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第8回 高円宮殿下記念 根付コンペティション記念展 第8回 高円宮殿下記念 根付コンペティション記念展

工芸学科 / その他
2016/12/25

大阪芸大の客員教授でもあられる高円宮妃久子殿下は、高円宮憲仁親王殿下とともに世界有数の根付コレクターとして知られています。

大阪芸大では現代根付作家の育成にもご熱心であられた高円宮殿下を記念して、グループ校生を対象とする「高円宮殿下記念 根付コンペティション」を2009年に創設。第8回目となる2016年度は、グループ各校より140名の学生が参加。158点の応募作品のうち19点が、妃殿下を含む審査員により受賞作品に選ばれました。記念展初日の表彰式では、入賞者19名に表彰状と記念品を贈呈。さらに妃殿下から一人ひとりへ、作品の感想と激励のお言葉が贈られました。高円宮賞を受賞したのは通信教育部学生の井上喬文さんの作品「よいよい」。ほかにも工芸学科から学長賞「飛陽」(川田奈央さん/金属工芸コース4回生)、優秀賞「Fantasy」(小幡すみれさん/陶芸コース4回生)をはじめ7作品が受賞の栄誉に輝きました。

記念展覧会では、応募作品に加え、高円宮妃久子殿下の根付コレクションから根付と印籠など約150点と、妃殿下が撮影された「旅する根付」の写真パネル約20点も特別展示。多くの来場者の胸に、根付が現代にも通じるアートであることを感じさせる展覧会となりました。

工芸学科 金属工芸コース
川田 奈央さん

昨年に続いて2度目の挑戦となった根付コンペティション。前回の優秀賞に続き、今回は学長賞を受賞することができました。高円宮賞を逃したのは悔しかったですが、昨年よりも前進できたことへの喜びを強く感じています。<br>私は仕掛けのある根付が好きで、今回の根付コンペティションのために制作した作品も上部が蓋になっていて、紐を緩ませることで開閉が可能な構造になっています。たとえば練り香水を入れておけば、そのまま香の物として使用できますし、必要に応じて首筋や手首にさっとつけることもできます。じつはこの紐通しのアイデアは、高円宮家の根付コレクションから着想を得たものです。例年、表彰式の後に妃殿下が直々にコレクションを紹介してくださるのですが、私はそこで紐を利用した仕掛けがある根付を発見しました。根付は紐をとおして使用するものなので、紐がただの付属品ではなく、根付の機能に組み込まれていたらおもしろいかも。そんな着想から今回の作品を制作しました。妃殿下をはじめ審査員の先生方からは、「伝統的な形でありながら新しい発想。紐通しの発想もユニーク」だと評価をいただきました。<br>来年は大学院に進学する予定なので、また次回もこの根付コンペティションにも挑戦したいと考えています。今度こそ高円宮賞を受賞したいです!

工芸学科 陶芸コース
小幡 すみれさん

優秀賞受賞の電話を受けたのは、審査日当日の夜のことでした。「まさか!」と驚いたものの、とにかくうれしい気持ちでいっぱいで、すぐに家族に報告。その夜は興奮してなかなか寝つけませんでした。<br>私は、とにかく自然が好きで、紅葉や桜といった美しいと感じた景色を写真に撮って、それを作品づくりに役立てています。受賞作品は、好きな鳥と花をコラボレーションさせたもの。コジュケイという丸くてかわいらしい鳥をモチーフに、表面は春の季節を感じさせる桜の花びらを全体に敷き詰めたようなデザインに。会場では多くの方から「独特だね」という感想をいただきました。意外な評価でしたが、絵付は私がこだわってずっと取り組んできた表現なのでうれしかったです。<br>陶芸は満足できる絵付ができても、焼いてみるまでどんな色に仕上がるのかわかりません。そこが難しいところであり、おもしろいところでもあります。最近は少しずつ狙った色を出せるようになってきたので、これからも自然のなかにある動植物の色を陶芸で表現していきたいです。

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