本サイトはInternet Explorerには対応しておりません。Chrome または Edge などのブラウザでご覧ください。
Topics

FM802と協働して一から制作したライブイベント「En Count」 FM802と協働して一から制作したライブイベント「En Count」

芸術計画学科
2025/03/10

芸術計画学科×FM802がコラボしたライブイベント「En Count~music brings us together~」が、大阪・阿倍野のライブハウス「ROCKTOWN」で2025年1月17日に開催されました。学生たちが企画から運営まで担当し、ゼロから作り上げるという初の試み。アーティストの選定、企画書制作、デザインなどさまざまな業務に取り組み、新たなライブイベントを成功させました。

アーティスト選定から取り組んだ初のプロジェクト

これまで多彩なイベントプロデュースの実践的な学びが行われてきた芸術計画学科の「プロジェクト演習」。今回はその一環としてFM802と協働し、音楽イベントを一から制作。同学科客員教授でFM802のプロデューサーでもある今江元紀先生の指導のもと、学生たちはアーティストの選定、コンセプト作成など、まさにゼロからイベントを作りあげていきました。

まずはライブ会場やジャンル別の音楽、アーティストなどのリサーチを実施。さまざまなバンドの情報を持ち寄り、今回のライブのメインターゲットとする高校生の興味・関心の分析も行いながら、企画を組み立てます。同時にFM802本社や同局主催イベントの見学を通じて、制作現場の雰囲気も体感しました。

FM802本社を訪問して打合せを実施。本学 放送学科卒業生でDJの板東さえかさんがスタジオでCM収録を行う様子も見学

公演の概要決定後、企画書作成、広報、会計、デザインなどの担当に分かれて各業務を進行。プロに依頼してビジュアルやオフィシャルグッズの制作、プレイガイドとの交渉、FM802の大型フェス「MINAMI WHEEL」会場でのフライヤー配り、ライブを告知するポッドキャスト収録などのプロモーションにも取り組みました。

また今回は高校生100人の特別無料招待を企画し、SNSやFM802サイトで参加希望者を募集。高校生に向けて、メンバーの出身高校や軽音部の大会などでの情報発信も行いました。

10月に行われたフェス「MINAMI WHEEL」で、来場者に告知フライヤーを配ってPR

ポッドキャスト公開中!

学生たちが台本制作や収録立ち合い・監修にも挑戦したポッドキャスト番組。MCはFM802のDJ・樋口大喜さん。3組の出演アーティストもコメントで登場!

当日もフル稼働!ライブイベントの舞台裏を支える

そして迎えたライブ当日。学生たちは会場入り後にミーティングを行い、設営・準備をスタート。アーティストの楽屋整備、記念撮影用のフォトブースの設置、受付や物販コーナーの設置、配布物の準備など、教員やイベント会社スタッフの指導も受けながら、手分けして作業を進めていきます。

ミーティングであらためて作業の流れや注意事項を確認し、気合いを入れる
配布物の仕分けなど準備作業も間違いのないよう慎重に行う

ライブタイトル「En Count」は、「音楽を通じた出会いや縁を大切にするイベントに」という思いからネーミングしたもの。来場者に楽しんでもらい、良い思い出になるようにとの気持ちを込めて、出演者のサイン入りのバックドロップ幕を張ってフォトブースを設けました。

バックドロップ幕に出演アーティスト一人ひとりのサインを依頼
オリジナルロゴとサインが入った幕で、ロビーにフォトブースが完成!演奏の合間などに来場者が記念撮影を楽しむ姿も

リハーサル終了後には、出演者・スタッフ一同の顔合わせが行われ、アーティストたちとコミュニケーションする場面も。開場時間が近づくにつれて入口前には来場者が集まり始め、最終チェックをしながら学生たちの緊張感も高まります。

いよいよ開場。学生メンバーたちは次々と入場してくる来場者を迎え、受付や物販、フォトブースなど各担当コーナーで対応。特別招待した高校生たちも、ライブへの期待感に満ちたワクワクした表情で来場してくれました。

来場者が続々と集まり、ライブ前の高揚感に浸りながら開場を待つ
SNSを利用したプレゼント企画を案内するなど、積極的に来場者との交流を図る学生たち
オリジナルTシャツのデザインは、プロのクリエイターと学生が何度もやり取りして完成させたもの。細かい部分にまでこだわりを反映

遂に本番がスタート!FM802のDJ・樋口大喜さんがMCを務め、学生メンバーがこのイベントにかける思いをコメント。そして、学生たちが選んだ3組のバンドのステージが始まりました。

オープニングは、2024年に活動を開始し、日本だけでなく韓国でも人気上昇中の3人組バンド「LET ME KNOW」。続いて大阪・北摂を拠点とする3人組バンド「レトロマイガール!!」が登場し、フロアはさらにヒートアップしていきます。ラストを飾ったのは大阪・高槻出身の4人組ロックバンド「TRUCK15」。ステージからダイレクトに響く音と熱いパフォーマンスに、会場全体が一つになり、歓声と拍手の中でエンディングを迎えました。

それぞれ個性の異なる3組のアーティストたちの気持ちのこもった演奏が繰り広げられ、大いに盛り上がったライブ。ステージを見守った学生たちも、無事に終了した安心感と達成感を味わい、最高の笑顔を見せていました。

開演前に学生メンバーが登壇し、プロジェクトの意義やお客様へのメッセージをコメント
3組のバンドがそれぞれの世界観と演奏で魅せた白熱のライブステージ
学生メンバーも交替でフロアに入り、ステージや観客の様子を見守った
芸術計画学科 客員教授
今江 元紀 先生

