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万博の歴史から世界をビジュアル化する 万博の歴史から世界をビジュアル化する

デザイン学科
2021/10/25

2025年に大阪で開催される事が決まった万博。O Plus Vol.6の表紙に用いたデザインは、世界各地で開催されてきた万博(国際博覧会)にまつわるデータを素材に現代のテクノロジーを反映させてビジュアルをつくろうという試みで本誌のアートディレクター古平正義氏が木村浩康氏・塚本裕文氏と手がける特別プロジェクトからのもの。人類が、科学や文化のテーマで集い、世の中に刺激を与え変化を加え続けた歴史。その息吹と時間の美しい集合形の前で、次なる人は、何を感じるのだろうか?


Art Direction and Design: Masayoshi Kodaira, FLAME

Technical Direction: Hiroyasu Kimura Flowplateaux Programming: Hirofumi Tsukamoto Flowplateaux

Photographs: Yasunari Kurosawa Cooperation: HAXAN Printng Co., Ltd.

「プログラミングで、自分だけでは描けないビジュアルを生みだそうというプロジェクトの一環で、今回は1851年のロンドンから2015年のミラノまでの万博のデータを使いました。世界地図をベースに、開催都市の緯度・経度=各図形の中心/会場の面積=外形の大きさ/参加国数=多角形の頂点の数/来場者数=波紋の数、としてグラフィック化し、デジタル加飾と呼ばれる新しい印刷技術で定着させたものです。表紙の右上に見える十角形は1970年の大阪万博のもの。7300万人を集めた2010年の上海に次いで、未だに歴代2位の入場者数(6400万人)なんです。1970年大阪生まれの僕、運命を感じました…」(古平)


「各博覧会毎の参加国数(=多角形のかたち)の違いをわかりやすく可視化するために、比率を割り出して“3~30角形”にあえて制限してみました。多くの万博がヨーロッパを中心に行われていた事が密度によって見て取れますが、これは多数の国が陸路で繋がっていた事がひとつの要因ではないでしょうか。それが次第に世界中に広がり、物理的な距離を超えていくという文明の進化を感じます。陸を越え、海を越え、更には様々な場所からコミュニケーションを取れるほどの進化を遂げた今の時代に、万博がどのような広がりを見せていくのか、とても楽しみにしています。」(木村)

●古平正義(こだいら まさよし)

アートディレクター/デザイナー。FLAME代表/大阪芸術大学デザイン学科客員教授。主な仕事に、パワーコスメ「oltana」ブランディング、「BAO BAO ISSEY MIYAKE」とのコラボレーション、「ラフォーレ原宿」広告・CM、「Fender」広告・フリーペーパーなど。


●木村浩康(きむら ひろやす)

インターフェイス・デザイナー。Flowplateaux(旧Rhizomaitks Design)所属。東京造形大学卒業後、Webプロダクションを経てライゾマティクスに入社。最新のテクノロジーの知見を取り入れ、さまざまなデータを活用したテックドリブンなデザイン制作を行う。文化庁メディア芸術祭最優秀賞など多数受賞。


●塚本裕文(つかもと ひろふみ)

プログラマー。Flowplateaux(旧Rhizomaitks Design)所属。Webプロダクションを経てライゾマティクスに入社。Webを中心にフロントエンド領域を得意とする。