2026年4月、神戸大分航路「さんふらわあ ごーるど」および「さんふらわあ ぱーる」のデラックスルームに学生のアート作品が設置されました。
この取り組みは株式会社商船三井様より、夜行フェリーでの移動時間を乗船客により豊に過ごしていただくことをテーマに、アート作品の制作依頼をいただきました。若い感性や創造性を活かした文化的価値の創出と、船旅における新たな体験価値の提供を目的に実施されました。
2025年度、デザイン学科の3年生が履修する実践型授業「デザインプロジェクト」の一環として、森和弘先生のチームで取り組みました。最終的に8名の作品が選ばれ、学生にとっては、自身の作品が大学内の展示にとどまらず、実際に多くのお客様が利用する商業空間に展示される貴重な機会となりました。
アート作品が設置されるのは、両船舶の最上級客室である「デラックスルーム(洋室)」の計8室です。専用のウッドデッキ(プライベートバルコニー)や、瀬戸内海を望む窓付きのバスルームを備えた約17㎡のゆったりとした空間に、学生8名がそれぞれ「正方形」と「長方形」の2つのサイズで描き下ろした計16作品が飾られました。
参加学生は、寄港地である神戸の街並み、大分で親しまれるサザンカ、阿蘇の自然、瀬戸内の夕景や朝日、海面に映る光など、航路にゆかりのある風景や船旅の記憶を作品のモチーフにしました。抽象表現や色彩のグラデーション、花や太陽、波の流れといった要素を通じて、客室で過ごす時間に穏やかな余韻や旅への期待を添える作品となっています。地域ならではの魅力や、船旅がもたらすロマンチックなひとときが、若きクリエイターたちの瑞々しい感性によって表現されています。
『夕光のゆらぎ』
夕暮れの航海で海面に映る光の帯をイメージし、波と風が生む柔らかなリズムを色で表現しました。移ろいゆく時間の中で訪れる穏やかな瞬間を、旅の記憶として感じてもらえるよう制作しています。
『風の中』
神戸の港を行き交う船上からの眺めをイメージし、海の中へと光がこぼれ落ち、波風と共にゆらゆらと揺らめく情景を表現しました。
『夕焼けの航路』
海側からデラックスルームを見上げるイメージで、夕焼けの中を進む「さんふらわあ」を描きました。力強い波のリズムと大きな太陽で、遠くから見ても頼もしさとワクワク感が伝わるようにしています。
『阿蘇』
雄大な阿蘇の自然を同じく抽象画で描きました。
圧倒的なスケール感を感じてもらえるよう、美しい緑の山が空に向かっているような構成で描きました。お客様の思い出と重ねて初めて両作品は完成するというコンセプトを意識しながら制作しました。
『光を運ぶ航路』
昇る朝日と、それを受けてきらめく海面を抽象的な色と曲線で表現しました。大阪と大分をつなぐ航路そのものを光の流れとして描き、移動の時間が新しい一日へ向かう前向きな体験となることを目指しています。
『思い出結ぶ』
神戸と大分を結ぶ船なので大分市花のサザンカと神戸市花のアジサイをベースに作成しました。 サザンカを太陽 (さんふらわあ) アジサイを海に見立てています。サザンカの方の構図はさんふらわあのロゴをオマージュしつつ、アジサイの方は神戸の山並みに見えるようにもしました。 こちらは上下のない作品にしたかったのでこのような構図にしました。
『明け方の空』
太陽の光がキラキラを反射している明け方の海を描きました。水平線の向こうには何が見えるのだろうと期待する気持ちを表し、さんふらわあごーるど・ぱーるを象徴する太陽が優しく、暖かい光で起こしてくれるイメージで制作しました。
『流れと繋がり』
海の波の流れや日が昇る時間の流れを表現しました。両端を繋げる曲線のラインは美しい波の流れや繋がりをイメージし地域、人、ものを船で結び、繋げるというコンセプトを視覚的に表現しています。太陽を模した3つの円は水平線から昇る太陽の美しさや時間の流れを表現し、船旅での特別な時間を感じられる印象を表現しました。美しいグラデーションの流れ、カラフルな配色で高級感とカジュアルな印象を両立することのできる作品になるようデザインしました。