2月8日〜15日にかけての8日間、学生たちにとって4年間の集大成と言える「大阪芸術大学 卒業制作展2026」が開催されました。各学科主催の展示会では、独自の感性が光る唯一無二の作品の数々が披露され、キャンパス全体が鮮やかなアート一色に。趣向を凝らした学内イベントも行われ、活気あふれる卒業制作展となりました。
初日2月8日のオープニングセレモニー〜collage〜は、大阪では珍しく雪が降るなかで行われました。まずは、学長賞や学科賞に選ばれた学生たちの授賞式からスタート。芸術情報センター地下1階のAVホールに集まった受賞者たちは、晴々しい表情で表彰を受けました。
その後、エントランスに場所を移し、オープニングイベントを開会。演奏学科管弦打コースによるファンファーレが、卒業制作展の開幕を華々しく告げます。卒業生代表による、くす玉開きとテープカットが行われ、紙吹雪が舞い散る中、多くの来場者から拍手が湧き起こりました。
同日にはオープンキャンパス「卒業制作展DEキャンパスを見てみよう!」も行われ、遠方から来場した多くの高校生の姿がキャンパスに見られました。
卒業生による多彩な作品を目にして、このキャンパスで過ごすこれからの4年間をイメージできたのではないでしょうか。
アートサイエンス学科では、AIやプロジェクションマッピングなどのインタラクティブ技術を活用し、映像やサウンドを効果的に表現した作品が並び、多くの来場者の注目を浴びました。
また、単なる視覚的体験や技術の誇示にとどまらず、表現の根底にあるコンセプトと手法の整合性を重視したコンセプチュアルな作品も登場。「情報の不確かさ」や「生命の定義」といった社会課題や生命論など、深遠なテーマを鑑賞者に投げかけるアプローチは、アートサイエンスの新たな可能性を示す取り組み。
学科の理念「テクノロジーとアートを掛け合わせた新たな価値の創造」を体現する卒業制作展となりました。
美術学科卒業制作展のメイン会場は、総合体育館の第1アリーナ。日本画、油画(具象、非具象)、版画、彫刻といった多彩なジャンルで、集大成にふさわしい作品を発表しました。
4年間の学びを通じて、「感動する心」と「創造する力」と培ってきた学生たちが、それぞれの着眼点や自由な発想で取り組んだ作品は、どれも瑞々しい感性と情熱に満ち溢れた力強いものばかりで、見応えがあります。
油画抽象コースの3・4年生による「美術学科(油画コース)有志展」でも、独創的なアプローチによる作品が並び、多くの来場者が熱心に見入っていました。
グラフィックデザイン、イラストレーション、デジタルアーツ、デジタルメディア、プロダクトデザイン、空間デザイン、デザインプロデュースの、7つのコースがあるデザイン学科の卒業制作展は、それぞれの専門領域を追求した多彩な作品が集結。
グラフィックに映像やUI/UX、イラスト、立体と多岐に渡るメディアや手法を用いて、多角的な視点から社会課題にアプローチした作品は、エッジのきいた若い感性が駆け巡り、時代を切り開くインパクトを感じるものばかり。
10号館のエントランスやギャラリースペースから展示空間になっており、“見せ方”の訴求力にもデザイン学科ならではのセンスを感じさせました。
工芸学科では、金属、陶芸、ガラス、テキスタイル・染織と、4つのコースそれぞれが素材特性を生かし、多彩な技法を駆使した独創的な作品を披露しました。
前衛的なオブジェに精緻な伝統技法の器、大胆な色彩のテキスタイルや迫力のインスタレーションなど、DXが押し寄せる時代において、“手“で生み出すアートの力強さを再認識させられる内容。
巨大な窓から差し込む陽光が、作品の繊細な色合いや風合いを鮮やかに映し出してくれる総合体育館アリーナ前のエントランスロビー。第2食堂前のホールや円形芝生でも、自然光を生かした演出が印象的で、空間デザイン・プロデュース力においてもポテンシャルを発揮しました。
単なる撮影技術の枠組みにとどまらず、映像やインスタレーションといった多様な手法が取り入れた作品群は、デジタル時代の視覚文化において、写真表現の多様な可能性を感じさせる野心的な内容です。
アーティスティックな表現を追求する織作ゼミ、フィールドでの出会いを大切にする現場志向の赤木ゼミ、デジタルスキームに強みを持つ矢合ゼミなど、各指導教員に刺激を受けたゼミごとの特徴も見応えがあります。
そして、芸術情報センター地下にある国内屈指、直径16mの実験ドームで上映された音楽ライブの映像作品は圧巻の出来栄え!没入感のある作品で、多くの観客を集めていました。
卒業制作から選抜された優秀作品展が2つの会場で行われました。
■開催日時
2026年1月20日(火)~31日(土) 10:00~18:00
■開催場所
キヤノンギャラリー大阪
(大阪市北区中之島3-2-4中之島フェスティバルタワーウエスト1F)
2026年2月28日(土)~3月20日(金) 11:00~20:00(最終日は16:00まで)
ソニーストア大阪(大阪市北区梅田2-2-22ハービスエント4F)
建築分野と環境デザイン分野の学生が、それぞれの専門的知見に基づき、建築・都市デザインに関する意欲的な提案を行いました。対象としたテーマは、集合住宅や公共施設、都市再開発、さらには環境共生型建築など多岐にわたります。
周辺環境や交通インフラ、風土まで視野に入れたプランは、学生たちの関心が建築物単体の設計を超え、都市のコンテクストや歴史的背景にまで深化していることが伝わります。
加えて、細部まで作り込まれている模型は、建築の技術面だけではなく、芸術性や社会性、環境性能を多角的に捉えた、総合芸術大学としての矜持が感じられる完成度。多くの来場者が足を止め、興味深く鑑賞する姿があちこちで見られました。
映像学科では、フィルム上映やデジタルシネマ双方に対応する本確的設備が整った7号館1階の学内映画館で上映しました。
映画・ドラマ、表現映像、広告映像、アートアニメーション、ドキュメンタリーの各コースの学生が手がけた作品は、実写からアニメーション、CG、インスタレーションなどバリエーション豊かで、そのひとつ一つに独自の視点や感性が際立ちます。
本格的な映像を追求するチームの作品、自分の世界観を突き詰めた個人の作品、ともに現役の映画監督の直接指導を受けたとあって、脚本構成から編集、撮影・照明・音声などの技術面に至るまで、商用映画としても遜色ないような作品が出そろっていました。
卒業制作展の優秀作品をあべのアポロシネマで一般公開しました。
2026年2月28日(土)~3月1日(日) 18:00~21:00
あべのアポロシネマ
(大阪市阿倍野区阿倍野筋1-5-1 アポロ・ルシアスビル4F)
漫画、アニメーション、ゲーム、フィギュアアーツと、各コースの集大成が披露された会場には、独自の世界観を形にしたオリジナルキャラクターや物語、そして細部までこだわり抜かれた精緻な造形作品の数々が並びます。
即戦力の育成を重視する学科ならではの、プロ顔負けのクオリティが来場者を圧倒。特に、オリジナルキャラクターの完成度や緻密なストーリー展開、高精度な造形技術が見どころです。
「好きなことを仕事にしたい」と、4年間ひたむきに創作と向き合ってきた学生たち。それぞれのメディア特性を深く追求し、磨き上げた表現技術には、彼らの情熱が鮮烈に刻まれ、未来のクリエイターの登場を予感させました。