「エグモント序曲」では、学生らの全身を揺り動かしながらのダイナミックな演奏に、楽曲の熱気が視覚的に伝わってくるようで、聴衆を引きこみました。
「交響曲第9番」が始まると、オーケストラの背後に設置されたひな壇に続々と大阪芸術大学混声合唱団が入場。ソプラノ38人、アルト54人、テノール22人、バス44人による総勢158人の大所帯で、早くもその歌声に期待感が膨らみます。ソリストを務めたのは、ソプラノ東野亜弥子先生、アルト福原寿美枝先生、テノール岩城拓也先生、バリトン三原剛先生で、いずれも大阪芸大の教員です。
「交響曲第9番」は全4楽章からなり、「フロイデ シェーネル ゲッテルフンケン~♪」という溌剌としたフレーズでおなじみの「歓喜の歌」は、第4楽章。合唱と演奏が合わさったときの迫力は鳥肌もので、学生たちの若々しい歌声が、本当に会場の奥までよく届いていました。オーケストラの学生たちは大友先生の指揮にもよく食らいつき、力強いオーケストレーションで聴衆を楽曲の世界へと誘います。
そした、第4楽章のラストは舞台上にいるすべての音楽家が持てる力を出し切るべく全力疾走! 誰もが喜びに満ちた大団円へと誘われたのでした。鳴りやまない拍手と歓声。二度のカーテンコールに迎えられ、学生らはそれぞれの思いを胸にハレの日を笑顔で締めくくりました。