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「大阪芸術大学プロムナードコンサート 2014 MUSIC meets MOVIES」を終えて プロムナードコンサート2014MUSIC meets MOVIES

音楽学科 / その他
2014/09/01

恒例の夏のコンサート、今年もフレッシュな一年生たちのパフォーマンスとともに幕が上がりました。

演奏学科ポピュラー音楽コース、舞台芸術学科ポピュラーダンスコース、短期大学部メディア・芸術学科ポピュラー音楽コース一年生合同による「you are good」(作詞・作曲:Israel Houghton)。清々しい一年生の演奏に続いて、厳しいオーディションで選抜された5組のStudent Band が熱演します。全てのバンドは演奏もさることながら演奏前のセッティングも入念に行います。多種多様な楽器を手にしながら、限られた短い時間内でセッティングに奮闘する学生の姿を目にするのもこのコンサートの魅力の一つです。「各地の素晴らしいホールでリハーサルや演奏をすることが、学生にとって特別な授業になる のです。」開演前に緞帳前でご挨拶された副学長塚本英邦先生のメッセージが学生たちの心にも響きます。

Act1(第一部)後半では、舞台芸術学科ポピュラーダンスコースと演奏学科ポピュラー音楽コースの合同パフォーマンス「Aquarius」(作曲:Fifth Dimension / 編曲:藤村麻紀)の洗練されたアカペラとダンスパフォーマンスに続いてO.U.A. BIG BAND による「AFEW GOODMEN」(作曲・編曲:Gordon Goodwin)の迫力あるサウンドに大きな拍手が沸き起こりました。 大阪芸術大学プロムナードコンサート2014、今年のテーマはMUSIC meets MOVIES、映画音楽からアニメ・ゲーム音楽に至るまで様々な演奏が各会場で繰り広げられました。

R.シュトラウス作曲「ツァラトゥストラはかく語りき」の荘厳な演奏でスタートしたAct2(第二部)クラシックステージは、J.ウィリアムズ映画音楽メドレー「J.ウィリアムズに捧ぐ」(編曲:P.ラベンダー)の耳慣れた映画音楽メドレーに続いて、第36回日本アカデミー賞最優秀音楽賞受賞曲「追憶の海」(作曲:川井郁子)が作曲者である川井郁子演奏学科教授によって演奏されました。

また、映画監督 大森一樹映像学科長の代表作 映画『わが心の銀河鉄道〜宮沢賢治物語』より「ドヴォルザークのラルゴ」(編曲:千住明)をオリジナル版で演奏出来たことに加えて、プッチーニ作曲のオペラアリアを素晴らしい声で歌われた二塚直紀さん、東野亜弥子さん、世界中で最もよく知られているゲーム音楽「スーパーマリオブラザーズ」の作曲者近藤浩治さん、3人の素晴らしい卒業生にお力添えいただけたことなど幸運に恵まれた演奏会となりました。

そして、プロムナードコンサート2014スペシャル公演として「イーハトーヴ交響曲」がフェスティバルホールで上演されました。この交響曲は宮沢賢治の思い描いた理想郷〝イーハトーヴ〟を作曲家・冨田勲氏が音楽として具体化した、オーケストラと合唱による壮大な作品です。
この作品はソリストにVOCALOID の初音ミクを起用するなど大きな話題となっていますが、音響の良い音楽ホールに大型スクリーンや映像システムなどを設置することが容易でないこともあり上演の機会が非常に少ない作品です。通常、ボーカロイドのコンサートは、同期モノであり、初音ミクの歌に合わせてミュージシャンが演奏するスタイルなのですが、この作品はボーカロイドが指揮者に合わせて歌い踊る必要があり、それを実現させるにはとても高度なシステムを構築する必要があります。その点がこの作品を上演するにあたり一番の難点でした。
しかし、ここでも幸運に恵まれました。初演の際にそのシステムを担当され世界的に注目されNHK番組でもその取り組みを大きく取り上げられたシステムアーキテクトのことぶき光さんが、本学大学院を修了されていたのです。改めて本学卒業生の素晴らしさを感じます。「イーハトーヴ交響曲」初演での指揮を担当された大友直人演奏学科教授と、卒業生のことぶき光さんとの共演は、大阪芸術大学だからこそ実現出来たことだと感じています。
ボーカロイドとオーケストラという一見違った世界のものが音楽として一つになる感動をフェスティバルホールに来場された多くの方々が感じられたのではないでしょうか。

アカペラで演奏される「雨ニモマケズ」の合唱の素晴らしいハーモニーに続いて最弱音でオーケストラが奏でるクライマックスと直面しながら、音楽の素晴らしさに身が震える思いでした。 広報関係でご尽力賜りました浅尾芳宣映像学科准教授。共演していただきました大阪すみよし少年少女合唱団の方々、広島・名古屋公演を指揮していただいた牧村邦彦演奏学科客員教授、演奏会に携わっていただきました全ての方々に深く感謝申し上げます。
(音楽・演奏学科長 三原 剛)