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クリスマス・ポップスコンサート2021 クリスマス・ポップスコンサート2021

演奏学科 / イベント
2022/03/11

2021年12月18日、大阪市中央公会堂の大集会室で、毎年恒例の「クリスマス・ポップスコンサート」が開催されました。

音源でのオーディション審査を勝ち抜いた12組による華やかな音楽の饗宴。100年の歴史を持つ国の重要文化財でもある大阪市中央公会堂のステージで、練習を重ねた学生たちが幅広いジャンルのパフォーマンスを繰り広げました。

ステージに立つことで学ぶ「魅せる」技術

大阪芸術大学の学びでは、学生たちが実践の場に立つことに重きをおいています。

ポピュラー音楽コースのコンサートも、大阪市中央公会堂やフェスティバルホール、サンケイホールブリーゼなどで演奏し、プロフェッショナルな現場を体感して自らが進む道への理解や責任を深めることができるのが大きな特徴です。


今回のクリスマス・ポップスコンサートでも、合計12組のバンドやユニットがステージに立ち、高いレベルまで磨き上げたパフォーマンスで客席を魅了しました。


トップバッターは、3年生の水田優妃さんがリーダーを務める「しゃんしゃん」が、ポピュラー音楽コースの教授である森川美穂先生の楽曲「クリスマスはどうするの?」を熱演。伸びやかなヴォーカルと、間奏でジャジーに変化するバンド陣とのアンサンブルで楽しくオープニングを飾りました。4年生の許優希さんのピアノが美しい旋律を奏でる「甘党の雪」は、3年生のベース、ドラムと一体感のある演奏を披露。

4年生の古川絵理奈さんをヴォーカルに据えた「Mine」は、熟練のテクニックとバンドアンサンブルでネオソウルの世界を展開。2年生のキーボーディスト・羽田詞春さん率いる「創生時」は、一転して爆音のヘヴィメタルを響かせ、3年生の尹瑞辰さんのエモーショナルな歌声で注目を集めます。4年生の古家卓矢さん、3年生の小山俊平太さんによるアコースティックギターデュオの「SPARKLE」は、森川先生曰く「森のせせらぎのよう」という爽やかな音色を奏で、会場の空気を一変させました。

6組目、3年生の中井遥斗さんが結成した「つぶらなカボス」は、アルトサックスの音色をメインにアーバンジャズの心地よいムードを演出。ヴォーカルの平岡桃佳さんを中心に3年生・4年生の精鋭が集まった「XYZ」は、亡き恋人を偲ぶ楽曲「冬の幻」を情熱的に歌い上げ、前半戦の幕を閉じました。

後半戦は、コース内で選抜された総勢29名による「O.U.A. BIGBAND」が登場。マリア・シュナイダー氏の楽曲「The ‘Pretty’ Road」をダイナミックな演奏で聴かせました。今回、唯一、短大からの出演となる「I Scream」は、力強くブルージーな演奏が個性的。堂々としたヴォーカルパフォーマンスもステージを大いに盛り上げました。


1年生のドラマー・鶴澤正真さんがリーダーを務める「ぼっくす」は、ピアノ、ベースとのスリリングな演奏で会場を一気にヒートアップ。「Mine」のメンバー3人から成る「小鳥のさえずり」は、ヴォーカル、アコースティックギター、パーカッションのシンプルな編成で優しい歌声を届けます。


12組目は、4年生・山下歩奈さんのサックスをフィーチャーした「mushroom」。疾走感あふれる楽曲の中で速弾きギターなど楽器陣との応酬を繰り広げます。大トリを飾ったのは、2年生の三好咲弥花さんがフロントを務める「サイネリア」。ジャジーな曲調にゆらめくようなボーカルが舞い、エンターテインメント性あふれるステージを展開。バックダンサー2名も華を添え、みごとにコンサートを締めくくりました。


演奏学科 ポピュラー音楽コース ヴォーカル専攻3年生
水田優妃さん

今回、入学3年目にして初めてクリスマス・ポップスコンサートに出演することができ、本当に感無量です。私は森川美穂先生の楽曲を歌わせていただいたのですが、サックスやキーボードのソロも入れて、原曲よりかっこいい感じにアレンジしています。バンドメンバーが他にも引く手あまたな人たちばかりということで練習時間の確保が難しかったのですが、1回目のセッションでアンサンブルも完璧だったのが印象的でした。
ヴォーカルは森川先生に教えていただいているのですが、先生はバンドを引っ張る力というか、少し歌うだけでプロフェッショナルな空気を作られて、いつも驚きながら勉強させてもらっています。
私はもともと歌が好きだったのですが、中学生・高校生の時期はスポーツに打ち込んで音楽に触れる機会がなく、「この先の人生、したいことをせずに終わりたくない、また音楽に触れたい!」と思って受験を決意。入学して最初は周りの話についていけないところもあったのですが、徐々に知識を吸収して、一緒に演奏できる仲間を得たことが何よりも喜びです。将来は音楽関係の仕事に就きたいと思い、今は改めて理論や基礎を勉強し直しています。

