本サイトはInternet Explorerには対応しておりません。Chrome または Edge などのブラウザでご覧ください。
Topics

学内でeスポーツの醍醐味を伝える 大阪芸大 eSports Party 2021 学内でeスポーツの醍醐味を伝える 大阪芸大 eSports Party 2021

芸術計画学科
2022/02/04

芸術計画学科では、2019年度から正規の授業としてeスポーツ(エレクトロニック・スポーツ)のイベント運営を実施。これまでにも株式会社カプコン、大阪文化芸術フェス実行委員会と連携して大会を開催するなど、現代カルチャーを貪欲に吸収する学科の構想を具現化してきました。

2021年度は前年に続き、学生たちにeスポーツを浸透せることを目的とした学内での大会を開催。募集に集ったプレイヤーたちが人気ゲームで対戦し、熱戦を繰り広げました。

普及へのステップも学ぶ「プロジェクト演習」

2000年代から世界規模で普及し、認知度が高まっているeスポーツ。日本は、海外でも人気のタイトルを数多く世に送り出しているものの、ゲームが競技であるという認識が定着しておらず、後進国として遅れを取っているのが実状です。

芸術計画学科では、eスポーツのコアなターゲット層となる学生たちにeスポーツそのものの楽しさを知ってもらうため、プロジェクト演習イベントプロデュース領域のカリキュラムとして、学内でのeスポーツ大会「大阪芸大 eSports Party 2021」を企画。学科のイベント情報を掲載するTwitterアカウントおよび学内でのポスター掲示で参加プレイヤーを募りました。

eスポーツ後進国の日本。コアなターゲットと見られる若年層のプレイヤー人口も、世界的には、まだまだ少ないという状況です。

大会は4月より準備が進められ、9月より参加プレイヤーの募集を開始。11 号館 Gold Waves 前でのお試し会や予選を経て11月に決勝大会が開催されました。

今回、大会に使用されたタイトルは、プレイステーション専用ソフトから、株式会社セガの「ぷよぷよ e-sports」。長い歴史と多くのファンを持つ人気タイトルで国内におけるeスポーツの定番ソフトとして知られています。

幅広い層に人気のタイトルで参加者を募集

ニューノーマルでの大会運営、見えてきた課題

前年度は総合体育館下ピロティでの開催となった決勝大会ですが、2021年度は気候の状況などを鑑みて会場を総合体育館2階 ホワイエに移動。2年生と3年生で編成されたeSports班は、チームリーダーである3年生・川端優芽さんの陣頭指揮のもと会場設営を行い、大型モニターなどを配したブースが完成。マスク・フェイスシールドの着用や空気循環用の大型ファンの設置、コントローラー・ゲーム機の消毒など、新型コロナウイルスの感染対策も徹底し、開演準備が進められました。

マスクやフェイスシールドの着用、機材の消毒など感染症対策が徹底されました。

昼休みを利用して行われた「ぷよぷよ e-sports」の決勝大会本番には4人のプレイヤーが参戦し、スピーディーなバトルを展開。予想以上に難易度の高い熱戦が繰り広げられました。

今回、学生たちは開催準備のほか、本番でも司会を担当するなど、セルフプロデュースに重点を置いた運営を行い、「参加人数を増やすため広報を強化したい」「実況や解説で観客を盛り上げたい」といった次期大会に向けての課題も聞かれました。

