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ホテルの一室を学生が考えたアートルームに ホテルの一室を学生が考えたアートルームに

デザイン学科 / 産官学連携
2021/11/15

「地域の価値で、未来を変えていく。」をブランドステートメントに、価値体験型ホテルを展開されている”INTERGATE HOTELS”と大阪芸術大学デザイン学科との産学連携プロジェクト第一弾として、アートルーム「茶てる ~22世紀茶の湯文化~」を造成しました。

10月22日(金)にはメディア内覧会が行われ販売がスタート、10月23日(土)から宿泊できるようになりました。

アートルームの販売と同時に、学生たちが制作しました「大阪発見リーフレット」の配布が開始しました。

2021年2月に依頼を受けて、当初ホテル開業の4月から取り組みを検討していましたが、学生さんたちに授業内でじっくり取り組んでもらえればという提案を受け、新年度の4月からプロジェクトが始動。デザイン学科3年生15名が参加。4つのグループ(アートルーム/グラフィック/デジタルアート/ワークショップ)に分かれ、それぞれの分野で、どのような大阪の魅力を発信できるかを考え、取り組みました。

実際にホテルのラウンジや館内を視察
ラウンジでの提案、打合せ

アートルーム「茶てる ~22 世紀の茶の湯文化~」

2022年に生誕500年を迎える、大阪で生まれた千利休。その千利休が確立した「茶の湯文化」に注目し、22世紀の茶の湯文化をテーマとすることを決め、茶の湯文化の未来を学生独自の発想で自由にデザインし、客室内装飾として演出しました。


「ネオンが主照明になるような近未来な空間」を目指し、「宇宙」「近未来」を連想させるデザインになりました。「茶室・未来・芸大生」のユーモラスな空間に出来上がりました。ベッドスローやクッションなどのアイテムにも「22 世紀の茶の湯文化」をデザインに反映しており、大阪芸術大学の学生が描く世界観を体感することができます。


   シンボルアート

客室のシンボルアートは静かな客室からギラギラと輝く大阪の街を覗かせ、古今の名所を共にネオンで彩りました。縁起担ぎの文化として、千客万来・商売繁盛などおおくの福を招く招き猫で表現、背景の扇は芸能の盛んな大阪を表しました。この先も一つの街で同居していることを描いています。

 

 

大阪発見リーフレット

学生独自のアートな観点で大阪を紹介するリーフレット「伝統編」「観光編」「お土産編」の3種類を作成しました。

「伝統編」では歴史や伝統文化に触れたくなるような、「観光編」では芸術に関係するような場所を、「お土産編」ではスタンダードも含めパッケージなどがかわいいお土産をまとめました。

掲載する情報の紹介文もすべて学生たちで考えましたが、いざ掲載許可をとると写真が使用できなかったり、情報が変更されていたりと、修正を重ねようやく出来上がりました。

小さいリーフレットですが、内容が盛りだくさんで、ひと味違った大阪の魅力を紹介しています。

「大阪を訪れるお客様に、大阪の良いところをもっと知っていただけますように。」と想いを込めた本リーフレットは、インターゲートラウンジ(2 階)に設置し、お持ち帰りしていただけるようにしています。



メディア内覧会でアートルームのコンセプトやリーフットの説明をする、デザイン学科3年生の斉木有羽さんと荒川芙生さん

アートルーム 「茶てる ~22世紀の茶の湯文化~ 」は実際に宿泊していただけます。

ホテルインターゲート大阪 梅田 × 大阪芸術大学 産学連携プロジェクト
「扉を開けてArtの世界へ」

ホテルインターゲート大阪 梅田公式HP


学生が作成しました、大阪発見リーフレットもこちらからご覧いただけます。



  

 

大阪芸術大学 デザイン学科 デジタルアーツコース教授
カズ・オオモリ先生

今回のプロジェクトは3回生が対象でした。そのため、このプロジェクトを通じてクリエイティブに関しての感性を磨いてほしいのは勿論ですが、社会との実践的な取り組みを実感する機会にもなって欲しいという想いを持って、指導を行いました。
アートルームチームは学生ならではのフレッシュな感覚・発想力を生かしながら、お客様に喜んでもらえるようなデザインになるようホテルの部屋の中をアートワーク、装飾するようこだわりました。併せて産学連携プロジェクトだからこそ味わえるリアルな仕事の現場を学生も体感いただけるよう、学生が主体的にクライアントと連絡を取って課題解決のために動いていく場を設けました。このようにいつもとは違うクリエイティブなことだけではなく、物を作る以外の調整なども学生が行ったのは、学生にとって良い体験になったのではないかと考えています。
グラフィックチームでは「学生の視点で大阪を再発見する。」を表現するべく、ホテル周辺が学生にどう映っているのかを言語化し魅力が伝わるよう、リーフレットに落とし込んでいきました。「誰にどこでみられるのか」を意識して作ってもらうよう進行していたため、クリエイターというよりも読んだお客さんが笑顔になるようなプランナーとして立ち回ってもらいました。
今後も本プロジェクトは、第二弾としてワークショップとデジタルアートの分野における施策を予定しております。今回の施策を体験していただいたお客様が、新たな大阪の魅力を発見する機会になれば嬉しいです。

デザイン学科 空間デザインコース 3年生
斉木 有羽さん

ホテルインターゲート大阪 梅田が文化や歴史を発信していることから、大阪の生活・食・文化・歴史の中から軸となる題材の案出しを行っていきました。そして数ある案の中から議論を重ね、アートルームのコンセプトは大阪城の茶室と千利休をモチーフにした、「未来の茶室」に決定しました。過去と未来の対比表現が伝わるよう、対照的なデザインづくりを工夫いたしました。特にこだわったポイントは、宇宙船で宇宙人とお茶を飲んでいる様子をイメージして描いた「クッションカバー」です。
そして今回のプロジェクトでは、企業の方々とのやり取りを私たち自らで実施しました。今まで授業の中でデザインをする機会は多々あったものの、こういった企業の方々とのやり取りはしてこなかったため、とても良い経験になりました。
また、今回私たちが手掛けたコラボアートルームが今までよりも幅広いお客様がホテルに宿泊するきっかけづくりになったらと思います。

デザイン学科 グラフィックデザインコース 3年生
荒川 芙生さん

この「大阪発見」リーフレットは、ホテルに宿泊していただいたお客様のステイ体験が少しでも素敵なものになることを目的に作成を進行していきました。作成においては「大阪芸術大学の学生の頭の中のイメージを知ってもらいたい」をモットーに、「アートの観点から見た大阪の街」を、大阪芸術大学らしい雰囲気が伝わるように工夫いたしました。同時に、ホテルの高級感やアートルームの持つ和モダンの要素を損なわないよう、バランスを取った表現となるよう試行錯誤いたしました。またリーフレットとして成り立つように、3パターンのテーマを用意いたしました。
本リーフレットはアートルームへの設置は勿論、ホテルのラウンジにも置いて頂くので、ホテルインターゲート大阪 梅田の宿泊者にはぜひ手に取ってもらえたら嬉しいです。そして私たちも今回のプロジェクトを経てホテルの皆様とやり取りさせて頂く機会が多々あり、勉強になる面が多くあったので、今後の自分の創作活動に生かしていきたいと思います。