演奏学科 ポピュラー音楽コース ベース専攻2年
坪井駿斗さん

1年生の時にローディーとしてクリスマス・ポップスコンサートに来たのですが、出演は初めてで、感動とともにステージの広さに驚いています。今回は2バンドで出演し、1つはロック調の原曲を大胆にアレンジして、ベースとしてどう楽曲を支えるかが課題でした。もう1つはジャズ・ポップスのような曲調で、初めてウッドベースに挑戦。演奏が難しいのに加えてコロナでキャンパスに入れず、楽器が触れない時期もあったので、対面授業が再開されてから、かなり練習を重ねました。ダンサーの方と一緒にやるのも初めてで、すごく楽しかったです。
ベースは高校生の頃から始めました。最初は何の知識もなかったのですが、やってみたらどんどんハマっていき、最近ではフランスのジャズベーシスト、アドリアン・フェローさんの影響を受けてアドリブソロなどをコピーしています。学科の先生も一流のミュージシャンばかりで、特に僕は荒玉先生の楽曲に寄り添うようなベースラインに惹かれ、ベーシストとして多くのことを学ばせていただきました。
将来はプレイヤーになるのか製作側に回るのか、それともライフワークとするのか。いずれにせよ、ずっと音楽に携わっていくと思うのですが、どの道が自分に合っているのか、今、考えているところです。

演奏学科 ポピュラー音楽コース サクソフォン専攻2年生
中井遥斗さん

クリスマス・ポップスコンサートは1年生のときにも出演させていただいたのですが、僕が先輩に誘われて出た初めての演奏会ということで、とても思い入れがあります。今回は4バンドに参加し、1つは自分が企画者として大好きなデイヴ・コーズさんの楽曲を演奏。出演が決まってから、クリニックで先生に演奏を聴いていただき、音量の大小がなかなか付けられていないという点をご指摘いただき重点的に練習しました。5人のバンドをまとめるというのもなかなか難しかったのですが、メンバーの協力もあって、自分では結構うまくできたのではないかと思っています。他のバンドではボーカルのバックを務め、目立つところと引くところのバランスについて、かなり意識しました。
僕は結構緊張するタイプで、これまではステージに立つと震えてしまうこともありました。しかし、森川先生から「一度、舞台の端から端まで歩いてみると緊張がほぐれるよ」と教えていただき、それでステージングにも少しずつ自身が持てるように。今回は、めいっぱいステージを楽しむことができました。
高校生の頃は周りに本気で音楽をしている人も少なかったのですが、ポピュラー音楽コースに入ってからは専門的な話ができる友人も増え、人脈もすごく広がったと感じます。ここで学んだことを生かして、将来はどんなジャンルでも活躍できるプレイヤーになりたいと思います。

演奏学科 ポピュラー音楽コース 教授
森川美穂先生

クリスマス・ポップスコンサートは、私がポピュラー音楽コースの教員になる前から開催されている恒例行事で、普段なかなか立つことができない大阪市中央公会堂のステージをめざす学生たちの熱気は、毎回、並々ならぬものを感じます。
私は基本的に、学生がやりたいことは全部やってもらうということを指導方針にしています。とはいえ、押さえるべきところはしっかりあって、中でも選曲は重要なポイント。いくら好きな曲があっても、それが自分の声やキャラクターに合わなければうまくいかないし、それをオーディション用にレコーディングするという作業もあるので、そこは最も時間をかけています。
選曲がクリアできれば、次は、ステージングでお客様をどう楽しませるか、自分たちもどうやってモチベーションを上げて演奏するかが、最終的には重要になってきますね。特にキーボードやドラムは座って演奏するのでアクションも付けにくい。でも、映像収録で抜かれた時に気の抜けた顔で演奏しては様にならないから、学生たちには、「もっと顔で弾いて!」と言っています。淡々とやっているより、「自分がこのステージを支えているぜ!」とカッコつけている方が見ている側も楽しいですから。技術不足は練習で補えるけど、ステージングは練習だけではカバーできない部分があるので、1回でも多く舞台を踏んで経験値を上げてもらえたらと思っています。
学生たちにはコンサートのことはもちろん、進路のことなど、普段からさまざまな相談を受けます。今、時代が大きく変わってきて、一つの職業だけで生計を立てるのが難しくなっています。音楽にはずっと触れていてほしいという思いはあるけど、もしかしたら音楽がきっかけで衣装やアクセサリーの方面に進むこともあるかも知れない。4年間の学びの中で、ストイックに自己練習をするのが大切なのはもちろんですが、固執するのではなく、さまざまな方面に思考を巡らせて自分にとっての正解を見つけてほしいですね。