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LIVING & DESIGN 2022 LIVING & DESIGN 2022

デザイン学科
2022/10/28

デザイン学科では、コースや学年を横断して取り組む「ハイパープロジェクト」を実践。その一環として、2022年9月7~9日の3日間にわたり東京ビッグサイトで開催された住まいと暮らしの国際見本市「LIVING & DESIGN 2022」に、大阪芸術大学ブースを出展しました。

今回から「東京インターナショナル・ギフト・ショー」との同時開催となった同イベントには、多数のバイヤーや業界関係者が来場。学生たちの自由な発想から生まれた多彩な作品が注目を集めました。

住空間の国際見本市に教育機関で唯一のブースを出展

住空間をテーマにした日本最大級の国際見本市として知られ、海外からも高い関心を集める「LIVING & DESIGN」。大阪芸術大学は、教育機関として唯一ブースを出展。プロダクト制作からブース設計、展示まで学生たちが手がけ、豊かな住まいや暮らしのあり方について発信しました。

2009年から大阪で行われてきた「LIVING & DESIGN」は、コロナ禍でのオンライン展を経て、今回は3年ぶりのリアル開催に。さらに「東京インターナショナル・ギフト・ショー」との初の同時開催によって東京進出を果たしました。大規模イベントとの相乗効果により、来場者も注目度も一挙に拡大。同時開催展を含む全体の総来場者は約19万人にのぼりました。

日本最大の国際展示場・東京ビッグサイトで開催
催し全体で1988社が出展し約19万人が来場。会場は活気にあふれた
「LIVING&DESIGN」のエリアには住空間に関する多彩な企業と商品が集結
「暮らしにおける人とモノのつながり」をコンセプトにデザインされた大阪芸術大学ブース。多くの来場者から関心が寄せられた

デザイン学科では、全7コースの領域や学年の枠を超えて学ぶ授業「ハイパープロジェクト」の一つとして、この「LIVING & DESIGN」出展に取り組んでいます。今回は25名の学生が参加し、ブース制作、ロゴやリーフレット等のグラフィック制作、作品募集などのマネジメント、ブースで上映するPR映像制作と4つのセクションに分かれてプロジェクトを推進。各セクションが連携しながら企画運営を進め、デザインの実践力を高めました。

 当日は、ブースを訪れる来場者へのプレゼンテーションも学生たち自身が行い、インテリア関連など様々な企業の担当者やバイヤーと直接対話する機会も。自分たちが制作したプロダクトへの反応や、他の企業のプロモーションなどを体感し、実社会で求められるデザインのあり方を探りました。

来場者とのコミュニケーションを通じて多くのことを吸収
展示作品の特徴をわかりやすくプレゼンテーション
大きなクマの形のソファはひときわ目を引いた
2つのテーブルを組み合わせたコーナーテーブル
キャンドルウォーマーを兼ねて香りと光を楽しめる照明器具
木材と異素材を組み合わせた掛け時計は壁面展示のアクセントに
デザイン学科 准教授
石津 勝 先生

「LIVING & DESIGN」のプロジェクトでは、企画運営のすべてを基本的に学生が行い、教員はあくまでもサポート役に徹します。学生たちは自分の得意分野をいかして役割分担し、シフトを組んで作業を進め、足りないスキルがあれば他学科からメンバーを募ることも。自ら主体的に考えて動くことで実践力が身についてくるのです。他にも「ハイパープロジェクト」の授業では10数個のプロジェクトが展開されていますが、いずれもコースや学年、時には学科を超越し、有機的につながるチームで行うのが特徴です。こうした取り組みは他にあまりないのではないでしょうか。

今回は東京ビッグサイトという日本最大の展示会場で、大規模な見本市との同時開催に。さらに例年よりも開催時期が早まったため、出展作品の応募・選定をはじめすべてのスケジュールを前倒しする必要もありました。コロナ禍でリアル開催のイベント経験も浅い学生が多く、苦労したようですが、それだけに得たものも大きかったはずです。
現地で設営・展示作業に関わり、来場者にプレゼンを行う体験も、大学の授業とは違う学びになったと思います。せっかく現場に来るのですから、学生たちにはより多くのことを貪欲に吸収してほしい。ブース前を通る人に声をかけて資料を渡したり、会場内だけでなく東京で今話題の展示やスポットを見学したり、自分からどんどん積極的に動いてみるといいですね。