決勝大会の様子。ゲーム内容に合わせてブースの組み方を変化させています。
芸術計画学科 学科長
村上 敬造 先生

今回、学生たちが取り組んだeスポーツイベントは、広報にSNSなどを使用していますが、現在、2025年の日本国際博覧会に向けて、すでにバーチャル参加の技術などが開発されています。その観点で見ると、エントリーの仕方をはじめ、実況や解説もオンラインで参加させるなど、もっとネットを活用した盛り上げ方があったのではないかという課題も見えてきます。日本では賞金の上限など、法律の問題もあってeスポーツの普及が遅れていますが、プレイヤーたちは海外の大会にどんどんエントリーして世界を広げていってほしいし、学生たちには、そういった情報に対して常にアンテナを張っておいてほしい。せっかくこういったイベントに携わっているのなら、どうすればみんなが参加しやすいかなど、仕組み作りには気を配ってほしいと思います。今の学生たちは、僕ら世代のように経験をふまえて上から発言するのではなく、何もないところでAとBを組み合わせて新しいものを作るなど、自由な発想ができるのが強み。そうやって出てきたアイデアも、ちょっと探せば具現化させるアイデアが見つけられし、面白いことを形にするために貪欲であってほしいですね。
そして、eスポーツだけに限ったことではないのですが、イベント運営はキラキラしたようなイメージで見られているその影で、ものすごく地味な作業が積み重ねられていることをしっかり意識してもらいたい。今回、備品の手配漏れなど、開催が危ぶまれるような事態がいくつかあったのですが、イベントというのは一つ歯車が狂ったら影響が大きく出てしまう。みんなが面倒に感じがちな作業も、不測の事態を避けるためには必要不可欠であるし、それを意識できないのであれば、プロとしてはやっていけません。
次年度のeスポーツ企画については、現在、調整中ですが、最後の仕上げとして、あべのハルカスで公開の「ストリートファイター」大会を開催し、2019年の「大カプ芸杯」を再び行えたらと思っています。

芸術計画学科 2年
平尾 琴々音 さん

もともとゲームには疎かったのですが、コース内で枠があるからということでプロジェクトのメンバーに入れてもらい、初めて本格的にゲームプレイを体験。実際に自分が運営に携わる立場で触れてみると、その面白さがしっかり分かったので、自分の中で新たな扉が開かれたような感覚がありました。
私は決勝大会スタッフとして、アシスタントディレクターのほか、総務と会場管理を担当。ディレクターの補佐として書類や資料が期日までに揃っているかなどの確認を行い、会場選びについても提案しました。会場は前回で見えた課題をふまえて目に留めてもらえる場所を考えたのですが、屋内になったことで感染症対策のマニュアルを昨年度からさらにアップデートさせ、安心・安全な大会運営を心がけました。
私自身の反省点としては、運営に意識が偏りすぎて集客が疎かになってしまったこと。観客の盛り上がりが活気に繋がるので、イベントとして成立できたのかということについては疑問点も残りました。来年はもっと効果的な広報を考えて参加者や観客を増やしたいですね。
使用タイトルについては、アンケートを募ったところ、スマートフォンでプレイできるものや「PUBG」「エーペックスレジェンズ」といったバトルロイヤルものが好まれている傾向も見えてきたので、そういった声も反映していきたいです。

芸術計画学科 3年
川端 優芽 さん

私は前回のeスポーツ企画にも参加し、選択した3つのイベントの中でもっとも達成感を得られたのと経験を生かせると思い、今回もプロジェクトメンバーに加わりました。ディレクターから全体統括となって、ブースの進捗具合やリハーサルで見えていなかった問題点の確認などを行っていたのですが、スケジュールの組み立てが大変で、使用機材の手配に不備があるなど予期せぬトラブルも多々あり、臨機応変に対応することの大切さを学びました。
eスポーツのプロジェクトは、ほかのものより開催規模がコンパクトなので、2年生で初めてイベントに参加する際に何を選べば良いかわからないという人には、うってつけかもしれません。今回、最初のミーティングで2年生からたくさんの提案が上がってきたのですが、1年前の私たちには、まだそういった熱意がなかったので、非常に驚いたのと同時に、とても心強かったです。
チームリーダーとして統括する立場になって抱え込むことが多かったのと複数のイベントに並行して携わっていたことから連絡の伝達で混乱することもありましたが、その分、多くのスキルを獲得することもできました。実家の母も「授業料以上のことを学ばせてもらえてうれしい」と言っています。