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美術館でアート×テクノロジーの新体験! 奈良県立美術館コレクション展で学生作品を展示中 美術館でアート×テクノロジーの新体験! 奈良県立美術館コレクション展で学生作品を展示中

アートサイエンス学科
2025/08/22

奈良県立美術館では、これまで美術館に足を運ぶ機会が少なかった人たちにもアートの魅力を届けるため、気軽に楽しめる新しい展覧会のスタイルに取り組んでいます。その一環として、2025年7月19日から大阪芸術大学アートサイエンス学科の学生たちが、美術館所蔵のコレクション作品をもとにした体験型の展示作品を制作・発表しています。


今回取り組んだのは、3年生を中心とした授業「アートサイエンス構想演習」の受講生16名。鑑賞者がアート作品を体で感じ、作者の気持ちになって、深く記憶に残るような体験型作品を目指しました。既存の作品をただ “体験できる” ようにするだけでなく、「どうすればより多くの人に届く展示になるか」「どんな仕掛けが心に残るのか」を丁寧に設計しました。


授業ではUI(ユーザーインタフェース)やUX(ユーザーエクスペリエンス)など、観る人の視点に立って細かな工夫を重ねながら、プロトタイピングやディスカッションを繰り返し、チームで制作を進めました。美術館というプロフェッショナルの現場で、長期展示にも耐えうる、実践的な展示のノウハウを身につけながら挑戦しました。


展覧会は夏休みであることもあり、子どもからお年寄りまでの幅広い年齢層の方々や、地元や観光客などさまざまな国の方々が作品を体験してくれています。来場者がこの展覧会のテーマである「きて・みて・はなして→たいけんする」を実践し、普段は気づかなかった作家の視点や作品の面白さについて楽しそうに学んでいる様子から、この素晴らしい展覧会に参加できてよかったと感じます。


完成作品は、美術館での展示として2025年8月24日まで公開しています。美術館で出会う、ちょっと未来のアートを体験しに、ぜひお越しください! 

「アートサイエンス構想演習」で奈良県立美術館 学芸課長 山本雅美さんからレクチャーを受ける学生
展示作品を模した体験ツール制作の様子
絵画と対話するシステムの実装中
スケール感の確認のためのプロジェクター投影テスト
作品プロトタイプをプレゼンする学生と、レビューする奈良県立美術館 学芸課長 山本雅美さん
鑑賞者の視点からレビューする奈良県立美術館 学芸課長 山本雅美さん
公開プレゼンテーションでワークショップで体験の仕方を説明する学生
公開プレゼンテーションで作品解説する学生

展覧会概要


展覧会名: 奈良県立美術館 コレクション展「わたしたちのびじゅつかん ~きて・みて・はなして→たいけんする美術展~」 Exhibition of the collection: Come, See, Talk, and Explore an art museum ◆大阪芸術大学 芸術学部 アートサイエンス学科連携展示

日時: 2025年7月19日(土)〜8月24日(日)

会場: 奈良県立美術館 第6展示室・ギャラリー

主催・会場: 奈良県立美術館

関連ページ: https://www.pref.nara.jp/69196.htm

関連イベント: 

7月23日(水)9:15〜10:45 学生による公開プレゼンテーション

8月2日(土)、3日(日) 9:30-16:30 アート夏祭り(学生によるワークショップも開催)



展示作品一覧


・田中李梨「そして我々は実体を掴む」 

 [メディア] 音声 35秒

 [元になった収蔵作品] 野見山暁治《脱ぐ女》昭和29年 グワッシュ・ペン・インク、紙  65.3×50.0cm

・清水紗瑛「耳と目で絵の実体を探る 1.荒野 2.河原 3.夢」 

 [メディア] 音声 3種類、各30秒

 [元になった収蔵作品] 岩崎巴人《飛び越える馬》昭和35年 グワッシュ 紙 138.8×185.0cm

・本多櫂人「チェスキーニ氏の館」 

 [メディア] 映像: 8分

 [元になった収蔵作品] 絹谷幸二《チェスキーニ氏の肖像》昭和61年 顔料、カンバス 193.9×259.1cm

・紀野葵香「色絵四弁花更紗模様 〜四季を添えて〜」

 [メディア] 52秒 ループ映像

 [元になった収蔵作品] 富本憲吉《磁器 色絵四弁花更紗模様 六角飾箱 》昭和20年 6.6×22.1㎝

・庄治桃香、清水雄大「RA・DEN・LIFE 〜あのときの色これからの光〜」

 [メディア] 箱

 [元になった収蔵作品] 北村大通《螺鈿平脱八稜飾箱》昭和54年 8.4×25.8㎝

・服部珠利「融合」

 [メディア] 体験型アート

 [元になった収蔵作品] 田中敦子《作品》 昭和32年 ビニール塗料、ボード 130.0×92.0cm

・芳田爽華「一富士二鷹三茄子文様櫛・笄」

 [メディア] シナベニヤ、紙など

 [元になった収蔵作品] 《一富士二鷹三茄子文様櫛・笄》江戸時代(19世紀) 金銀細工・鼈甲(櫛長)13.3㎝/ (笄長)24.9㎝

・寺田亘輝、馬場稜士「蘇る舞妓」

 [メディア] 映像、プログラム

 [元になった収蔵作品] 北野恒冨《舞妓図》大正前期 絹本着色 128.5×51.2cm

・張治瑄、有富伯玖、安達ひなた「綾」

 [メディア] 映像、プログラム

 [元になった収蔵作品] 《霞に富士山文様 打掛》 江戸時代(18世紀)  納戸羽二重地、染 一領 164.0×62.0㎝

・上嶋奏士「鑑賞拡張~見えないものを、音で見る~」

 [メディア] 立体音響 10種類、各30秒

 [元になった収蔵作品] 松本秋美《SENRO H》平成元年

アクリル、ドローイング・インク・油彩・カンバス