出展した学生作品は家具や照明が中心で、今回は掛け時計などの小物も展示しました。近年は、レーザー加工機や3D CAD、3Dプリンターなどを駆使したプロダクトが増加。その一方でレース編みなどローテクの良さを取り入れたものもあり、面白いセレクションになりました。
「購入したい」「売場で扱いたい」といったオファーもいくつかあって、学生たちの自信にもなったと思います。製造物責任などのハードルも考慮しつつ、いずれは販売や製品化という実績に結びつけたいですね。このプロジェクトが企業と学生の出会いの場となり、産学連携でのものづくりやインターンシップ、就職といった成果にもつながっていけばと希望しています。

デザイン学科 空間デザインコース 3年生
岩田 みなみ さん

このプロジェクトには2年続けて参加しました。オンラインだった昨年とは違い、今年はリアル開催で会場が東京になるのに加えて、自分が総リーダーを務めることになり、 最初は不安が大きかったです。4つの班の意見を調整するのは大変でしたが、毎回各班のミーティングに参加し、メンバーのコミュニケーションをしっかり橋渡しできるよう頑張りました。今回はブースの図面制作も担当。施工業者さんとの打合せや修正を繰り返してより良いものにすることができ、自分が描いた図面が初めて実空間になったのを見て、とても感動しました。
当日は予想をはるかに上回るほど多くの方がブースに立ち寄ってくださいました。私が出展したのは、2つのテーブルを結合してコーナーにフィットするよう工夫したテーブル。自分の作品を大学以外で展示するのは初めてでしたが、「この作品の良さを伝えたい」という気持ちが強く、思ったより緊張せずにのびのびとプレゼンをすることができました。見てくださった方々から「発想がいい」「可愛い」など嬉しい感想を聞けて、「作って良かった!」と手応えを感じましたね。
大学では現役デザイナーの先生方はもちろん、友人たちからもたくさんの刺激を受けています。自分では思いつかないようなアイデアや技術にヒントをもらったり、困った時に相談したり、お互いに高めあいながら楽しくデザインを学んでいます。将来は空間デザイナーとして、商業空間やショーウィンドー、ブース等のデザインを手がけるのが目標。展示についてさらに深く勉強し、訪れた人が自然と笑顔になれるような空間をつくりだしていきたいです。

デザイン学科 プロダクトデザインコース 3年生
松永 美乃理 さん

もともとインテリアに興味があり、住まいや暮らしに関連した「LIVING & DESIGN」というイベントに惹かれて、昨年からこのプロジェクトに参加。今回私は副リーダーを担当しました。各班のリーダーとやりとりを重ねて進捗状況を把握し、全体をスムーズに進行させるのが役割ですが、こうした立場に立つのは初めて。意見の相違をまとめ、チームを引っ張っていくことの難しさを実感しました。様々な苦労があっただけに、自分たちのデザインやプロジェクトが実際の形になり、大勢の人に見てもらうことができてとても嬉しかったです。
東京ビッグサイトの展示会場はスケールが大きく見応えがあり、出展者として参加することでとても勉強になりました。大阪芸大以外はすべて企業ブースなので、どんな会社がどんなデザインのブースを出展しているか、商品をどうアピールしているかを見て回り、ビジネスの現場にもふれられたように思います。単に展示するだけでなく、お客様を惹き込み、商品の魅力を言葉で訴求することの大切さを知って、プレゼンテーション能力をもっと磨かなければと感じました。
デザイン学科では、1年次にデザインの基礎を幅広く修得した上で、2年次から7つのコースで専門的に学ぶことができます。私はプロダクトデザインを専攻していますが、デザイン・制作はもちろん、コンセプト立案やデザイン戦略、プロデュースなどもトータルに学べるのが魅力。企業や自治体とのコラボなどのプロジェクトも多いので、これからも「デザインで問題を解決したい」と感じたことに積極的に取り組んでいこうと考えています。