卒業生インタビュー ヤバイTシャツ屋さん (芸術計画学科・映像学科卒)

芸大はいい意味で〝ほったらかし〟
その自由な空気感がバンドの原点

プロフィールヤバイTシャツ屋さん
大阪芸大の軽音サークルで結成された、こやまたくや(G&Vo、映像学科卒業)、しばたありぼぼ(B&Vo、映像学科卒業)、もりもりもと(Dr&Cho、芸術計画学科卒業)によるバンド。 2016年にフルアルバム『We love Tank-top』でメジャーデビューし、独自な世界観の歌詞や骨太なロックサウンドが注目を集めている。2018年12月には映画『ニセコイ』の主題歌「かわE」などを収録した3rdフルアルバム『Tank-top Festival in JAPAN』をリリース。

3rdフルアルバム『Tank-top Festival in JAPAN』

数々の音楽フェスで入場規制がかかり、ツアーも全公演完売で大ブレイク中のロックバンド、ヤバイTシャツ屋さん(通称・ヤバT)。2018年は映画『ニセコイ』の主題歌に抜擢され、2019年はテレビCMに初出演するなど、注目を集めています。枠にとらわれないバンド名が物語るように、彼らの魅力のひとつは自由さ。その原点はどうやら芸大にあったようです。

しっくりきた芸大の空気感

しばた:私はCMやミュージックビデオを見るのがもともと好きで、映像を学んだら大好きなハロー! プロジェクトの何か力になれればと思っていたんです。ハロプロと関わるのが昔からの夢だったので。
それで大阪芸大のオープンキャンパスに行ったら、いい意味で“THE芸大”って感じじゃない。学校の雰囲気自体がそこまで尖っている感じではなくて、自分の感性に近かったんですよね。

こやま:僕もいろんな芸大の学園祭を見に行ったなかで、大阪芸大の雰囲気が一番よかった。学生の雰囲気や大学の空気感もすごくよくて、ここがいいなと。
放送学科も受けていたけど、最終的に映像学科を選んだのは、総合芸術の映像なら自分が面白いと思っているものを一番表現しやすいんじゃないかなと思ったから。それと、高校時代からやっていた映像制作がすごく楽しくて、大学でちゃんと学んでみたいという思いもありました。

もりもと:僕の場合、社会学とか経済学とか、自分があまり関心のないものに4年間向き合うのは多分無理だろうと思っていて、ずっと興味があったのが芸術や音楽。それでイベントの裏方の勉強をしていた姉の影響もあってか、表に立つっていうよりは裏方で働きたくて、芸術計画学科(以下、芸計)だったんですよね。自分が勉強したいことを学べる学科があったから、大学は必然的に大阪芸大だったという。

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自由で刺激的な芸大じゃなきゃ、
バンドは生まれなかった

こやま:芸大の空気感、雰囲気ってすごい自由なんですよ。映像学科の場合、作品づくりに縛りはないので、自分でイチから考えてつくらないといけない。でも、いい意味でほったらかしにされる一方で、協力してほしいときには協力してもらえるという環境。スタジオや機材も使えるし、わからないことがあったら教えてもらえるし、ちゃんと発表の場もある。それが僕にはすごく合っていました。
そういう自由な精神はヤバTの活動にもつながっていると思いますね。ヤバTは大阪芸大じゃないと生まれなかったバンド。

しばた:自由な分、自分から踏み出すことが大事で、それは今でもけっこう生かされています。何をするにも、自ら動いてやるぞという気持ちがありますね。
それと、私は映像制作のなかでも最初は音響にしか興味がなかったんですけど、芸大で照明やカメラなども学んでいくうちにいろいろと興味が湧いてきました。芸大では、いろんな分野を学べるというのも大きいです。

もりもと:まさに僕がいた芸計は、いろんなジャンルの芸術を広く学んで、そこから得意分野を見つけ出すイメージ。幅広い芸術に触れられたおかげで音楽の幅も広がるし、自分の引き出しが増えました。いろんなことに関して器用になったかなと思います。
それと、学科を超えて知り合いが多ければ多いほど楽しめるのも芸大。興味関心を広げられるし、形にできる。「課題は何しているの?」っていう、そんな会話だけでも楽しいし、いろいろとインスパイアもされます。ほんとに刺激が多かった。いろんな人に出会えるから、卒業後の選択肢がグッと増えて、僕の場合、入学する前に思っていた人生プランとまったく別物になったくらいです。

こやま:僕も作品をつくるときは、いろんな学科の人に協力してもらうことがすごく多かったです。絵が必要なときはキャラクター造形学科の子に頼んだり、ちょっと踊れる子が必要なときは舞台芸術学科の子に演技してもらったり。それこそ、もりもとの声がいいから、アニメの声優として出てもらったこともありました。

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全員、再入学希望!?

こやま:大学生って基本的にダラダラしてしまうものですけど、でもそんななかでちょっとでもやる気があったら、頭ひとつ抜けられるのが芸大。やる気があればすぐ褒めてくれて、頑張っていいものができたらチヤホヤされるから。僕はすごいチヤホヤされました。もう一回、通いたいな(笑)。今思い返せば、もっと芸大で有意義に過ごせると思うし。
ほかの大学に行っていたら埋もれてしまって、今こうやってバンドもやっていなかっただろうし、作品づくりも積極的にできたかどうかちょっとわからない。芸大のあの空気感、周りにいろんな人がいる環境があったから、今がある感じがします。

もりもと:僕も芸大に行ってなかったらどんな人生を送っていたか想像がつかない。すごく濃厚な時間でした。僕がいたころの芸計は、もう少しアート寄りだったんですけど、今はライブやフェスなどのイベントプロデュースも学べるみたいで、大阪でライブをしたときに芸計の学生さんがスタッフで入っていて、めちゃくちゃ嬉しかったんですよね。芸計がそういう体験のできる学科になっていると知って、勉強しにもう一度入り直したいくらい。

しばた:私が芸大に入り直すなら、映像学科に特撮スタジオができたので、自分で特撮を手がけてみたいです。スクリーミング・マッド・ジョージ先生の特殊美術の授業がとにかく面白かったのも思い出深くて、よく覚えているのがSFホラー映画の『遊星からの物体X』を読み解く授業。CGを使わずにどうやって撮影しているのか、もし自分だったらどういう風に仕掛けを作って撮影するかを考えるんですよ。そもそも、グロいスプラッターシーンを巻き戻したり、スローで再生したりとじっくり見たこともなかったので、頭も柔軟になりましたね。
将来なりたいものがはっきりしている人もはっきりしてない人も、芸大ではいろんなことが学べて、そこからまた新たにやりたいことが出てくるのが面白いと思います。いろんなものに興味を持って楽しく過ごせる場所です。

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