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Ars Electronica Festival 2025にアートサイエンス学科混成チームが出展決定! Ars Electronica Festival 2025にアートサイエンス学科混成チームが出展決定!

アートサイエンス学科
2025/07/14

メディアアートの世界的祭典にて、「Sweet Orders」を展示予定

2025年9月にオーストリア・リンツで開催される世界最大級のメディアアートの祭典**「Ars Electronica Festival 2025」において、アートサイエンス学科の学生による混成チームがCampus Exhibition部門**への出展に採択されました。

今回選出されたのは、学部生8名・大学院生2名で結成されたチームで、日々の創作と研究を通じて探求してきたメディア表現と社会課題へのアプローチを、国際舞台で発表する機会となります。

Ars ElectronicaとCampus Exhibitionとは?

**Ars Electronica(アルス・エレクトロニカ)**は、1979年から続く先端アート・テクノロジー・社会をつなぐ国際的なフェスティバルで、毎年世界中からアーティスト、研究者、技術者が集い、未来の社会像を問い直す作品が展示されます。

その中でも**Campus Exhibition(キャンパス・エキシビジョン)**は、世界中の大学や研究機関の教育成果を発表する部門であり、将来の表現者たちが実験的な作品を通して国際的な評価を受ける貴重な場です。

本年度展示作品『Sweet Orders』について

本年度の出展作品『Sweet Orders』は、現代社会における「選択の主体」を問いかけるVRインスタレーション作品です。

私たちは日々、ネットショッピングや動画配信サービス、SNSなどを通じて膨大なコンテンツを消費しています。その中で「あなたへのおすすめ」や「関連性の高いコンテンツ」といったAIのアルゴリズムに気づかぬうちに導かれながら、あたかも自分の意志で選んでいるかのような錯覚をしています。けれども本当にそれは、私たち自身が本当に望んで選択したものなのでしょうか?

本作は、この「選択の主体」という問いを出発点に、宮沢賢治の『注文の多い料理店』を現代的に再解釈した物語として展開します。
参加者はVR空間内でレストランに招かれ、AIによって制御されたウェイターから、嗜好や関心に基づいたコース料理の提案を受けます。ウェイターのさまざまな魅力的な提案によって、参加者は「自分にぴったりの食事」を楽しんでいるように感じるでしょう。
しかし体験が進むにつれ、このレストランのに隠された「本当の目的」が徐々に明らかになっていきます。それは、自分自身が「食べる側」ではなく、「食べられる側」、すなわち“食材”であったという真実に直面することになります。

『Sweet Orders』は、AIによる最適化の快適さと引き換えに失われていく主体性を、食という最も身近な行為を通じて体験者に問いかけます。選んでいるつもりが、選ばされている。そんな現代の消費社会における静かな恐怖を、童話のような物語に沿って展開します。