仲間を集めて学年・学科を超えたつながりを作る!新しいDJ・VJイベントの開催 仲間を集めて学年・学科を超えたつながりを作る!新しいDJ・VJイベントの開催
実験ドームでのイベント「LINK」でにぎわう人々
2024年11月2日(土)〜3日(日)に行われた大阪芸術大学 学園祭2024「Laugh Sketch」にて、今年はアートサイエンス学科の2年生が中心となってDJ・VJイベント「LINK」が開催されました。
このプロジェクトを作り上げたのは、3年生1人、2年生9人、1年生12人の、合計22人のメンバーです。今回はこのプロジェクトをはじめたアートサイエンス学科2年生の加茂 熙海さんと、デザインを担当した村田 由美さん、VJの植田 太一さん、3DCGチームの1年生 五輪 空雅さんにお話を聞きました。
実験ドームという半球型サラウンドシアターを使った最先端なクラブイベント
Q. 今回のイベントはお疲れ様でした。どんなものだったんですか?
加茂「今回のイベントでは、大学にある実験ドームという半球型サラウンドシアターを使ってDJとVJが盛り上げる、最先端なクラブイベントを制作しました。22名がDJ班、VJ班、3DCG班、デザイン班に分かれて、思い思いの空間演出を行いました。結果として全員が一人ひとつは何かを完成させることができ、とても良いイベントになったと思います!」
Q. イベント開催は大変でしたか?
加茂「とても大変でした。 そもそも実験ドームは学生だけで使うことが想定されていなかった場所なので、どこに何の許可を取れば良いのか探すところから始めました。半年前から準備して、事務局だけじゃなくて色んな学科、色んな先生から許可をもらったり、機材の使い方のレクチャーを4回くらい聞いて、やっと使うことができるようになりました。」
大学で学んだことを使って作品を発表する場を作る + 学年を超えたコミュニティを作る
Q. プロジェクトの参加人数も多いのでまとめるのも大変そうです
加茂「最初は24人だったんですけど、実際に参加したのは22人です。1年生とやるのも大変でした。学年が違うのでなかなか時間も合わなくて。でも今回の実行委員側のコンセプトが『学年を超えたコミュニティを作る』ということと、『大学で学んだことを使って作品を発表する場にする』ということにしてたので、メンバーをまとめるマネジメントを大事にした結果、達成できてよかったです。」
Q. そんな大変なプロジェクトをなぜ始めようと思ったんですか?
加茂「もともと僕が1年生だったときに、先輩から学外のプロジェクトに誘ってもらって、色んな体験をさせてもらってとてもよかった!という経験があります。DJやVJなど、色んなことに興味を持つきっかけになりました。だから今回、1年生に参加してもらって色んなことを学び、経験してもらおうと思っていました。参加した1年生は授業『アートサイエンスチーム制作』の制作物のクオリティが上がってるんじゃないかな。自信はついたんじゃないかなと思います。それと、日常的に他学年と話すことがなかったんですけど、今回のイベントで学年を超えて交流するきっかけを作ることができたと思います。」
普段あまりつながることがない芸大生をつなぐイベント
Q. 当日のお客さんの反応はどうでしたか?
加茂「すごかった!とか、今までにない体験ができた、みたいなコメントをもらいました。今回の学園祭の来場者、主に他学科の学生に向けて考えたイベントのコンセプトは『学科を超えたコミュニティをつくること』でした。実際に来てもらった他学科の学生からDJやVJをやったクリエイターに連絡が来て関係がつながったり、『次は俺等もやってみたい』と連絡が来たりしています。普段あまりつながることがない他学科の学生と、イベントをきっかけにつながることができて、やってよかったと思いました。大学の職員の方にも今回のイベントは良かった、と言ってもらえました。苦労してよかったです…。今後も大学の活用されていない教室などを使ったイベントを作っていこうと思います。」
Q. 参加メンバーからの反応は?
加茂「クリエイター側からすると、人前に作品を出せる良い機会だと思います。今回参加してくれた植田さんは、今回のことをきっかけにしてVJにのめり込んでくれました。東京でプロとして活躍しているアートサイエンス学科の4年生と交流したりして、クリエイターとしての経験値を磨いているみたいで、とても嬉しいです。」
植田「僕はVJという、音楽に合わせて映像を投影する仕事をしました。これまで授業で映像を作ったことはあったのですが、実際にイベントで見せるのは初めてだったので、観客の前なのでとても緊張しました。本番前は毎週練習をして、コントローラーで何度も映像を調整しました。VJはとても楽しいです。このイベントがきっかけで、梅田のクラブでVJの仕事を始めました。以前はやりたいことが曖昧でしたが、今はVJをやりながら映像関係に進みたいと思っています。」
村田「私はもともと『手作り横丁』という作品を販売するブースにだけ出す予定だったんですけど、今回デザインチームとして加わって、フライヤーや空間装飾、その他広報活動をお手伝いさせていただきました。学内に掲載したフライヤーにはスマートフォンを近づけたら情報が表示されるNFCタグを入れました。当日はステッカーを販売したりして、とても楽しい時間を過ごしました。実際にお客様がスマホをかざして詳細ページに飛べた時の驚きの反応を見て、とても嬉しかったです。イベントを終えた時は大変だったというより、達成感がありました。プロジェクトの進め方も勉強になりました。デザインの技法だけじゃなくて、タスクの管理や、スケジュール管理、チームマネジメントなどの経験を積むことができてよかったです。」
五輪「僕は映像投影に使用する3DCGを作成しました。3DCGの授業は2年生にあるので、まだ3DCGを作ったことはなくて何もわからなかったんですけど、参加メンバーに教えてもらってできました。3DモデリングソフトウェアのBlenderを使って、DJのロゴや映像ループ素材、かっこいい顔のグラフィックなどを制作しました。普段3DCGを作るだけだと見てもらう機会がないのですが、聴衆のことを考えて、そのときの演出に合うように考えて作ることが大事だと思いました。3DCG制作の深いところを理解できたので、とてもいい経験になりました。今回のイベントをきっかけに3DCGにはまったので、これから別のイベントにも参加しようと思っています。」
