舞台装置や衣装、大道具・小道具の製作など、舞台を支えるクリエイターをめざす舞台美術コースでは、卒業生が4年間の想いを込めた渾身の作品を展示。舞台模型やデザイン画、実物大の衣装など、演目の解釈を精密に視覚化した世界観を表現しました。
2月8・9日にはポピュラーダンス、11・12日にはミュージカルと、エネルギッシュなステージを披露。2月14・15日には、舞踊コースによる「第41回卒業舞踊公演」を開催。クラシックバレエから、モダンダンス、日本舞踊まで、学生たちの鍛錬の成果が発揮され、会場は称賛の拍手に湧きました。
舞台音響効果コースの卒業生が、“音”だけを使って一つのドラマを作り上げた「卒業制作オーディオドラマ上演会」は、2月9日に4作品を上演しました。
音楽・音響デザインコースは、制作した楽曲の試聴コーナーや、センサーと音楽を連動させたインタラクティブ作品などを展示。シンセサイザーやPC、自作デバイスと楽器を組み合わせた演奏形態、立体音響技術を効果的に利用した音響による空間デザインとしても、その成果を公開しました。
音楽教育コースは、音楽療法の有効性や音楽教科書の分析など、心理や教育について研究する論文や作品を制作。2月15日の「卒業論文・作品発表」では、選抜された学生による発表会が行われました。
そして、音楽教育に必須の実技は、2月8日に3号館ホールで行われた「卒業コンサート」で披露。ピアノや琴、管楽器の演奏や声楽など、4年間で磨き上げた演奏技術により、奏者としてのポテンシャルを最大限に発揮しました。
演奏学科 クラシックのピアノ・声楽・管弦打コースによる「卒業制作ソロコンサート」は、プロ仕様の本格設備を備えた芸術劇場で開催されました。
緻密なテクニックと豊かな表現力を兼ね備えたピアノ演奏、圧倒的な声量で自在に声を操る声楽、各楽器が持つ魅力を最大限に表現した管弦打演奏と、クラシックの醍醐味を凝縮した多彩なプログラムを披露。
学生一人ひとりが修得した高度な演奏技術と表現力に、客席からは惜しみない拍手が送られました。
■開催日時
2026年3月20日(祝) 15:00~
■開催場所
住友生命いずみホール
ポピュラー音楽コースのミュージッククリエイター・コンポーザー専攻の13人が、音楽をアートとして展示する試み「オトノミュージアム」を開催しました。これは、単に音楽に耳を傾けるだけでなく、その場の空気感や視覚的な演出まで丸ごと味わう、音楽という枠を越えたインスタレーション。聴覚、視覚、そして空間と、五感を刺激するまったく新しい体験に、多くの来場者がその世界観に引き込まれました。
ポピュラー音楽コースの「卒業演奏会」が、3月13日になんばHatchにて開催されました。本格的なライブパフォーマンスに加え、管弦打楽器専攻からストリングスやホーンをゲストに迎え、ステージはプロのコンサートを彷彿とさせる迫力。多才な編成による見事な演奏で、4年間の学びの最後を鮮やかに彩りました。
2026年3月13日(木) 17:30〜
なんばHatch
初等芸術教育学科の卒業制作は、音楽や絵画の教育的効果やワークショップの実施報告、地域の伝統文化を学校教育に取り入れる試みなど、多面的な範囲をカバーする論文と、その内容をひと目で分かるように要旨をまとめたパネルで展開されました。
2月11日には、学長賞を含めた優秀者による「卒業論文優秀者発表会」が行われ、学長賞を受賞した篠原望希さんの「教育現場における自由な描画表現を妨げる要因の検討」など、優秀者による発表が行われました。教育職に就く卒業生も多く、わかりやすい表現や興味を引く演出など、これまで培ってきた“伝える力“を発揮。熱のこもったプレゼンに、観客は最後まで熱心に聞き入っていました。
そして、2月12日の「初等芸術教育学科・第3回音楽会」では、合唱やアンサンブル、ピアノや楽器演奏を披露。児童の興味を引くためのアレンジや、音楽の授業や学校行事に応用しやすい伴奏法など、これまで培ってきた専門性を十二分に発揮しました。