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デザイン学科産学連携プロジェクト 具体例を紹介 デザイン学科産官学連携プロジェクト

デザイン学科 / プロジェクト, 産官学連携
2014/09/01

デザイン学科では「産官学連携プロジェクト」を授業内で積極的に推進しています。
ねらいは、大学の中に「社会」を放り込むことです。企業が求めるレベルを学生たちに肌で感じてもらい、学生たちを鍛え上げます。商品化などの具体的成果も多々出ており、その中のいくつかを紹介します。

① 瀬戸市との産官学連携プロジェクト
愛知県瀬戸市と(株)ファーゼンと連携し、アロマランプのデザインを行い商品化しました。
企業からは、「30代女性ターゲット」「磁器製」「暖色の電球使用」「カラフル」と学生には難しい条件が提示されました。それに対して学生たちは、雑貨店での市場調査、30代 女性へのヒアリング調査、図書館での色彩研究を通して、完成度の高い魅力あるデザインを複数提案しました。企業からも高い評価を得て、3作品の商品化が決まりました。 東京で開催された展示会に学生たちも出向き、自分たちがデザインしたアロマランプを大々的に展示している企業ブースを見て、「途中辛い事もあったが、諦めず最後までやり通せてよかった!」、「本当に商品化された!」と全員が感無量だったようです。今後はロフトなど多くの店頭に並ぶ予定です。

② ㈱アシックスとの産学連携デザイン実習
スポーツシューズで世界的に有名な「アシックス社」と、プロダクト、スペース、情報デザインの学生たちが約半年間のデザイン実習に挑戦しました。テーマは、「ランナーのため の移動型ランニングステーションと新サービス」という難しいものでしたが、学生たちは壁にぶつかりながらも乗り越え最終デザインまで完遂しました。アシックスデザイナーと学生たちが連携する中で、次の3つの成果が得られました。
1.アシックス独自のデザイン手法を学生たちに教授
世界企業であるため効率的に高精度のデザインを創出する仕組みが確立されています。その手法を惜しみなく学生たちに教えていただいた事は、学生たちの一生の財産になりました。
2.活躍されている本学OBからの愛情あるデザイン指導
アシックス社のデザイン部長はじめ、多くの幹部が本学OBでした。彼らは、この連携授業の中で何度も母校へ足を運び、学生たち(後輩)に厳しくも暖かく指導助言してくださいました。
3.英語でのプレゼン
アシックスも社内共通語が英語です。デザイン部のトップもフランス人、英語での最終プレゼンが必須であったため学生たちは相当努力してやり遂げていました。英語でのデザイン教育の必要性を痛感しました。 このように一流企業との産学連携は、全てにおいてレベルが高く、学生たちの得るものも大きいと感じました。

③ 授業内作品(スツール)の商品化(学外展出展を通して)
デザイン学科では、デザインフォーラム、リビング&デザイン展、東京で開催されるグッドデザインエキスポ展、東京デザイナーズウィークと4大デザイン展に本学ブースを設け優秀な学生作品を出展しています。その中で、学生中村その子のスツール(授業作品の椅子) が、来場した企業(木蔵)の方の目にとまり商品化されました。
ちょうど中村が本学ブースで作品説明をしていたら、「この椅子、販売していますか?」と企業(木蔵)の方から声をかけられ、「商品化したい!」と名刺をいただいたのが始まりでした。 その後、教員も立ち会い何度も調整を繰返し、「sidetool ~ sovani(そばに)」という素敵な商品名で発売されています。企業と学生間でロイヤリティ契約も交わし、学生の中村には工場出荷額の2%がデザイン料として4ヵ月に一度振り込まれています。まさに、プロデビューです。

④ 越前和紙上山製紙所との産学連携
「スラムダンク」などで知られている人気漫画家・井上雄彦氏と一緒に、本学学生たちがギネス超えの巨大和紙作りに挑戦しました。学生たちは和紙デザインの勉強よりも、井上氏と対話しサインをもらうことに注力し大変興奮していました。その巨大和紙に井上氏が絵を描き、出展する特別展が今後各地を巡回する予定です。

▼このように様々なかたちで学外との連携を継続しています。学内の教育だけでは得られない体験が、学生たちの財産になることを期待しています。 (デザイン学科教授 中川志信)