昼休みに色んなところで色んな人に声をかけてメンバーを集めた
Q. 大きなイベントを大勢でやるのはとても大変だと思うんですけど、そもそもどうやってメンバーを集めたんですか?
加茂「1年生は昼休みとかにサロン(アートサイエンス学科の校舎にある広場)で『作品づくりに挑戦してみない?』と声をかけて集めました。上級生は、ある程度どんなスキルを持っている人か知っていたので、ほしいスキルを持っている人に声をかけて参加してもらいました。僕は使える技術はそんなに多くないんですけど、人を集めるのは苦にならないタイプなので。」
村田「第二食堂とかでも色んな人に声をかけてました(笑)」
Q. 大勢のプロジェクトをまとめるコツとかありますか?
加茂「ありがとうを伝えることだと思います。挨拶のような、人として当たり前のことを。クリエイターはアーティストとしてのプライドは持っておいたほうがいいと思いますが、関わる人に対する互いのリスペクトがないとうまくいかないと思います。話しかけてくれる人がいるっていうことを当たり前と思わずに、関わってくれる人に感謝することが大事かなと。最初は、学園祭の関係者に『実験ドームを使うなんて無理でしょ』と言われたりしましたが、色んな人と関わって、教えてくれた人に感謝しながら粘り強く進めました。本当に色んな人のお陰で成功させることができました。」
自信を持って声をかけ、関わってくれる人に感謝することが大事
Q. 今後やってみたいことはありますか?
加茂「学祭では来年もイベントをやろうと思っています。次は模擬店などを含めて、イベントを4つ出したいです。規模は今年の3〜4倍で。でも来年は東京の会社と一緒に色んなことを進めたいと思っているので、自分があまり関わらなくてもいいように1年生の後継者を育てようと思っています。来月に1年生主体でプロジェクションマッピング・イベントをやるんですけど、そこで『ここを見といたほうが良いよ』というポイントを教えたり、ひたすら全肯定したり。新しい経験をするときは自分なりにぶつかるしかないから、全肯定します。それでうまくいったら自信になりますし。あとは、他学科や色んな教員を巻き込んでみたいです。夏に2つくらいフェスもやりたいし、冬には卒業のときのパーティも企画したいですね。」
Q. 最後に、こんな感じでイベントやプロジェクトをやってみたい人たちへメッセージをお願いします。
加茂「自信を持って周りの人に声をかけたらいいよ!根拠のない自信があったらいいですね。あとは縁を大事にして、関わってくれる人に感謝するのが良いと思います。他にも実験ドームを使いたいって言っていたグループがいましたが、頭で考えるより動いたほうが早いと思います。1年後に達成するとか、長期間かかるプロジェクトを計画しているグループもいましたが、長期間のマネジメントは難しいです。メンバーが離れていくかもしれないので。目標とか期限を決めると、メンバーのモチベーションを保ちやすいと思います。」
植田「まずは近くの人にでも、先生でも、事務局でもいいから、話を聞いてもらって動くことですね。これがしたい、ってわいわい人が集まっただけでは進まないので、行動に移して順調に進めるのがコツかな。人とのつながりを大事にして。」
五輪「始めるまでは不安だけど、一歩踏み出してしまえば何とかなります。失敗しても何とかなるので。」
イベント名:「LINK」
日時:2025年11月2日(土)〜3日(日) 13:00~18:00
場所:大阪芸術大学 実験ドーム(芸術情報センター地下1階)
参加アーティスト:
DJ:DJ KOKI、FuFuH、mauny、sukepi、SIBH-Live set-
VJ:boat racer、COBAIN、enθ、mayuge、pop、SaKu、リリウオカラニ
Produced by 大阪芸術大学複合演出研究会+MDU
参加学生:
加茂 熙海(2年生)、植田 太一(2年生)、山内 康生(2年生)、中条 雅仁(2年生)、金泥 匠(2年生)、田淵 文也(2年生)、徳田 悠一郎(2年生)、村田 由美(2年生)、寺田 亘輝(2年生)、森 真那(2年生)、上田 壮馬(3年生)、沖田 蓮太郎(1年生)、中野 友結(1年生)、小林 良太郎(1年生)、山下 真由(1年生)、石田 景資(1年生)、五輪 空雅(1年生)、能瀬 裕貴(1年生)、坪井 花蓮(1年生)、後藤 央樹(1年生)、和田 悠治(1年生)、箕輪 一彩(1年生)、岡部 優音(1年生)
趣味で光造形3Dプリンターを使い、アクセサリー制作をしています。また、Illustratorを活用したデザイン制作や黒板アートにも取り組み、様々なジャンルのイベント企画にも参加しています。幅広い表現に挑戦しながら、自分らしさを活かした作品作りを目指しています。
本イベント「LINK」でVJとしてアーティスト出演した植田です。今回VJの枠で参加させてもらい、1年生をまとめる立場であったりみんなへの気遣いなどで上手くいかなかったりが多かったですが、イベントとして成功したのがとても嬉しかったです。普段はクラブVJをしたり、TouchDesignerでインタラクティブコンテンツを作成しているので、そのようなイベントをもっと学内で展開していきたいです。
普段は3Dを触りながら自分の作りたいもの、頼まれたものを作っています。これからはプログラミングや映像演出を勉強していきたいなと思っています。