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韓国・ソウル市内のホテル「JW マリオットソウル」で行われたアジア最大規模のホテルアートフェア「AHAF(Asia Hotel Art Fair)SEOUL 2016」。この名誉ある見本市に、海外の大学としてはじめて大阪芸大美術学科が招かれ、学生・卒業生・教員ら9名が参加しました。このときのために、メンバーは既存の作品ではなく、あえて新作に挑戦。短期間ながらそれぞれに自信作を持って韓国へとわたりました。
会場となるホテルでは、2つの客室が展示スペースとして用意されました。そこでメンバーは、各自の作品がどの場所にあるともっとも魅力的に見えるかを試行錯誤して設営・展示。開催中には多くのコレクターと会話し、そのなかで実際に作品を購入していく人も。ここで得た大きな自身と刺激は、これからの作家活動のなかで大きな力になっていくはずです。
韓国アートフェアに出展させていただいたのは「ART OSAKA 2016」に参加したときに声をかけていただいたことがきっかけです。韓国アートフェアでは来場者は年齢の幅も広く、日本よりもアートが生活のなかに入り込んでいるという印象で、大阪のときも一般の方とコレクターの方では見方が違いましたが、韓国の方はもっと明るいものを好むというか、人種によって自分たちとの感覚が違うというのがとても新鮮でした。
僕はずっと人物を描いていて、もともと人が持っている根本的な力みたいな、今の社会に欠けている部分を、人物をとおして描けたらいいなと思っています。だから素材も、木炭や炭、コーヒー、麻袋など、人間の生活に親しみのあるものを使っています。コーヒーを用いたのは韓国アートフェアからですが、黒から滲み出た色というイメージですし、麻袋はコーヒーが入っているというものという繋がりもあります。
こういう作品を描くようになったきっかけは、大阪芸術大学の環境と、美術学科の高田光治先生の影響が大きいです。美術を外から見てみるという広い視野を持たせてくれたので、これまでの固定概念が消えたというか、美に対する意識が変わった気がします。卒業して就職はしますが、これかも作家活動を続けていきたいと思います。