これまで「プロジェクト演習」として、学生たちに大型音楽イベントの一部コンテンツの企画・制作や当日の運営手伝いなどを行ってもらってきました。今回はさらに踏み込み、イベントを自分たちで一から作る企画を実践しました。会場やアーティスト選び、コンセプトやタイトル作りなどすべてをゼロから立ち上げ、どんなイベントにするか議論し組み立てていく。そこまでできるのは本当に希少な体験です。単にアーティストのキャスティングをして会場を押さえるだけでなく、そこにどれだけ自分たちの思いを乗せて、こだわりのあるライブにできるか。さらに専門知識をもつブレーンと仕事をするためには、自分もある程度の知識を持った上で判断しなければなりません。そうしたプロデューサーとしての視点を学び、体感できる絶好の機会になったのではないかと思います。
重視したのは全員で意思決定をして一つのものを形にすること。そのため音楽好き以外のメンバーも含めて各自が得意分野ややりたいことを考え、役割を分担。同時になるべく授業内で作業を終え、規定時間の中で完結させるタイムマネジメントも意識しました。一人ひとりが自身の役割や目標を理解し、個々に発見や学びを得られたという点でも、第一回目の到達点としては良かったと思います。次回からは、FM802と協働してライブを作る意味、イベントとしての認知度を学内外で上げる重要性などもしっかりと認識し、今回の改善点を洗い出し、より良いものにブラッシュアップしようと考えています。学生たちには、主催者としてライブ本番の様子をしっかり見るべきだという点も強調しておきたいですね。企画や準備にとどまらず、実際の現場がどうだったのか自分で体感して振り返ることも非常に大切ですから。
芸術計画学科では色々なプロデュースを実践的に学べる機会がありますが、イベントプロデュースとは、自分で何かをするのではなく、いろいろな才能を持つ人たちの力を借りて大きなものを動かし、そこにお客さんを繋ぐということ。人と関わりながら物事を進める流れを知り、社会における組織というものを理解する場にもなります。僕の専門である音楽ライブのプロデュースでは特に、配信やデジタルではなくリアルだからこそ感じられる良さや感動を伝えていきたい。それがこの業界を支えることにもなり、音楽というカルチャーを根づかせ、広げていくことにもつながると思っています。

芸術計画学科 3年生
岡部 美夢 さん

中学生の時にライブの魅力にハマって以来、いつか自分でライブを作りたいと思っていたので、今回のプロジェクトはまさに夢を叶える第一歩になりました。私はプロデューサーとして、スケジュール管理、先生とのやり取り、企画書やマニュアルの作成などを担当。前例のないプロジェクトを一から企画するのは、予想以上に大変なことでしたが、自分たちの作るライブでお客さんや出演者に楽しんでもらいたい、そして来年以降この企画に取り組む後輩たちのためのより良い土台作りをしたい、という思いをモチベーションに頑張りました。
当日も、企画や準備の段階ではわからなかった問題が発生し、現場で急遽変更になった点も多々ありましたが、多くの方の協力で無事にライブを終えることができて本当に良かったです。「このイベントのために東京から来た」という来場者の方や、「思い出の場所で新年初ライブができて嬉しい」という出演アーティストのMCコメントなど、楽しんでくださる皆さんの声を直接聞けてすごく嬉しかったです。初の取り組みならではの苦労が大きかった分、とても勉強になりました。
実は入学前には、音響や照明を学べる舞台芸術学科にも興味があったのですが、将来ライブ関係の仕事を希望している私には、芸術計画学科が合っていたと思います。学外の大規模イベントなど、他の大学では経験できないようなこともたくさん体験して、成長することができました。今プロジェクトで得た学びもいかして、演者もスタッフもお客さんも、関わる人すべてが笑顔になれるようなライブがいつかできたら最高ですね。

芸術計画学科 2年生
武田 日和 さん

もともとバンドやライブが大好き。このプロジェクトでは今までにないライブイベントを一から立ち上げると知り、固定観念なく自由に取り組めそうと思って参加しました。最初のうちはメンバーの音楽の好みも違い、どんなイベントにするか意見もなかなかまとまりませんでしたが、方向性が決まって担当別に作業を進めていくうちに、だんだんチームワーク力もアップ。私はプロデューサーを補佐するディレクターを務め、みんなが楽しく作業に取り組める雰囲気作りを心がけながら、各メンバーのサポートにもあたりました。中でも印象に残っているのは、FM802本社でポッドキャスト収録に立ち会ったこと。自分たちの思いがしっかり伝わるよう、MCの方にいろいろと要望を伝えてディレクションさせていただき、とても貴重な経験ができました。
本番では、みんなで作り上げることができたという達成感とともに、イベントの裏側にはたくさんの人の力があるんだなとあらためて実感。このプロジェクトでの取り組みすべてが自分のためになることばかりで、すごく楽しく学ぶことができました。一方で、企画段階のスケジューリングの遅れやSNSでの呼びかけの不足などの反省点も。来年もぜひこのプロジェクトに関わり、そうした点を改善して、より完成度の高いイベントを企画・運営したいです。
芸術計画学科では、各種イベント、アート、地域活性化などさまざまな領域のプロデュースを学べるのが魅力。やりたいことが定まっていなくても、企画やプロデュース全般に興味があったり、イベントの裏方に携わりたいという人にはぴったりな学科だと思います。