FM802と協働して一から制作したライブイベント「En Count」 FM802と協働して一から制作したライブイベント「En Count」
芸術計画学科×FM802がコラボしたライブイベント「En Count~music brings us together~」が、大阪・阿倍野のライブハウス「ROCKTOWN」で2025年1月17日に開催されました。学生たちが企画から運営まで担当し、ゼロから作り上げるという初の試み。アーティストの選定、企画書制作、デザインなどさまざまな業務に取り組み、新たなライブイベントを成功させました。
アーティスト選定から取り組んだ初のプロジェクト
これまで多彩なイベントプロデュースの実践的な学びが行われてきた芸術計画学科の「プロジェクト演習」。今回はその一環としてFM802と協働し、音楽イベントを一から制作。同学科客員教授でFM802のプロデューサーでもある今江元紀先生の指導のもと、学生たちはアーティストの選定、コンセプト作成など、まさにゼロからイベントを作りあげていきました。
まずはライブ会場やジャンル別の音楽、アーティストなどのリサーチを実施。さまざまなバンドの情報を持ち寄り、今回のライブのメインターゲットとする高校生の興味・関心の分析も行いながら、企画を組み立てます。同時にFM802本社や同局主催イベントの見学を通じて、制作現場の雰囲気も体感しました。
公演の概要決定後、企画書作成、広報、会計、デザインなどの担当に分かれて各業務を進行。プロに依頼してビジュアルやオフィシャルグッズの制作、プレイガイドとの交渉、FM802の大型フェス「MINAMI WHEEL」会場でのフライヤー配り、ライブを告知するポッドキャスト収録などのプロモーションにも取り組みました。
また今回は高校生100人の特別無料招待を企画し、SNSやFM802サイトで参加希望者を募集。高校生に向けて、メンバーの出身高校や軽音部の大会などでの情報発信も行いました。
学生たちが台本制作や収録立ち合い・監修にも挑戦したポッドキャスト番組。MCはFM802のDJ・樋口大喜さん。3組の出演アーティストもコメントで登場!
当日もフル稼働!ライブイベントの舞台裏を支える
そして迎えたライブ当日。学生たちは会場入り後にミーティングを行い、設営・準備をスタート。アーティストの楽屋整備、記念撮影用のフォトブースの設置、受付や物販コーナーの設置、配布物の準備など、教員やイベント会社スタッフの指導も受けながら、手分けして作業を進めていきます。
ライブタイトル「En Count」は、「音楽を通じた出会いや縁を大切にするイベントに」という思いからネーミングしたもの。来場者に楽しんでもらい、良い思い出になるようにとの気持ちを込めて、出演者のサイン入りのバックドロップ幕を張ってフォトブースを設けました。
リハーサル終了後には、出演者・スタッフ一同の顔合わせが行われ、アーティストたちとコミュニケーションする場面も。開場時間が近づくにつれて入口前には来場者が集まり始め、最終チェックをしながら学生たちの緊張感も高まります。
いよいよ開場。学生メンバーたちは次々と入場してくる来場者を迎え、受付や物販、フォトブースなど各担当コーナーで対応。特別招待した高校生たちも、ライブへの期待感に満ちたワクワクした表情で来場してくれました。
遂に本番がスタート!FM802のDJ・樋口大喜さんがMCを務め、学生メンバーがこのイベントにかける思いをコメント。そして、学生たちが選んだ3組のバンドのステージが始まりました。
オープニングは、2024年に活動を開始し、日本だけでなく韓国でも人気上昇中の3人組バンド「LET ME KNOW」。続いて大阪・北摂を拠点とする3人組バンド「レトロマイガール!!」が登場し、フロアはさらにヒートアップしていきます。ラストを飾ったのは大阪・高槻出身の4人組ロックバンド「TRUCK15」。ステージからダイレクトに響く音と熱いパフォーマンスに、会場全体が一つになり、歓声と拍手の中でエンディングを迎えました。
それぞれ個性の異なる3組のアーティストたちの気持ちのこもった演奏が繰り広げられ、大いに盛り上がったライブ。ステージを見守った学生たちも、無事に終了した安心感と達成感を味わい、最高の笑顔を見せていました。
中学生の時にライブの魅力にハマって以来、いつか自分でライブを作りたいと思っていたので、今回のプロジェクトはまさに夢を叶える第一歩になりました。私はプロデューサーとして、スケジュール管理、先生とのやり取り、企画書やマニュアルの作成などを担当。前例のないプロジェクトを一から企画するのは、予想以上に大変なことでしたが、自分たちの作るライブでお客さんや出演者に楽しんでもらいたい、そして来年以降この企画に取り組む後輩たちのためのより良い土台作りをしたい、という思いをモチベーションに頑張りました。
当日も、企画や準備の段階ではわからなかった問題が発生し、現場で急遽変更になった点も多々ありましたが、多くの方の協力で無事にライブを終えることができて本当に良かったです。「このイベントのために東京から来た」という来場者の方や、「思い出の場所で新年初ライブができて嬉しい」という出演アーティストのMCコメントなど、楽しんでくださる皆さんの声を直接聞けてすごく嬉しかったです。初の取り組みならではの苦労が大きかった分、とても勉強になりました。
実は入学前には、音響や照明を学べる舞台芸術学科にも興味があったのですが、将来ライブ関係の仕事を希望している私には、芸術計画学科が合っていたと思います。学外の大規模イベントなど、他の大学では経験できないようなこともたくさん体験して、成長することができました。今プロジェクトで得た学びもいかして、演者もスタッフもお客さんも、関わる人すべてが笑顔になれるようなライブがいつかできたら最高ですね。
もともとバンドやライブが大好き。このプロジェクトでは今までにないライブイベントを一から立ち上げると知り、固定観念なく自由に取り組めそうと思って参加しました。最初のうちはメンバーの音楽の好みも違い、どんなイベントにするか意見もなかなかまとまりませんでしたが、方向性が決まって担当別に作業を進めていくうちに、だんだんチームワーク力もアップ。私はプロデューサーを補佐するディレクターを務め、みんなが楽しく作業に取り組める雰囲気作りを心がけながら、各メンバーのサポートにもあたりました。中でも印象に残っているのは、FM802本社でポッドキャスト収録に立ち会ったこと。自分たちの思いがしっかり伝わるよう、MCの方にいろいろと要望を伝えてディレクションさせていただき、とても貴重な経験ができました。
本番では、みんなで作り上げることができたという達成感とともに、イベントの裏側にはたくさんの人の力があるんだなとあらためて実感。このプロジェクトでの取り組みすべてが自分のためになることばかりで、すごく楽しく学ぶことができました。一方で、企画段階のスケジューリングの遅れやSNSでの呼びかけの不足などの反省点も。来年もぜひこのプロジェクトに関わり、そうした点を改善して、より完成度の高いイベントを企画・運営したいです。
芸術計画学科では、各種イベント、アート、地域活性化などさまざまな領域のプロデュースを学べるのが魅力。やりたいことが定まっていなくても、企画やプロデュース全般に興味があったり、イベントの裏方に携わりたいという人にはぴったりな学科だと思います。